コインベースCEOが示す「金融スーパーアプリ」構想
米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のCEOであるブライアン・アームストロング氏は2026年1月2日、「エブリシング・エクスチェンジ(何でも扱う取引所)」戦略を本格的に推進する方針を明らかにしました。
アームストロング氏は自身のX(旧Twitter)で、同戦略の方向性として、仮想通貨に限らず様々な資産を取引対象に含める構想を示しています。
同投稿では、同構想を支える要素として、ステーブルコインとイーサリアム(ETH)レイヤー2ネットワーク「Base(ベース)」を中核に据える方針も示されました。
またコインベースは、ユーザー向けウォレットを「エブリシング・アプリ」へと進化させ、多様な取引サービスを一つのプラットフォームで提供していく計画であることも明らかにしています。
アームストロング氏は「こうした取り組みを通じてコインベースを世界一の金融アプリにすることが最終目標だ」と述べています。
Here are our top priorities for 2026 at Coinbase:
1) Grow the everything exchange globally (crypto, equities, prediction markets, commodities – across spot, futures, and options)
2) Scale stablecoins and payments
3) Bring the world onchain through @CoinbaseDev, @base chain,…
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) January 1, 2026
Coinbaseにおける2026年の最優先事項は、次の3点です。
- 仮想通貨、株式、予測市場、コモディティを含む「エブリシング・エクスチェンジ」を、現物・先物・オプションの各市場にわたってグローバルに拡大すること
- ステーブルコインおよび決済領域を本格的にスケールさせること
- Coinbase Developer Platform、Base、Base Appを通じて、世界中の人々をオンチェーンへと導くこと
(中略)最終的な目標は、Coinbaseを世界No.1の金融アプリにすることです。
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コインベースが掲げる次世代金融プラットフォーム構想
同構想を実現するための「2026年のトップ優先事項」として、アームストロング氏は次の3点を挙げました。
株式・コモディティも含む総合取引所への進化
1つ目の柱として、コインベースは「エブリシング・エクスチェンジ」をグローバルに展開する方針を掲げています。
仮想通貨(暗号資産)に加えて株式・商品・予測市場など多様な資産を扱い、現物取引だけでなく先物やオプション取引まで提供する包括的な取引所を構築するとしています。
この構想の一環として、コインベースは2025年12月に米国内ユーザー向けの主要株式・ETF取引機能を本格稼働させました。
同機能では、取引手数料を無料とし、平日24時間の取引を可能にするサービスを提供しています。
これによりコインベースは、仮想通貨と株式を単一アプリで扱うRobinhood(ロビンフッド)など従来のオンライン証券の領域にも事業を広げました。
アームストロング氏は「真の狙いは株式のトークン化にある」と述べ、将来的に株式を24時間365日リアルタイムで取引できる環境を目指す方針を示しています。
ステーブルコインと決済分野への注力
2つ目の柱は、ステーブルコインと決済の拡充です。
コインベースは、米ドル価値と連動する代表的なステーブルコインであるUSDコイン(USDC)の利用拡大に注力し、日常のコーヒー購入から高額の国際送金・企業間決済に至るまで活用されることを目指しています。
アームストロング氏は「クレジットカードを使うたびに2〜3%もの手数料がかかる現状はおかしい」と指摘しており、ブロックチェーン技術を用いたステーブルコイン決済なら送金コストの大幅削減と高速化が可能だと強調しました。
Baseを軸に進めるオンチェーン戦略
さらに3つ目の柱として、自社開発のイーサリアムL2「Base」を通じて世界中のユーザーをオンチェーンに参加させる取り組みを掲げています。
コインベースは2023年8月に独自のブロックチェーン基盤となるBaseネットワークを一般公開し、その上で動作する新たなウォレットアプリ「Base App」もグローバル展開しています。
Base Appはソーシャル機能・取引・決済・分散型アプリ利用・資産運用などを一つに集約した「オンチェーンのエブリシング・アプリ」と位置付けられており、ユーザーがシームレスにブロックチェーン上のサービスを利用できる環境を提供します。
この取り組みにより、コインベースは一般利用者から開発者までを含めたエコシステム全体をオンチェーン化する方針です。
三本柱を支えるプロダクト投資戦略
これら三重点分野を支える取り組みとして、アームストロング氏はプロダクトの品質向上やオートメーション(自動化)にも大規模な投資を行う計画だと述べています。
同氏は、こうした取り組みを通じてコインベースを包括的な金融プラットフォームとして展開していく考えを示しました。
2026年注目の仮想通貨9分野
仮想通貨業界に広がるスーパーアプリ戦争
今回アームストロング氏が示した構想は、金融業界で進む「スーパーアプリ」化の動きの一例として位置付けられています。
こうした流れは他の大手仮想通貨取引所にも広がっており、例えばOKXやBinance(バイナンス)は仮想通貨以外のサービス拡充にも乗り出し、総合的な金融プラットフォーム化を加速させています。
また米国の投資アプリ大手Robinhood(ロビンフッド)も、2025年に銀行口座サービスの提供開始や独自ブロックチェーン展開などを発表し、ユーザーの資産管理を単一アプリに集約する方針を示しました。
さらにPayPal(ペイパル)のような決済大手も、近年アプリ内に高金利の貯蓄口座や仮想通貨取引機能を統合するなどスーパーアプリ化への取り組みを強めています。
業界関係者からは、2026年はこうしたスーパーアプリ戦略の成否が問われる年になるとの見方も出ており、コインベースの「エブリシング・エクスチェンジ」構想がその競争にどのような影響を与えるか注目されています。
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Source:ブライアン・アームストロング氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像






















