ブロックチェーン使う米国小売業者、2023年末には「15,000社」に増加:英調査会社予測
通信業界や金融業界などにおいて有数なイギリスの調査会社「Juniper Research(ジュニパー・リサーチ)」社は、ブロックチェーン技術を使用する小売業者は「2018~2023年末までにアメリカだけでも7,500%増加し、その数は15,000社にも達する」と予測しています。また、ブロックチェーン開発企業への独自の格付けでは「IBM」や「ネム(NEM/XEM)」などを高く評価しています。
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ブロックチェーンと「小売市場」に関する調査報告
イギリスに拠点を構える調査会社「Juniper Research(ジュニパー・リサーチ)」社は、通信・プロバイダー・金融業界に至るまでの様々な分野の調査を行なっています。同社は2019年3月26日にブロックチェーン技術と小売業市場に関する新たなレポートを発表しました。
同レポートによると、現在「Alibaba(アリババ)」や「JD.com」のような大手企業はクラウド上でブロックチェーンのサービスを提供するBaaS(Blockchain as a Servise/バース)と呼ばれる独自プラットフォームを立ち上げていると報告されています。
またその一方では「Walmart(ウォルマート)」のようにブロックチェーン専門プロパイダー業者との提携を選択する企業も増加傾向にあると伝えられています。
このようにブロックチェーン技術を使う小売業者は年々増え続けているため、2023年末までにはアメリカ国内だけでも15,000社にも達するだろうと予測されています。これは2018~2023年の6年間で7,500%以上も増加する計算となっています。
また、小売業においてブロックチェーン技術の持つ特徴をモノや財産を追跡する「アセットトラッキング」の分野で適用させれば2023年までの年間収益額は45億ドル(約5,036億円)にも達する見込みだと予測されています。
「IBM」や「NEM」などに高評価
ブロックチェーン技術の多様性は多岐に渡り「サプライチェーンの透明性」「顧客ロイヤリティ管理」「業務効率の改善」をも小売業者にもたらし、他の分野より早くブロックチェーンの採用が進むとされています。
また同社は「俊敏性/存在感/イノベーション」などの独自評価に基づいて17社のブロックチェーン企業を対象に格付けを行っています。この格付けによるランキングは以下のような順番となっています。
- IBM
- Digital Asset(デジタルアセット社)
- ネム(NEM/XEM)
- Applied Blockchain(アプライド・ブロックチェーン社)
- R3
この中でも特にIBMは、その開発の取組み度合や、パートナーシップ、商用展開などからブロックチェーン技術の大手プロパイダーの地位を確立していると高い評価を受けています。
小売業界の間でも既にブロックチェーンの実装に取り組んでいる企業は存在していますが主な理由としてはコスト削減、流通においての透明性の向上などの目的が挙げられています。これらの改善は小売業にとって常に重要課題となるためブロックチェーンを採用する企業は今後も増加するものと予想されます。
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