この記事の要点
- VanEck報酬格付けでメタプラネットのみ「Bad」評価
- 報酬プール14.7%、他9社平均の3.7倍に膨張
報酬格付けでメタプラネットだけ不合格に
米資産運用大手VanEck(ヴァンエック)は2026年9月18日、デジタル資産トレジャリー企業(DAT)の時価総額上位10社を対象に、役員報酬制度を4つの基準で評価したレポートを公表しました。
このうち9社は「Good(良好)」または「Acceptable(許容範囲)」と評価された一方、東証スタンダード市場に上場するメタプラネット(3350)だけが唯一「Bad(悪い)」に分類されました。
ヴァンエックが特に問題視したのが「メタプラネットの役員報酬プールの規模」と「株式発行に伴って報酬枠が拡大してきた制度設計」で、同社の報酬プールは完全希薄化後株式数の14.7%に達しています。
同社は、株式発行でビットコイン(BTC)購入資金を調達するDATでは、こうした大規模な報酬プールが既存株主の希薄化リスクを高めると指摘しています。
株主の意見受け予約権を再変更
メタプラネット報酬枠、増資に連動し膨張
ホテル時代の仕組みがBTC増資で拡大
ヴァンエックによると、メタプラネットの第10回新株予約権は、同社がホテル事業を中心に展開していた2022年12月の取締役会決議と2023年2月の臨時株主総会での特別決議を経て、役職員向けに発行されています。
当時の制度には、完全希薄化後株式数の20%に連動して報酬プールが自動的に拡大する条項が設けられていました。
メタプラネットは2024年4月にビットコイン・トレジャリー戦略へ転換した後もこの条項を維持したため、ビットコイン購入に向けた株式発行が重なるにつれて役員向けの潜在株式数も増加しました。
その結果、2026年半ばには潜在株式数が約3億1,946万株まで膨らみ、ヴァンエックは増資に連動して役員向け報酬枠も拡大する構造を問題視しています。
株主反発で2度修正も「Bad」評価は変わらず
こうした報酬枠の拡大に対して株主から反発が寄せられ、メタプラネットは2026年8月から9月にかけて制度を2度見直しました。
8月18日には株式数に応じた自動調整条項を廃止し、潜在株式数を3億1,946万4,000株に固定するとともに、行使で取得した株式には2031年8月17日までのロックアップを設定しています。
続く9月11日には、株主から寄せられた意見を踏まえ、新株予約権1個あたりの対象株式数を696株から410株へ引き下げる再変更を決議しました。
この変更によって潜在株式数は1億8,819万株へ41.1%削減され、すでに交付された約8,280万株を除くと、今後新たに交付され得る株式は約1億540万株まで縮小しています。
それでもヴァンエックは「Bad」の評価を維持し、継続勤務以外の業績条件が設けられていないことや、1株あたり10円の行使価額が維持されていることを問題点として挙げました。
報酬枠の拡大や制度変更が株主投票ではなく取締役会の決議で行われた点についても、株主による監視が弱い要因として指摘しています。
役員持分比率、他9社平均の10倍超
ヴァンエックの比較では、メタプラネットは3つの指標すべてで他9社平均を上回り、なかでも役員持分比率の差が最も大きくなっています。
| 指標 | メタプラネット | 他9社平均 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| プール比率(完全希薄化後) | 14.7% | 4.0% | 3.7倍 |
| 役員持分比率 | 8.2% | 0.8% | 10.4倍 |
| 最大個人保有 | 3.8% | 0.6% | 5.9倍 |
一方、「Good」と評価されたStrategy(ストラテジー)は報酬プールを約835万株、完全希薄化後の2.0%に固定し、増枠には株主投票を必要とする制度を採用しています。
BitMine(ビットマイン)についても、CEOへの最大付与の75%に株価や時価総額などの業績条件が設けられ、報酬案は株主投票で76%の賛成を得ています。
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ヴァンエック、メタプラネットに4つの改善要求
4つの評価基準すべてを満たさなかったメタプラネットに対し、ヴァンエックは「Bad」評価から脱するための4項目の制度変更を提示しました。
具体策として、調整条項によって追加された約2億7,300万株の取り消しに加え、残る新株予約権を株主承認を経た制度へ移行し、報酬プールを完全希薄化後の低い1桁台まで縮小する案を挙げています。
さらに、完全希薄化後1株あたりのビットコイン保有量など株主利益と連動するKPIを報酬条件に組み込み、付与時期に関する書面での方針を定めることも求めています。
こうした報酬制度への懸念はメタプラネットに限らず、ヴァンエックはDAT全体についても希薄化やレバレッジなどのリスクを理由にアンダーウェイトの投資判断を維持しています。
デジタル資産へのエクスポージャーはETFを通じて確保する方針で、関連当事者取引や内部者への報酬がもたらす株価変動を回避する狙いがあると説明しました。
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Source:VanEckレポート
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