マスターカードがブロックチェーンを採用「ビットコインは使わない」
大手クレジットカード会社「 Mastercard(マスターカード)」が、IBM 社の顧客である南太平洋の銀行団体のグループのために「独自ブロックチェーン」の開発を行っていることが分かりました。
Mastercard がブロックチェーンの開発に釣りかかったのは、商業用ビジネスの決済システムを構築するためです。
Mastercard にはビットコインが持っていない世界中の銀行と金融機関合わせて 22,000社の決済ネットワークを持っています。
暗号通貨市場が拡大しているとはいえ、企業の多くは依然として政府が発行する法定通貨に依存してビジネスを行っています。
同社は現存するすべての現金を暗号通貨に変換することは不可能であると考えています。
巨大な決済ネットワークに低コストで、高いセキュリティを保った決済システムを提供できれば、巨大で確実な市場を Mastercard は独占できるということです。
一方で Mastercard は、ビットコインをはじめとした暗号通貨がクレジットカードの市場とは区別されると考えており、暗号通貨自体は「安全」であるとの考えを述べています。
しかし、カード決済自体はシンプルかつ安全で使いやすく、暗号通貨に取って代わられることはないとも発表しています。
Mastercard は、ブロックチェーン技術に関する特許をすでに 35件も所有しており、暗号通貨企業にも投資しています。
VISA などのライバル企業との差別化をはかり、カード業界での圧倒的なポジションを確立する企業戦略を取っているのでしょう。
それを裏付けるように、Mastercard は今回の Fortune 500で 2番の企業にまでランクインされるほど、総収入を伸ばしています。
ビットコインなどの暗号通貨決済を使わず、既存の金融システムをより安全で、より低コストで運用するためにブロックチェーン技術を使う戦略は、確かに理にかなっていると思います。
あえて新しい市場に手を出さずに、既存のシステムを発展させ得るためにブロックチェーンを使う。という得意な分野に、最新の技術を組み合わせるというシンプルな戦略で Mastercard の利益はますます拡大していくかもしれませんね。
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