Hashdex仮想通貨ETF、SECがXRP・SOL・XLM追加を承認
SEC(米国証券取引委員会)は2025年9月25日、新たに導入された汎用ETF上場基準に基づき、資産運用会社Hashdex(ハッシュデックス)の「Nasdaq Crypto Index ETF(NCIQ)」の拡大を承認しました。
これにより、従来のビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に加え、エックスアールピー(XRP)、ソラナ(SOL)、ステラ(XLM)といったアルトコインも資産に組み入れられるようになりました。
今回の承認は、仮想通貨(暗号資産)ETFの上場手続きを迅速化する新ルールに沿ったものであり、市場への資金流入拡大や投資機会の増加につながるとの期待が高まっています。
DOGE・XRP現物ETFが始動
Hashdex ETFの立ち上げ時の構成と戦略
Hashdexはブラジル拠点の仮想通貨投資会社で、2024年7月に米SECへビットコインとイーサリアムの現物を裏付けとするETFの登録申請を行いました。
このETFはナスダック仮想通貨指数に連動するよう設計された商品で、当初はBTCとETHの2つの主要銘柄のみを直接保有する形でスタートしました。
将来的にはSECの許可を得てライトコイン(LTC)やチェーンリンク(LINK)、ユニスワップ(UNI)、ファイルコイン(FIL)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ステラなどの他の仮想通貨も含める可能性があると当初から示唆されており、今回、その一部が実現した形です。
ナスダック上場のHashdex ETFの仕組み
HashdexのETFはナスダックに上場しており、信託形式で仮想通貨を1対1の裏付けとして保有する仕組みです。運用はHashdex Asset Managementが行い、カストディ(資産保管管理)や運用体制の整備など、規制上の要件にも対応しています。
もともと二銘柄のみの組み合わせだった同ETFに複数のアルトコインを組み入れる今回の承認は、米国の規制下で仮想通貨ETFの商品性を大きく拡張するものであり、機関投資家にも新たな分散投資の選択肢を提供することになります。
BTC・ETH・XRP・SOL・XLMの構成比率
ブルームバーグETFアナリストのジェームス・セイファート氏によると、拡張後のポートフォリオの構成比はビットコイン約72.5%、イーサリアム約14.8%、残りの約12.7%をXRP、SOL、XLMなどが占める形になります。
内訳はXRPが約6.9%、SOLが約4.3%、ステラが約0.3%と同氏は伝えており、ビットコインとイーサリアムという主要2銘柄を軸にしつつも、一定割合でアルトコインへの投資比率を持たせたバランスで構成されています。
XRPやソラナなどが米国の規制下で正式にETFに組み入れられるのは初めてであり、市場ではアルトコインの地位向上や資金流入につながる画期的な一歩と受け止められています。
ETF・RWA・ステーブルコインが市場を再定義
SECのルール改正で仮想通貨ETFの承認が迅速化
新ETF基準で短縮された承認プロセス
Hashdex ETFの拡張承認の背景には、SECが2025年9月17日に承認した新たな汎用ETF上場基準があります。
このルール改正により、ナスダックやNYSE Arca、Cboeといった主要証券取引所は、定められた条件を満たすコモディティ系ETFであれば個別のSEC承認手続きを経ずに上場を許可できるようになりました。
従来、現物仮想通貨ETFの上場にはSECへのルール変更申請(いわゆる19b-4)が必要で、審査期間は最長240日以上に及んでいました。しかし新基準の適用により、このプロセスは最長75日程度まで大幅に短縮されています。
米市場で始まるアルトコインETFの新時代
新基準の施行直後の9月18日、米資産運用会社REX Sharesが申請していたドージコインETF(ティッカー:DOJE)およびXRP ETF(XRPR)が米国市場で取引を開始しています。
これはSECが書面上の有効化手続きを行った結果であり、ビットコインやイーサリアム以外の仮想通貨にもETF経由で投資できる時代の到来を示す象徴的な出来事となりました。
この新ルールにより市場全体の拡大が加速するとみられ、今後は他の運用会社によるアルトコインETFの設計や申請が相次ぐことが予想されています。
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