仮想通貨企業120社超「クラリティ法案の即時審議を」上院銀行委に共同書簡

仮想通貨企業120社超「クラリティ法案の即時審議を」上院銀行委に共同書簡

この記事の要点

  • CCIとブロックチェーン協会が2026年4月23日に上院へ書簡提出
  • 120社超がCLARITY法案の早期審議開始を共同で要請
  • 規制権限の未確定が資金調達やサービス展開に影響
  • 規制整備の遅れが投資・人材の海外流出リスクに
目次

120社超が結束、CLARITY法案の早期審議要求

クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション(CCI)とブロックチェーン協会は2026年4月23日、米国上院銀行委員会に宛てた公開書簡を公表し、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」のマークアップ(修正審議)への早期移行を求めました

この書簡には、大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)やKraken(クラーケン)を含む120社超が署名しており、業界全体で審議停滞への強い危機感が広がっています。

各企業は、諸外国で規制整備が進むなか、米国の遅れが競争力低下につながると指摘し、投資・雇用・技術開発の海外流出リスクを警告しました。

CLARITY法案は、仮想通貨の規制権限をSEC(米証券取引委員会)CFTC(米商品先物取引委員会)のどちらが担うかを明確にする枠組みを定めるものです。

こうした枠組みが未整備な現状では、企業のサービス展開や資金調達の判断が難しくなっており、署名企業はこの状況を問題視して早期のルール確定を強く求めています。

下院通過後270日、CLARITY法案の行方は不透明

1月マークアップ撤回、業界間の溝が表面化

CLARITY法案は2025年7月、超党派の支持を受けて下院を通過しました。しかし、下院通過からすでに270日以上が経過しているにもかかわらず、上院での実質的な審議はほとんど進んでいない状況となっています。

停滞の主因は、ステーブルコインの利回り付与をめぐる銀行業界と仮想通貨業界の対立です。

こうした対立を背景に、1月に予定されていたマークアップは、コインベースのブライアン・アームストロングCEOが「現行の法案文では支持できない」と公言した直後に撤回されており、業界間の溝が立法日程に影響を及ぼしてきました。

その後も事態は打開されず、2026年4月に入っても調整は続いています。共和党のトム・ティリス上院議員は4月21日、委員会指導部に対し「ステーブルコインの利回りを巡る妥協点を見いだす時間が必要だ」として、マークアップを5月以降へ先送りするよう求める書簡を送りました。

一方、この動きに対し、アドボカシー団体The Digital Chamber(ザ・デジタル・チェンバー)は同日、「第119議会はすでに折り返しを過ぎている」と指摘し、早期の審議日程設定を要請しています。

慎重論と推進論が交錯するなか、委員会は相反する要求への対応を迫られています。

銀行協会が60日延長要請、利回り対立長期化も

こうした対立はCLARITY法案にとどまらず、GENIUS法の規則策定プロセスにも波及しています。

米国銀行家協会(ABA)は4月22日、GENIUS規制に関する複数の規則案について、コメント期間を60日延長するよう関係4機関に要請しました。

この要請が認められた場合、ステーブルコイン規制の完全施行はさらに遅れる見通しであり、CLARITY法案における関連条項の合意形成にも影響が及ぶ可能性があります。

銀行業界は、利回り付きステーブルコインが既存の預金商品と競合する点を懸念し、慎重姿勢を維持しています。

その一方で、今回の120社超による書簡は、仮想通貨業界側の結束を示す動きと受け止められています。署名企業には取引所大手に加え、州レベルのブロックチェーン団体やエコシステム別の政策組織も含まれており、法案成立を求める声は広範な層に広がりを見せています。

MiCA完全施行のEU、米国との差が広がる懸念

こうした国内の調整が続く一方で、書簡が強調するのが国際的な規制競争における米国の立ち遅れです。

欧州連合(EU)はMiCA規制(暗号資産市場規制)を2024年に完全施行しており、シンガポールやアラブ首長国連邦(UAE)も機関投資家が参入しやすい制度環境を整えています。

今回の書簡は「包括的な市場構造の枠組みが整備されなければ、投資や人材、技術開発が海外へ流出する」と指摘しており、規制の空白が企業の拠点選択に直接影響するとの認識を示しました。

Galaxy Digitalリサーチ部門のアレックス・ソーン氏も「さらなる週単位の遅延は2026年成立の可能性を段階的に低下させる」と述べ、複数の審議工程を順番にこなす必要がある複雑な法案のタイムライン圧縮を懸念しています。

ステーブルコイン合意が焦点、5月審議に業界注視

Ripple(リップル)のブラッド・ガーリングハウスCEOも直近の上院議員との会談でCLARITY法案の早期成立を訴えており、産業界と政策当局の双方で同法案への関与が高まっています。

予測市場Polymarket(ポリマーケット)では同法案が2026年に署名成立する確率が約50%で推移しており、4月中旬から低下傾向にあります。

ソーン氏は5月早期にマークアップが実現すれば7月中の可決も視野に入ると分析しており、5月の委員会審議が実現するかどうかと、ステーブルコイン利回りをめぐる銀行業界との最終着地に業界の関心が集まっています。

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Source:CCI公開書簡(PDF)
サムネイル:AIによる生成画像

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