この記事の要点
- カルダノ財団が2026年3月9日、プログラマブルトークン基盤を発表
- CIP-0113標準によりネイティブトークンへルール直接組み込み可能
- 株式・不動産など現実資産トークン化やステーブルコイン拡張を想定
- KYC・AMLなどコンプライアンス機能をオンチェーン実装可能に
まずはカルダノ・エイダ(ADA)を詳しく
プログラマブルトークン・プラットフォームを発表
カルダノ・エイダ(ADA)を支える非営利団体のカルダノ財団は2026年3月9日に、カルダノのネイティブトークンに様々なルールを直接組み込めるようにする「プログラマブルトークン(プログラム可能なトークン)のプラットフォーム」をリリースしたことを発表しました。
この新しいプラットフォームは、カルダノのブロックチェーン上において、株式やコモディティといった現実資産のトークン化を拡張し、ステーブルコインのさらなる成長を促進するための極めて重要な鍵となります。
Cardano just got programmable tokens at scale.
With CIP-0113, token issuers now have a standard to enforce compliance logic directly to native Cardano assets.
The framework is modular, open source, and live on the Preview testnet.
Learn more:https://t.co/KYSq3yOXGx
— Cardano Foundation (@Cardano_CF) March 9, 2026
カルダノでスケーラブルなプログラマブルトークンの運用が可能になりました。
CIP-0113の導入により、トークン発行体はカルダノのネイティブ資産に対して、コンプライアンス・ロジックを直接適用するための標準規格を手にしました。
このフレームワークはモジュール式かつオープンソースで構築されており、現在はPreviewテストネット上で稼働しています。
詳細はこちら:
今回公開されたプラットフォームは、カルダノにおけるプログラマブルトークンのためのオープンソース標準規格を提供しており、「CIP-0113(Cardano Improvement Proposal 0113)」という提案名称で知られています。
この規格にはライブプレビュー環境が用意されており、誰でも実際にカルダノのプレビューテストネットに接続して、実際の手数料を消費することなく機能の探索やテストを行うことが可能となっています。
また、リポジトリ内には詳細なドキュメントが用意されており、ウォレットやエクスプローラー、インデクサー、そして分散型金融(DeFi)のアプリケーションが、どのようにプログラマブルトークンを統合して可視化・転送できるかを示す実装例が含まれています。
すでに提供されている主要なドキュメントには、Aiken(アイケン)言語によるプログラマブルトークンの実装例や、CIP-0113のアーキテクチャに関する深い解説、開発者向けの統合ガイダンスなどが含まれており、規制対象資産を扱う企業にとって強力な出発点となっています。
CIP-0113の詳細機能とコンプライアンス対応
トークン化された資産は、業務の効率化や決済時間の短縮、管理コストの削減など、ビジネスに多大なメリットをもたらす可能性を秘めています。
実際にトークン化の対象となる資産は多岐にわたり、以下のようなフォーマットが想定されています。
- 金融資産:
ファンド、債券、株式、証券、構造化商品、デリバティブなど - 法定通貨:
ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨(CBDC) - 有形資産:
不動産、ファッション、アート、宝飾品、コモディティなど、デジタルツイン化可能な物理的アイテム - 無形資産:
知的財産(IP)、カーボンクレジット、再生可能エネルギーのクレジットなど
しかし、これらのトークン化された資産を展開するためには、企業は現地の法律や規制、さらにはKYC(顧客身元確認)やAML(マネーロンダリング対策)といったコンプライアンス要件を厳密に遵守する必要があります。
これまでのカルダノのネイティブアセットモデルは、発行されたトークンがネットワークの根幹として扱われ、ADAと同じインフラで自由に転送できるという強力な利点がありましたが、その一方でそのシンプルさゆえのトレードオフとして、トークン発行者が転送後のトークンの挙動を制御する仕組みが存在しなかったという課題がありました。
例えば、「認証された保有者間でのみ転送を許可する」といった制限や、「裁判所の命令に応じて資産を凍結する」といった法的要件を強制する手段が、カルダノのエコシステム全体で統一されていなかったのです。
カスタマイズ可能なルールとサブスタンダード
CIP-0113は、この欠落していた共通フレームワークを構築し、トークン発行者がルールを定義できるプログラマブルトークン規格を導入しました。
これにより、発行者はスマートコントラクトの条件(発行・焼却・転送条件など)を柔軟に決定し、基盤となるオープン性を保ちながらモジュール形式でコンプライアンスロジックを付加することができるようになります。
ルールは「送信者が制裁リストに含まれていないか確認する」といった形で、オンチェーン上で自動的に実行されます。
さらに、CIP-0113は「サブスタンダード」という概念を用いており、トークン発行者は自らのニーズに合致したバリデーションロジック(検証規則)を選択し、コアプロトコルを変更することなくプラグインのように追加することが可能です。
開発の背景と今後の展望
カルダノ財団がプログラマブルトークンの作業を開始したのは2025年秋のことですが、このプロジェクトの基盤となる技術にはより長い歴史と多くの開発者の貢献が存在しています。
CIP-0113は、IOG(Input Output Global)のPhilip DiSarro(フィリップ・ディサロ)氏とJann Müller(ヤン・ミュラー)氏が開発した、相互運用可能なプログラマブルトークン仕様「CIP-0143」を基礎として構築されています。
また、彼らの研究以前にも、Harmonic LabsのMichele Nuzzi(ミケーレ・ヌッツィ)氏が初期の探求を行い、FluidTokensのMatteo Coppola Mazzetti(マッテオ・コッポラ・マゼッティ)氏がCIP-0113のアクティブな協力者として携わってきました。
カルダノ財団はこれらの取り組みを統合し、実装をAiken(アイケン)へ移行することで、より多くの開発者がアクセスしやすい環境を整備しています。
現在、CIP-0113はカルダノのガバナンスフレームワーク内で正式なプロセスを進めており、コードと実装はすべてオープンソースとして公開されています。
なお、今回のリリースはあくまでも基盤であり、今後の最優先事項としては以下のマイルストーンが設定されています。
- フィードバックの収集:
開発者やコミュニティからの意見を集め、標準規格と実装を洗練させる。 - セキュリティ監査:
本番環境での利用開始前に必須となる、コアスマートコントラクトの専門的な監査。 - プラットフォームの開発:
ユーザーエクスペリエンスの向上や、規制対象金融商品向けの証券サブスタンダードのさらなる開発。 - ビルダーサポート:
プログラマブルトークンを使用してカルダノ上で構築を希望するプロジェクトや組織との直接的な連携。
カルダノ財団は、これまでのコラボレーションに感謝の意を表明するとともに、日本時間2026年3月20日 00:00(GMT:2026年3月19日 15:00)に開催される「Developer Office Hours」の特別エディションへの参加を呼びかけています。
このイベントでは、CIP-0113に関する深い解説やライブデモ、Q&Aセッションが予定されており、エコシステム全体でプログラマブルトークンの未来を共に進化させていく姿勢が強調されています。
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source:Cardano Foundation
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用



























