分散型機密AIコンピュートネットワーク「Cocoon」登場
メッセージアプリ「Telegram」の創設者であるパベル・ドゥーロフ氏は2025年12月1日に、The Open Network(TON)のブロックチェーン上に構築された分散型の機密AIコンピュートネットワークである「Cocoon」が正式に稼働開始したことを発表しました。
Cocoonは2025年10月にドバイで開かれた「Blockchain Life 2025」と呼ばれるカンファレンスで発表された機密AIコンピュートネットワークであり、GPU(画像処理装置)保有者が自分のGPUの計算能力をネットワークに貸し出して、ユーザーから寄せられるAI処理要求を処理することで、仮想通貨トンコイン(TON)で報酬を得られる仕組みも備えています。
また、Cocoonは非常に高いプライバシー保護機能を有しているのも特徴で、パベル・ドゥーロフ氏は「AmazonやMicrosoftのような中央集権型の計算プロバイダーはコストを押し上げてプライバシーも低下させるが、Cocoonは従来のAI計算プロバイダーが抱える経済面と機密性の問題をどちらも解決する」と説明しています。
ドゥーロフ氏によると、Cocoonはすでに100%の機密性を保ったままの状態でユーザーからのAIリクエストを処理しているとのことで、GPU保有者も既にTON報酬を獲得し始めていると伝えられています。
🐣 やりました。私たちの分散型機密コンピュートネットワーク「Cocoon」がついに稼働開始しました。ユーザーからの最初のAIリクエストは、すでに100%の機密性 を保ったままCocoonによって処理されています。GPU保有者はすでにTONを獲得し始めています。ドキュメントとソースコード付きで「https://cocoon.org」も公開しました。
🤔 AmazonやMicrosoftのような中央集権型の計算プロバイダーは、コストを押し上げ、プライバシーも低下させる“高すぎる仲介者”です。Cocoonは従来のAI計算プロバイダーが抱える経済面と機密性の問題をどちらも解決します。
🚀 ここから本格的にスケールします。今後数週間で、より多くのGPUをネットワークに参加させ、Cocoonを利用する開発者の需要も拡大していきます。Telegramユーザーは、100%の機密性で動く新しいAI機能を体験できるようになります。
Cocoonは“コントロールとプライバシー”を、本来あるべき場所――ユーザーの手に取り戻します。🤖
分散型の新たなAIエコシステムに注目
人工知能(AI)を活用したサービスやプラットフォームはここ数年で急速に増えてきていますが、中央集権型のAIシステムに対しては「個人情報の集中管理、サイバー攻撃の単一侵入口、アルゴリズムによる行動誘導、意思決定プロセスの不透明さ」など様々な懸念が囁かれています。
Cocoonはこのような懸念に対処できるAIプラットフォームとして注目されており、AI・ブロックチェーン・仮想通貨を組み合わせることによって、従来型AIには実現が難しかった「分散型で透明性の高いAI運用」を可能にすると期待されています。
ユーザーは自身のデータを必要以上に渡すことなく、安全にAIサービスへアクセスできるだけでなく、ネットワークへの貢献度に応じてトークンを獲得できるという特徴もあります。
さらにCocoonは、計算リソースを世界中のユーザーから分散的に集めることで、巨大企業に依存しないAIインフラを構築することを目指しています。これにより、「データは利用者に、パワーはネットワーク全体に」という新しいAIエコシステムが誕生しつつあり、中央集権モデルを補完・代替していく可能性も秘めています。
AIの進化が急速に進む中で、透明性や公平さを重視した次世代型プラットフォームの重要性はより高まっていますが、Cocoonのような分散型AIネットワークは、ユーザー主権を守りながら高度なAI機能を享受できる環境を提供することで、AI利用のスタンダードを塗り替える存在になるかもしれないと注目されています。
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source:パベル・ドゥーロフ氏報告
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