LINK急騰、ウォレット急増と取引量が追い風に
2025年8月19日、仮想通貨チェーンリンク(Chainlink/LINK)のオンチェーン活動が今年最高水準に達し、LINK価格が7か月ぶりの高値圏へ上昇しました。
過去1週間でLINKは約15%値上がりし、一時的に約26.7ドル(約3,900円)まで上昇する場面も見られています。こうした上昇の背景には、ネットワーク上の利用者増加も影響していると分析されています。
米仮想通貨分析企業Santiment(サンティメント)のデータによると、8月中旬にはネットワーク上のアクティブユーザー数が急増しました。
17日には9,800超のアドレスで送金が行われ、翌18日には約9,600件の新規ウォレットが作成されました。いずれも2025年の最多記録であることが報告されています。
🔗📈 Chainlink has remained a force among the altcoin pack, jumping above $26 for the first time in seven months. On-chain activity has been even more impressive than the price. 9,813 different $LINK addresses made at least one transfer on Sunday, and 9,625 new $LINK wallets were… pic.twitter.com/ePGjiBcSyl
— Santiment (@santimentfeed) August 19, 2025
🔗📈 Chainlinkは依然としてアルトコイン市場で存在感を示しており、7か月ぶりに26ドルを突破しました。価格の上昇だけでなく、オンチェーンでの活動も目覚ましい動きを見せています。
日曜日には9,813の異なるLINKアドレスが1回以上の送金を行い、月曜日には9,625の新規ウォレットが作成されました。これらはいずれも2025年に入ってからの最高水準です。
さらに大口投資家(クジラ)によるLINKの買い増しも価格上昇の原動力となっており、オンチェーンデータでは、この1週間でクジラが約110万LINK(約2,740万ドル/約40億円相当)を追加取得したと伝えられています。
上位100位までの大型ウォレットでは保有量が直近で12%以上増加し、大口投資家や機関投資家が強気の姿勢を取り戻しつつある状況が確認されています。
オンチェーンの強い基盤と取引量の増加を伴った今回の上昇は、一過性の投機ではないとの指摘があります。これを受けて、LINKは30ドル(約4,430円)を目標にさらなる上昇基調にあるとの期待が高まっています。
ICEデータ活用で金融革新を推進
チェーンリンク価格上昇を支える実需と投資家動向
ウォレット数とアクティブアドレスの増加
サンティメントの最新分析では、チェーンリンクネットワーク上でのウォレット数と取引アクティビティの急増が、LINK価格を押し上げた主要因の一つと見られています。
8月17日には9,813件のアドレスからLINKの送金が行われ、翌18日には9,625件の新規ウォレットが作成されるなど、いずれも2025年の最高値を記録しました。
ウォレット作成数やアクティブアドレスの急増は、新規参加者の流入と利用拡大を示すもので、プロジェクトの実需(利用需要)の伸長を裏付ける指標と捉えられます。
サンティメントは「これらオンチェーン指標が高水準を維持すれば、チェーンリンクの上昇トレンド継続を裏付け、LINKが30ドルを目指す展開を正当化するだろう」と分析しており、短期投機ではなく長期成長トレンドに移行する可能性を指摘しています。
クジラ投資家の買い増し動向
一方で、クジラ(大口投資家)の動きも上昇要因として無視できないとされています。
オンチェーン分析企業Nansenのデータによると、過去7日間で大型ホルダーが累計約110万LINKを買い増しています。特に上位100アドレスでは保有量が12%以上増加しました。
またサンティメントによれば、8月上旬の5日間における100万ドル超の大型トランザクション件数が1日あたり713件に急増し、同期間に取引所保有のLINK供給は約10%減少したと報告されています。
この動きは、大口が取引所からLINKを引き揚げ、自己保管ウォレットやDeFi(分散型金融)へ移したことを示し、流通供給の圧力緩和につながったと見られています。
クジラの買い増しと保有継続は、いわゆる「スマートマネー」による長期の強気姿勢を示すシグナルと解釈されています。これにより市場センチメントが改善し、短期的な売り圧力の局面でも下値が支えられやすいとの見方が広がっています。
サンティメントは、クジラ取引の増加と取引所供給の減少がLINKの強気基調を裏付ける要因になっていると指摘しています。
Chainlink Reserveと供給制約
加えて、チェーンリンクのエコシステム設計そのものが強化されている点も注目材料と見られています。
8月に導入された新たなエコシステムモデル「Chainlink Reserve」は、企業からの利用料やオフチェーン収益をLINKに変換して積み立てるオンチェーン準備金制度です。
導入直後に100,000LINK超が流通から隔離され、売り圧力を抑えるデフレ要因として機能したと指摘されています。
また既存のステーキングプログラムにより、全供給の約40%がロックアップされており、流通市場に出回るLINKが限定されています。
こうした需要増と供給制約の組み合わせにより、チェーンリンクは安定した上昇基調を維持し、直近1カ月の上昇率は30%超となりました。
専門家の評価と市場の見方
複数のアナリストは「オンチェーン活動、クジラの買い増し、実需の三要素が揃い、今回の上昇は次の強気相場の幕開けになり得る」との見解を示しています。
オランダの著名トレーダーであるミハエル・ファン・デ・ポッペ氏もX上で「チェーンリンクの長期下降トレンドは終わり、上昇トレンドに転じた」と言及しました。
特にChainlink Reserveの導入により基盤が強化されたとの見方が広がり、ミハエル氏は「現在、市場で最も力強い資産の一つ」と評価しています。
オンチェーン指標の堅調さや経済モデルの強化、業界からの評価が重なり、チェーンリンクの人気と信頼は一段と高まっている状況です。
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提携拡大と規制支援が示すLINKの成長基盤
直近では、チェーンリンクを取り巻くエコシステムの発展や提携拡大に関するニュースが相次いでいます。
ICEとの提携による金融データ統合
8月11日、チェーンリンクを開発するSmartContract(スマートコントラクト)社は米インターコンチネンタル取引所(ICE)との戦略提携を公表しました。
ニューヨーク証券取引所の親会社であるICEが保有する外国為替や貴金属のグローバル市場データは、チェーンリンクのオラクル基盤「Data Streams」に統合され、オンチェーンでの活用が可能になります。
世界300以上の市場から集約された高精度の金融データをオンチェーン化する取り組みであり、チェーンリンクが伝統的金融とブロックチェーンを結ぶ役割をさらに強化する動きと評価されています。
チェーンリンクはこれまでもSWIFTやGoogle Cloud、DTCCなど大手との連携を進めており、今回の提携は信頼性と普及拡大をさらに後押しする見通しです。
業界関係者は、ICEとの協業を「数百兆ドル規模に拡大が見込まれる資産のトークン化市場に向けた重要な転換点」と評価しており、現実世界のデータをブロックチェーンに取り込む基盤インフラとして注目度が高まっています。
GENIUS法成立で強まるオラクルの制度的地位
規制面でもチェーンリンクに追い風が吹いています。
米国では7月18日にステーブルコイン規制法案「GENIUS法」が成立しました。ホワイトハウスでの署名式にはチェーンリンク共同創設者セルゲイ・ナザロフ氏も出席し、X上で「仮想通貨業界にとって画期的な一歩」と述べています。
この新法により分散型オラクルが重要な金融インフラとして公式に位置付けられ、投資家心理の改善に寄与したとの見方が広がりました。
実際、同法には信頼性の高いデータ提供基盤の重要性が明記されており、チェーンリンクのようなオラクルプロジェクトにとって追い風となる内容です。
さらに、チェーンリンクはSEC(米証券取引委員会)の7月の仮想通貨ガイダンスにも協力しており、政策・規制面での評価が一段と強まっています。
チェーンリンクはオンチェーン活動の活発化や大口投資家の買い増し、制度面での追い風が重なり、30ドル突破への期待が高まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.74 円)
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Source:Santiment公式X
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