アサヒ衛陶HD「暗号資産事業」始動へ|創業100年企業が異色の転換

アサヒ衛陶HD「暗号資産事業」始動へ|創業100年企業が異色の転換

この記事の要点

  • アサヒ衛陶HDが4月10日、暗号資産事業の実運用開始を発表
  • ETHとSOLを約50%ずつ、30億円で段階取得へ
  • UniswapでETH流動性提供、手数料収入を狙う
  • 国内老舗上場企業による異色のトレジャリー転換
目次

老舗衛生陶器アサヒ衛陶HD、暗号資産事業が稼働

ASAHI EITOホールディングス株式会社は2026年4月10日、トレジャリー事業における「暗号資産流動性提供事業」の実運用を開始したと発表しました。

同日開催の取締役会では事業運営に必要な各種規約が決議されており、3月の事業開始決定から準備段階にあった新事業が、いよいよ実際の運用フェーズへと動き出しました。

東証スタンダード市場に上場する創業100年超の老舗衛生陶器メーカーが、本業の収益低迷を背景に暗号資産(仮想通貨)運用へ踏み出した異色の事業転換として、市場関係者の間で注目を集めています。

運用対象はイーサリアム(ETH)ソラナ(SOL)を約50%ずつ組み入れる方針で、主要な分散型取引所(DEX)であるUniswap(ユニスワップ)やJupiterにおける流動性提供を通じた取引手数料収入の獲得が計画されています。

2026年3月19日の追加開示では、流動性提供事業の第一段階としてまずイーサリアムを用いたLP事業をUniswap上で開始することが公表されており、今回の実運用開始発表がその具体化にあたります。

本業赤字の老舗が描く、ETH・SOL運用の設計図

営業損失脱却へ、30億円の調達戦略

アサヒ衛陶はトイレや洗面化粧台などの衛生陶器製造を主力としてきましたが、過去数期にわたり営業損失を計上し、製造事業単体では十分な収益性を確保することが難しい状況経営課題となっていました。

収益源の多様化を急ぐため、同社は第三者割当による新株式および新株予約権の発行で差引手取概算額30億8,291万円を調達する道を選びました。

この資金を原資に2025年12月から2031年12月にかけて段階的にイーサリアムとソラナを取得し、流動性提供事業を中核とするトレジャリー事業を立ち上げる計画としています。

LP事業とステーキング、2軸で安定収益を狙う

同社の補足説明資料によると、取得したイーサリアムとソラナは主要な分散型取引所(DEX)であるUniswapやJupiterのDEXプールへ預け入れ、スワップ取引等から発生する手数料・報酬を収益化する計画としています。

加えて、国内大手取引所を活用した暗号資産の保有・管理およびステーキングによる報酬獲得も運用モデルに組み込まれており、LP事業とステーキングの2軸で安定収益の創出を狙う方針です。

運用の知見やカストディ(保管)面については、金融庁登録の暗号資産交換業者をはじめとする暗号資産関連事業者との業務提携を通じて補完する方針が示されています。

軽微な業績影響、問われる長期の運用力

新たな収益源として期待を集める一方、同社は今回の開示で「本事業が連結業績に与える影響は軽微」と説明しました。

業績予想の修正など公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示する方針も示されています。

ボラティリティの大きいデジタル資産をいかに安定的に運用していけるかが、既存事業の再建と並ぶ論点となっており、今後の四半期開示で示される運用実績が注目されます。

国内上場企業に広がる、暗号資産トレジャリー

国内では上場企業が暗号資産をトレジャリー資産として組み入れる動きが広がっており、円建て資産だけに依存しない財務戦略を模索する事例が相次いでいます。

海外でも米SECとCFTCが16種類の仮想通貨をデジタルコモディティと認定するなど制度面の整備が進んでおり、上場企業が暗号資産を取り扱う環境は国内外で前進しつつあります。

本業の収益低迷に悩む東証上場企業が暗号資産トレジャリーへ踏み出す事例は国内ではまだ限られており、アサヒ衛陶HDの運用実績が今後の同種企業の判断材料となりそうです。

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Source:アサヒ衛陶HD発表
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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