この記事の要点
- Zcash公式が大型更新「NU7」の正式稼働を発表
- 送金承認が75秒から25秒に短縮、手数料制度も刷新
まずはジーキャッシュ(Zcash/ZEC)を詳しく
「NU7」正式稼働、ブロック生成3倍速に
ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)の公式アカウントは2026年11月6日、大型ネットワークアップグレード「NU7」がメインネットのブロック高3,543,405で正式に稼働したと発表しました。
NU7 has successfully activated on mainnet. A new era of Zcash is here. $ZEC https://t.co/rPaSFe9h7j
— Zcash 🛡️ (@Zcash) November 6, 2026
NU7がメインネットで正常に有効化されました。Zcashの新たな時代が始まります。$ZEC
今回のアップグレードでは、ブロック生成の目標間隔が75秒から25秒に短縮され、送金の初回承認までの平均待ち時間が約3分の1になるほか、ネットワークの取引処理能力も向上しています。
さらに、取引手数料の60%を将来のブロック報酬に充てる「ネットワーク持続可能性メカニズム(NSM)」が導入され、報酬の半減に伴うネットワーク維持費用の確保に向けた新たな仕組みが稼働しました。
その一方で、旧トランザクション形式の無効化に伴い、初期のプライバシー保護方式「Sprout(スプラウト)」に残された約12,224 ZECが移動不能となるなど、既存の資産にも影響が及んでいます。
ジーキャッシュ(ZEC)とは
ZEC送金が高速化、手数料60%は将来報酬に
初回承認25秒へ、取引処理能力も2倍超に
ジーキャッシュ財団の発表によると、決済や取引所への入金、クロスチェーン取引などで生じる承認待ち時間の短縮を目的としており、特に1〜2回のブロック承認を必要とする取引で処理の迅速化を図ると説明しています。
ブロック生成数は1日あたり約1,152から約3,456に増加し、プライバシー保護取引を扱うOrchard(オーチャード)プールでは、2アクション取引を基準とした処理能力が約2.9 TPSから約6.6 TPSへ引き上げられました。
ブロック生成頻度の増加に伴う負荷を抑えるため、1ブロックあたりのシールドアクション数には330の上限が設定され、軽量ウォレットが同期時に処理する最大データ量も約271MB/日から約169MB/日へ削減されるとZIP 218で試算されています。
ブロック生成数の増加に合わせて1ブロックあたりの報酬も従来の3分の1に調整されており、時間あたりのZEC新規発行量を維持したまま、送金性能を改善する設計が採用されました。
報酬半減に備えた新たな仕組み「NSM」
Zcashはビットコイン(BTC)と同様に定期的なブロック報酬の半減期を採用しており、NSMを開発した独立組織Shielded Labs(シールデッド・ラボ)は、将来的な報酬減少に伴うネットワークセキュリティの維持を長期的な課題と位置づけています。
この課題に取り組むNSMでは、ZIP 235に基づき、各ブロックの取引手数料の少なくとも60%(端数切り捨て)を流通から除去し、将来のブロック報酬に充てる仕組みが採用されました。
流通から除去されたZECは恒久的に焼却されるものではなく、ZIP 237に基づき、ブロック高8,939,664に達する2031年頃から既存の半減期スケジュールに上乗せする形で段階的に再発行され、2,100万ZECの供給上限も維持されるといいます。
将来の報酬原資を追加する案として、Zcash Community Grants(ZCG)のトレジャリーから50,000 ZECをNSMに拠出する提案も検討されており、ZCGの委員も個人の立場で支持を表明する一方、最終的な判断はコミュニティに委ねるとの考えを示しています。
旧方式「スプラウト」停止、約1.2万ZEC凍結
NU7では送金性能の改善や将来の報酬確保に加え、旧式のプライバシー保護取引にも変更が加えられ、NU7の正式仕様に基づいてバージョン4トランザクションが無効化されました。
この変更により、初期のプライバシー保護方式「Sprout(スプラウト)」からの資金移動が停止され、ZecStats(ゼックスタッツ)のネットワーク統計によると、NU7稼働時点で同プールに残されていた約12,224 ZECが影響を受けました。
ZIP 2003では、後継のSapling(サプリング)やOrchardへの移行によってスプラウトの利用がほぼなくなったことを廃止理由に挙げ、旧方式の維持がノードの処理負荷やセキュリティ上のリスクを増やしていたと説明しています。
残されたZECは恒久的な焼却の対象とはされておらず、同仕様書は将来的な取引の再有効化や別の回収手段を認める余地を残す一方、資金の使用が再び認められない可能性にも言及しています。
ZEC現物ETF「ZCSH」取引開始
半減期廃止案から方針転換
NSMの設計をめぐっては、シールデッド・ラボが当初、半減期を廃止して滑らかな発行曲線に移行する案を提唱したものの、コミュニティパネルとコインホルダーの意向が分かれたため、既存の半減期を維持する方式へ変更された経緯があります。
その後、ジーキャッシュ財団、Project Tachyon(プロジェクト・タキオン)、Valar Group(ヴァラール・グループ)、ZODL(ゾドル)、シールデッド・ラボなどの開発組織が2026年9月に全会一致でNU7の実施方針に合意し、報酬制度を含むネットワーク変更の正式稼働に至りました。
シールデッド・ラボは、こうした合意形成をZcashのガバナンス上の強みと評価しており、NU7で長期的な報酬確保に向けたNSMの稼働を実現した後も、Crosslink(クロスリンク)やエポックの開発を通じてネットワークの安全性を維持する方針を示しています。
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Source:Zcash公式X投稿 / ZIP 259 / Shielded Labs X投稿
サムネイル:AIによる生成画像





























