チャット・決済・IDを統合した「スーパーアプリ」へ
ワールドコイン(WLD)や「World」のプロジェクトを推進している「Tools for Humanity」は2025年12月12日に、同社が提供するウォレットアプリ「World App」の大幅アップデートを発表しました。
今回のアップデートによって、World Appは単なる暗号資産ウォレットから、暗号化されたチャット機能、グローバルな決済手段、そしてサードパーティ製のミニアプリを統合した「スーパーアプリ」へと進化を遂げました。
今回のアップデートの特徴1つとして挙げられるのが「World Chatの標準機能としての追加」です。World Chatは、エンドツーエンドの暗号化によってプライバシーを保護しつつ、World IDを活用して「相手が実在する人間であること」を確認できる革新的なメッセージング機能です。
ユーザーはチャット画面から移動することなく、世界中の友人や家族に対して手数料無料でデジタル資産を送金したり、会話の中でミニアプリを利用したりすることが可能になります。
The new World App: secure chat, global payments and Mini Apps for everyone. pic.twitter.com/MzmwB8djjb
— World (@worldcoin) December 11, 2025
新しいWorld App:安全なチャット、グローバルな決済、そしてすべての人のためのミニアプリ。
「World Chat」と「Mini Apps」の詳細機能
今回のアップデートの中核となる「World Chat」は、分散型ウェブプロトコルであるXMTPを採用しており、メッセージの内容は送信者と受信者以外には閲覧できない仕様になっています。
最大の特徴は、World IDとの連携による「人間証明(Proof of Human)」機能です。認証済みのユーザーには青いチェックマークが表示され、AIボットやなりすましアカウントではないことが一目で分かるため、安心してコミュニケーションを取ることができます。
また、チャット機能とウォレット機能がシームレスに統合されたことで、ユーザーは会話の流れを中断することなく、USDCなどのステーブルコインやその他のデジタル資産を即座に送受信できます。
これにより、割り勘や少額の送金、国境を越えた支払いが、テキストメッセージを送るのと同じくらい手軽に行えるようになりました。
新しくなった「World App」の主な注目機能や特徴としては以下のようなものが挙げられます。
- World Chat(ワールドチャット)
World IDで認証された「人間」同士が安全に交流できる暗号化メッセンジャー。AIやスパムを排除したクリーンな環境を提供。 - Mini Apps(ミニアプリ)
チャット内やアプリ上で動作するサードパーティ製アプリケーション。予測市場のPolymarketや各種ゲーム、金融ツールなどが利用可能。 - グローバル決済の強化
米国、日本、シンガポール、韓国、台湾などを含む世界18カ国以上で、銀行口座からの入出金やデジタルドルの利用がよりスムーズに。 - バーチャル口座
Bridgeを基盤としたバーチャル口座を搭載。、ユーザーごとに発行される専用の口座番号によって、日常の金融体験がグローバルなデジタル経済とつながり、インターネットと同じ速度で取引を行える。給与受取、銀行口座からの入金も可能。米ドルで入金された資金は自動的にUSDCへ変換され、対応する国や地域で24時間いつでも送金・利用できる。送金手数料も不要。 - 複数通貨対応
アプリ内では、対応しているデジタル通貨の保有・相互変換を手数料無料で行うことが可能。今回のアップデートでは、USDCに加えて、EURC、wMXN、wARS、wCLP、wBRL、wPEN、wCOPにも対応し、利用できる通貨の選択肢がさらに広がった。 - 新しい運用方法
新しい運用機能では、対象資産を運用残高に移すことで変動リワードを受け取れる。現在、認証済みのユーザーは、USDCの最初の1,000ドルに対して最大16%のAPY、WLDの最初の1,000WLDに対して最大18%のAPYを獲得可能。運用は、Worldcoin、USDC、EURC、wARS、Bitcoin、Ethereumに対応しており、今後さらに対応資産を拡大していく予定。 - 対応資産の拡大
運用以外にも、100種類以上の対応資産をアプリ内で利用可能。主要な暗号資産はもちろん、World Chainのネイティブトークンや、実物資産をデジタル化した金なども取引可能。 - 実世界での支払い
アルゼンチンでは、QRコードを使って100万以上の加盟店で支払いが可能。さらに、Q1に提供開始予定のWorldカードにより、米国をはじめとした地域でApple Payやタップ決済にも対応する予定。
AI時代のデジタルIDと金融の融合
World Appの進化は、AI技術が急速に発展する現代において、「人間であることの証明」と「デジタル金融へのアクセス」を同時に提供する重要なステップとなります。
従来のメッセージングアプリでは、ボットや詐欺アカウントの識別が困難でしたが、World IDを基盤とすることで信頼性の高いネットワークが構築されます。
さらに、ミニアプリ機能の拡充により、開発者はWorld Appのユーザーベースに対して直接サービスを提供できるようになりました。
これにより、World Appは単なるID管理ツールやウォレットを超え、日々の生活に必要なあらゆるデジタルサービスにアクセスできるプラットフォームとしての地位を確立しようとしています。
World Appは2023年のリリース以降、世界中で急速に普及してきていますが、今回のアップデートはWorld Appや仮想通貨の利用をより便利にするものであるため、このアップデートよってWorld Appの利用拡大はさらに加速することになると予想されます。
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source:World
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