仮想通貨ファンド「史上最悪の流出」がストップ|8週ぶりに465億円流入

仮想通貨ファンド「史上最悪の流出」がストップ|8週ぶりに465億円流入

この記事の要点

  • CoinShares報告、仮想通貨ファンドに465億円・8週ぶり流入超
  • 米CPI・PPI下振れで資金流入が回復も、市場は慎重姿勢を維持
目次

8週ぶり流入超、仮想通貨ファンドに465億円

仮想通貨資産運用会社CoinShares(コインシェアーズ)は2026年7月17日、先週の仮想通貨ファンドへの資金流入が2億8,700万ドル(約465億円)と8週ぶりの流入超になったとする週次レポートを公表しました。

この転換の直前まで、仮想通貨ファンドからは8週間で計80億ドル(約1.3兆円)が流出しており、同社が記録を取り始めて以来最悪の流出局面だったといいます。

同社は今週についても2週連続の流入超になる公算が大きいとみており、週前半のマイナスから週半ばに投資家心理が好転したきっかけとして、米インフレ指標の下振れを挙げています。

ただし同社は、ビットコイン(BTC)が8万ドル(約1,300万円)を上回るには金融政策見通しの明確な変化が必要だとして、投資家心理の改善が本格的な上昇につながるかについては慎重な見方を示しています。

CPI・PPI下振れが追い風、慎重論も根強く

米CPI・PPI下振れで金利見通しに変化

CoinSharesは、資金流入が回復した背景として、7月14日に発表された6月分CPI(消費者物価指数)の下振れを挙げています。

6月分CPIは前月比マイナス0.4%と、市場予想のマイナス0.2%を下回る結果となり、インフレ鈍化への期待が高まったことで、ビットコイン価格は小幅に上昇しました。

さらに翌15日に公表された6月分PPI(生産者物価指数)も前月比マイナス0.3%と、市場予想の横ばいを下回り、金利見通しの再評価が一段と進んだと同社は説明しています。

こうした一連の経済指標を受け、市場では9月の金融政策に対する見方にも変化が生じました。同レポートによると、それまで1回分を上回る利上げが織り込まれていた状態から、その織り込みが半分にまで縮小したとしています。

投資家心理の改善は資金流入にも表れ、14日には2億1,800万ドル(約353億円)、15日には1億9,700万ドル(約319億円)が流入しており、その大半はビットコイン関連商品に向かったと報告されています。

底値固めも上値は限定的との見方

一方で、レポートの筆者で調査責任者を務めるジェームズ・バタフィル氏は、今回のインフレ指標改善の中身について、低下の主因がガソリン価格の下落にあると指摘しています。

その理由として同氏は「今回の物価低下はガソリン価格の下落による影響が大きく、小売売上高の主要な構成要素でもあるため、同じ値下がりが景気全体の統計も押し下げている」と説明しています

また「1回の軟調な雇用統計と1回の軟調なCPIだけでは不十分であり、利下げにはさらにマクロ経済の悪化が必要になる」との見方を示しました。

加えて、中東のイラン情勢を背景に原油価格は再び上昇しており、8月に公表されるインフレ指標を押し上げる要因となる可能性があると同レポートは警告しています。

バタフィル氏は、景気が緩やかに減速すれば、利下げ期待の高まりを背景にビットコインの追い風となる可能性もあると分析しています。

こうした状況を踏まえ、CoinSharesはビットコインが底値圏にあるとの見方を維持しつつも、金融政策への期待が大きく変化しない限り、レンジ相場が続くとの見通しを示しました。

関心はブロックチェーン株に集中

こうした見方は、投資家の売買行動にも表れています。同レポートによると、ビットコインが12万ドル(約1,944万円)付近では市場の関心が高まる一方、6万ドル(約972万円)近辺では関心が大きく薄れる傾向が確認されています。

現在の価格水準はポジション(保有持ち高)の積み増しを促す水準とみられるものの、市場全体では依然として慎重姿勢が優勢であり、積極的な買いには至っていないと同社は分析しました。

現時点で投資家の関心が最も集まっている分野として、同レポートは上場企業の株式で構成されるブロックチェーン関連株を挙げています。

機関投資家の参入続く、市場は次の指標を注視

一方、米国では大手金融機関による仮想通貨事業への参入が相次いでいます。

Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)傘下のE*TRADEは7月16日、約860万世帯を対象とする仮想通貨の現物取引を開始しました。

同日には米資産運用大手のT. Rowe Price(Tロウ・プライス)も、業界初となる仮想通貨アクティブETF(上場投資信託)「TKNZ」を米NYSE Arca市場に上場したと発表しています。

大手金融機関の参入が続くなか、市場では次回の米雇用統計や8月12日に発表予定の7月分CPIを受け、資金流入が続くかどうかに関心が集まっています。

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Source:CoinSharesレポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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