Ford:ブロックチェーンで「児童労働問題」に対処|コバルトのサプライチェーン追跡へ

by BITTIMES   

大手自動車メーカーであるFord(フォード)は、児童労働問題の懸念に対処するためにブロックチェーン技術を活用しています。このプロジェクトではIBMが提供する「Hyperledger Fabric」のフレームワークが使用されており、コンゴ民主共和国の鉱山から供給されるコバルトの情報を監視・追跡できるようになっています。

こちらから読む:コバルトの流通情報を追跡できる「ブロックチェーン技術」の仕組み

コンゴ民主共和国の児童労働問題

コンゴ民主共和国のコバルト鉱山で採掘されるコバルトは、スマートフォンや自動車に使用されるリチウムバッテリーのために広く利用されており、Fordも同様にこれらのコバルトを自社製品のバッテリーとして利用しています。

しかし、同国のコバルト採掘場では子供達が命の危険に晒されながら過酷な作業を強いられていることが近年明らかにされており、「コンゴ民主共和国の児童労働問題」として解決策の必要性が訴えられていました。

Fordは、自社製品の材料が「非論理的な方法で採掘されたものではない」ということを証明するために「IBM」のブロックチェーン技術を用いて複数の企業と共に問題解決に取り組んでいます。

ブロックチェーンでサプライチェーン管理

Ford(フォード)は、リチウム電池の製造に使用されるコバルトのサプライチェーンを監視・追跡できるようにするために、IBMが提供するブロックチェーン・フレームワーク「Hyperledger Fabric」を使用しています。

コバルトなどの金属は、採掘された後に製錬されることになるためサプライチェーンの監視を行うのがやや複雑になります。他のコバルトと一緒に製錬された時点でその原産地を特定するのは困難になります。この問題に対処するために、IBMは「クリーン」なコバルトが「汚れた」ものにならないようにコバルトの起源を特定するための「AI支援化学分析」の可能性を検討していると説明しています。

IBMによると、コンゴ民主共和国の鉱山で採掘された1.5トンのコバルトは、精製のために中国に移動され、その後に韓国のバッテリー工場へと移動し、最終的に米国にあるFordの工場に到着するとされており、この約5ヶ月間に渡る移動記録がブロックチェーン上に記録されることになっています。

このプロジェクトには、FordやIBMの他にも、
・中国のコバルト鉱山会社「Huayou Cobalt」
・パワーエレメントプロデューサー「LG Chem」
・ハイテク企業「RCS Global」
が参加しており、これらの参加企業はサプライチェーンが停止するたびに材料が経済協力開発機構(OECD)の基準に従って調達されたものであることを確認できるとされています。このブロックチェーン技術を用いた追跡プロジェクトは、来月から試験的に運用される予定となっています。

貴金属類やレアアースへの応用可能性

リチウムイオン電池は現在も世界中で利用されており、電気自動車などの普及によって今後はさらに需要が高まっていくと考えられているため、コバルトのサプライチェーンを適切に管理することは今後も特に重要になってくると考えられます。

IBMはこのプロジェクトの試験運用が成功すれば、貴金属やレアアースを扱っている他のサプライチェーン監査会社や自動車メーカー、電子機器メーカーなどもこのプロジェクトに参加する可能性があると期待しています。

自動車メーカーは現在、車の部品のサプライチェーン管理にブロックチェーン技術を活用する動きを強めています。また、この他にもそれぞれの企業が独自の活用方法を模索しており、Fordは「交通渋滞問題に対処するために独自トークンを発行する」というアイデアの特許を出願しています。

幅広い分野でブロックチェーンの応用を進める自動車業界の取り組みは、これらの技術に多くの可能性が秘められていることを示しています。

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