米国、2024年の仮想通貨詐欺被害が93億ドルを記録|高齢者がターゲットに
米国で15万件を超える被害報告が確認
FBI(米国連邦捜査局)は2025年4月24日に、米国における2024年の仮想通貨関連の詐欺被害額が約93億ドル(約1.3兆円)に達したことを明らかにしました。
FBIは2024年のサイバー犯罪関連の年次報告書を公開し、同報告書において米国全体のサイバー犯罪による2024年の被害額は約166億ドル(約2.3兆円)を記録したことを報告しています。
Today, FBI released its 2024 Internet Crime Report. Last year saw $16.6 billion in cyber-enabled losses, a new record. Fraud made up the bulk of these losses, and ransomware was again the most pervasive threat to critical infrastructure. Learn more here: https://t.co/ulPdYHj34u pic.twitter.com/m0W9BFq6dv
— FBI (@FBI) April 23, 2025
FBIは2024年版インターネット犯罪報告書を発表しました。2024年のサイバー犯罪による被害額は166億ドルに達し、過去最高を記録しています。
この被害の大部分は詐欺によるもので、ランサムウェアは再び重要インフラに対する最も深刻な脅威となっています。
2024年における仮想通貨関連詐欺の被害額は約93億ドルで、サイバー犯罪全体の被害額(166億ドル)のうち半数以上を占めました。
2023年の仮想通貨詐欺被害額が約56億ドル(約8,000億円)だったことから、2024年は前年比で66%以上の大幅増加となりました。
年代別では、60歳以上が約28億ドル(約4,000億円)と最も多く、次いで50代、40代、30代、20代と続いています。
同報告書の数値は、FBIが運営するインターネット犯罪苦情センター(IC3)に寄せられた85万件以上の報告を基に算出されており、そのうち仮想通貨関連は約15万件でした。
FBIサイバー部門の担当者であるB・チャド・ヤーブロー氏は、同報告書でサイバー犯罪における仮想通貨について以下のようにコメントしました。
現在のテクノロジーでは、キーボードを数回叩くだけでネットワークを乗っ取ったり、水道システムを麻痺させたり、さらには仮想通貨取引所から資金を奪ったりすることさえ可能です。
仮想通貨は投資家を欺き、不正利益を洗浄し、さまざまな違法スキームに利用される魅力的な手段となっています。
急増する仮想通貨詐欺の手口とは?
多発する仮想通貨詐欺
同報告書は多発する仮想通貨詐欺の代表的手法として、恋愛感情や信頼関係を利用して金銭を騙し取る「ロマンス詐欺」や「ソーシャルエンジニアリング」を挙げており、これらの被害額は約58億ドル(約8,200億円)に達しています。
さらに、有名企業や政府機関を名乗り、仮想通貨ATMを通じて資金送金を要求する詐欺も急増しています。この手法による2024年の被害額は約2.4億ドル(約340億円)でした。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.9円)
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Source:FBI年次報告書
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像