FRBが0.25%利下げ、主要アルトコインが上昇
FRB(米連邦準備制度理事会)は2025年9月17日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の0.25%の引き下げを発表しました。
これにより政策金利の誘導目標レンジは年4.00~4.25%となり、2024年12月以来およそ9カ月ぶりの利下げとなりました。
今回の利下げは、インフレ率の高止まりや雇用の減速を踏まえた措置であり、FRBは今後も経済指標を注視しつつ段階的な金融緩和に踏み切る姿勢を示しています。
こうした金融緩和の期待を背景に、仮想通貨市場では主要アルトコインが上昇しました。ビットコイン(BTC)は約11万7,000ドル(約1,700万円)でほぼ横ばいだったのに対し、ソラナ(SOL)やドージコイン(DOGE)は軒並み価格が上昇しました。
市場関係者の間では、今回のFRB利下げによって仮想通貨市場が新たな強気局面に入るとの期待感も高まっています。
アルトシーズン指数が9カ月ぶりの高水準に
FRB利下げで注目されるアルトコインの価格動向
FRBが利下げに踏み切った経済背景
FRBの公式声明によると、2025年前半の米経済は成長がやや鈍化し、雇用の伸びも減速傾向にあり、インフレ率は依然としてやや高めの水準にあります。
FRBは「経済見通しとリスクのバランスの変化」を踏まえて政策調整の必要性を認識し、目標金利を0.25%引き下げる決定に至りました。その結果、新しい誘導レンジは年4.00~4.25%となり、金融引き締め局面から緩和方向への転換点と位置付けられています。
今回の決定ではジェローム・パウエル議長ら多数が賛成票を投じる一方、スティーブン・ミラン理事のみが0.5%の大幅利下げを主張して反対票を投じたことも報告されています。
アルトコイン価格に見られる利下げ効果
利下げによる金融環境の緩和は、米ドル安を通じて投資家のリスク選好を高めるとされており、仮想通貨市場でもアルトコインを中心に上昇基調が鮮明となりました。
FRBの発表直後からイーサリアム(ETH)の価格は4,600ドル(約68万円)を突破し、エックスアールピー(XRP)やドージコインの価格もそれぞれ約1%および4%の上昇を見せたと伝えられています。
また、ビットコインが小幅な値動きにとどまる中、アルトコインへの資金流入が強まり、BTCドミナンス(市場占有率)は57%を下回る一方でアルトコイン全体のシェアは30%近くまで拡大したとされています。
アナリストが語るアルトコイン市場に対する警戒
こうした市場の動きを受け、専門家もFRBの金融政策転換がアルトコイン市場を活性化させる可能性に注目しています。
エコノミストでマクロ戦略アナリストのヘンリック・ゼバーグ氏は9月5日、自身のX(旧Twitter)で「市場はさらなるFRBの支援を織り込みつつあり、仮想通貨市場は大きく上昇する。これは最終局面であり、強力なアルトコインシーズンになる」と予測しました。
ただしゼバーグ氏は「アルトコインシーズン到来後には景気後退に伴う市場急落が起こる可能性も高い」と警鐘を鳴らしており、市場過熱への注意も必要だと指摘しています。
アルトコインシーズン到来と暴落リスク
アルトコイン市場に広がる活性化の兆し
足元の仮想通貨市場は、FRBの利下げによる流動性改善を背景に、アルトコインへの関心が急速に高まる新局面を迎えています。
市場参加者はFRBの動向を引き続き注視しながら、主要アルトコインがけん引する活性化トレンドの持続性を見極めようとしています。
今後の金融政策と仮想通貨市場の行方は密接に絡み合っており、新たな局面に入った市場の推移に注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.95 円)
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Source:FRB公式声明
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