エルサルバドルのビットコイン法「9月7日」施行へ|BTC・ウォレットの無料配布も予定
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は2021年6月24日に「ビットコインの法定通貨化」に関する演説を行い、『ビットコイン法を2021年9月7日から施行すること』や『全国民にビットコインウォレットを無償提供して、30ドル(約3,300ドル)相当のBTCを配布すること』などを明かしました。
エルサルバドル大統領「ビットコイン法」について演説
「ビットコイン(BTC)を国の法定通貨として認める法案」を可決したことで注目されているエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は2021年6月24日に「ビットコインの法定通貨化」に関する演説を行い、「ビットコイン法の施行日」や「ウォレット・BTC無償配布の計画」などを明かしました。
ビットコイン法は「2021年9月7日」に施行
今月9日の法案可決時には「ビットコイン法は可決から90日後に有効化され、この90日間の間にビットコイン経済を構築するためのインフラ整備などを行う」ということが報告されていましたが、今回の演説では『ビットコイン法が2021年9月7日から正式に施行される』ということが報告されています。
ビットコインの保有・使用は任意
ただし「ビットコインの保有・利用は任意であるため、エルサルバドル政府からビットコインの保有・使用を強制されることはない」とも報告されており、『現金の取引はこれまで通りすべてドルで行われる。全国の店舗でドルまたはビットコインで支払うことができ、どちらの通貨で支払うかは客側が決めることができる』と説明されています。
なお、ビットコイン法の第7条では『全ての経済主体は、商品・サービスの購入者がBTC決済を希望する場合にはBTCを受け入れなければならない』と記されており、『政府はユーザーがビットコイン取引を行えるようにすると共に、必要に応じてBTCをドルへと自動かつ瞬時に交換できるようにする代替手段を提供する』『国は、国民がビットコイン取引を行えるようにするための必要なトレーニングとメカニズムを提供する』といった内容も記載されています。
ビットコイン法の概要はこちら
仮想通貨ウォレット「Chivo」の無償提供
ナジブ・ブケレ大統領は今回の演説の中で、2021年9月からエルサルバドルの国民に対して仮想通貨ウォレット「Chivo」を無償提供することも発表しています。このウォレットアプリは「QRコードによる送受金・BTC⇄USDの交換・手数料無料のBTC購入」などの機能が搭載された仮想通貨ウォレットであり、「App Store」と「Google Play Store」の両方で提供されています。
A través de Chivo también podrás:
— Casa Presidencial (@PresidenciaSV) June 25, 2021
✔️Recibir pagos por medio del código QR
✔️Convertir dólares a #Bitcoin o tus bitcoin a dólares
✔️ Comprar bitcoin de forma VOLUNTARIA, segura, instantánea y sin cobro de comisiones pic.twitter.com/c4jAUsbegS
30ドル相当のビットコインを無料配布
ナジブ・ブケレ大統領はウォレットアプリ「Chivo」をダウンロードした全てのベネズエラ国民に対して「30ドル(約3,300円)相当のビットコイン」を無料配布することも発表しています。
エルサルバドルの総人口については諸説あるものの、著名アナリストであるWilly Woo(ウィリー・ウー)氏は『エルサルバドルの成人は約450万人程度であるため、同国の成人がビットコインネットワークに参加することによってビットコインのユーザー基盤が2.5%増加する』と予測しており、『ビットコイン市場で1億3,500万ドル規模の買い圧力が発生する可能性がある』といった意見も出ています。
「ビットコインの法定通貨化」に対しては、国際金融・為替相場の安定化を目的として設立された国連の専門機関「国際通貨基金(IMF)」などから懸念の声が出ているものの、同様の動きはエルサルバドル以外の国にも拡大し始めているため、今後の動向には注目が集まっています。
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