Gigagasでポリゴン(Polygon)は次のステージへ
イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「ポリゴン(Polygon/POL)」は2025年6月12日、ネットワークのトランザクション処理能力を最大10万TPSまで高める長期戦略「Gigagas Roadmap(ギガガス・ロードマップ)」を発表しました。
TPS(Transactions Per Second)とは、1秒間に処理できる取引件数を示す指標で、この数値が大きいほどブロックチェーンの性能が高いことを意味します。
Gigagasの導入により決済スピードが劇的に向上し、ガス代も大幅に削減されるため、多くのユーザーがストレスなくブロックチェーンを利用できる環境が整う見通しです。
これにより、日常的な買い物や国際送金、さらにはRWA(現実資産)のオンチェーン取引など、ブロックチェーンを活用した決済手段が広く普及すると期待されています。
今回の発表の背景には、ステーブルコインの利用やオンチェーン商取引のニーズが急増していることが挙げられます。
また、ポリゴンは現在、USDコイン(USDC)の利用アドレス数で業界トップを維持しており、1日のアクティブアドレス数でも業界3位と、存在感を日増しに高めています。
ポリゴン(Polygon/POL)とは
Gigagasロードマップ:3段階で10万TPSへ
ポリゴンが掲げるGigagasロードマップは、以下の3段階に分けて実行されます。
フェーズ1:Bhilaiアップデート(2025年7月)
最初のフェーズとして、2025年7月に「Bhilai」アップデートが予定されています。このアップデートにより、ポリゴンネットワークは1,000 TPS超えの処理性能を実現する見込みです。
加えて、ガス代は0.001ドル以下に抑えられる点も強調されており、日常的な決済や取引なども極めて低コストかつ高速で処理が可能となります。
フェーズ2:VEBIoP導入とAggLayer接続(2025年末)
次のステップでは、VEBIoP(Validator-Elected Block Producer)モデルが導入され、トランザクションの即時確定性(ファイナリティ)が2025年末までに実装される予定です。
同時に、複数のチェーンを統合するクロスチェーン流動性レイヤー「AggLayer」との接続も進められ、この段階でポリゴンの処理速度は5,000TPSまで引き上げられる見込みです。
フェーズ3:Gigagas本格稼働()
最終フェーズでは、Gigagasそのものが2026年以降に実装され、ポリゴン全体が10万TPSを処理可能なネットワークへと進化するとしています。
最終段階においては、単なるスピードの向上にとどまらず、国際決済やRWAのオンチェーン取引、グローバルな金融インフラとしての運用が本格化するとみられています。
仮想通貨決済とRWAへの対応力強化
今回のGigagasの発表は、単なる性能向上にとどまらず「ブロックチェーンがグローバル決済やRWAの取引において中核を担う未来」を見据えた戦略として位置付けられています。
すでにブラックロック、Apollo、Stripeなどの大手企業が試験採用を開始しており、USDCを中心とした商取引やRWAユースケースにおいて着実な成果を上げています。
スピード、低コスト、信頼性を兼ね備えた決済基盤を目指すポリゴンの取り組みは、Web3が金融の新たな基準となる未来を切り開く可能性があるとして、業界内外から大きな注目を集めています。
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Source:Polygon公式発表
サムネイル:Polygon公式発表より引用



























