ブロックチェーンで「スニーカーの偽造品販売」を防止|中国ファッション大手:YOHO!
中国のストリートウェア大手の「YOHO!」は、ブロックチェーンスタートアップ企業「ウルトレイン(Ultrain/UGAS)」と提携を結んだことを発表しました。両社はYOHO!のWebサイトにトレーサビリティ機能(追跡機能)を組み込む事によって、スニーカーの偽造品を排除することを目指しています。
こちらから読む:スニーカーの偽造品排除に役立つ「ブロックチェーン技術」の仕組み
ブロックチェーンによる「トレーサビリティ機能」を実装
中国では、スニーカーが若者に非常に人気アイテムとなっています。そのため偽造品も市場に多く出回っており深刻な問題となっていました。同国でストリートウェアアイテムの通販サイト等を手掛ける「YOHO!」はこの問題を解消するために、同社が提供しているWebサイトにブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ機能(追跡機能)を実装し、偽造品の流通を防止する事を発表しました。
この追跡機能には、同国のブロックチェーンスタートアップ企業「ウルトレイン(Ultrain/UGAS)」のブロックチェーンソリューションが使用されています。
「YOHO!」は主にファッションを中心とした「雑誌/イベント事業/小売/EC」などを手がけている企業であり、運営しているサイトの登録者数は2,000万人を超えるといわれています。今回発表されたブロックチェーン技術を用いた追跡機能は、同社が昨年12月に立ち上げたスニーカー専門サイト「Unique Fashion Object(UFO)」に実装されると伝えられており、これによってユーザーに安全な信頼できる商品を提供できる商品を提供することができるようになると説明されています。
スマートフォンで「スニーカーのあらゆる情報」を確認可能
「YOHO!」はスニーカーを認証するために経験豊富な8人の鑑定士からなる「独立した鑑定チーム」を設立しています。スニーカーの生産地、流通過程、信ぴょう性などのデータはタグで管理されるようになっており、これら全ての情報が「Ultrain」の提供するパブリックチェーンに記録される仕組みとなっているため、ユーザーはタグをスマートフォン等でスキャンすることによって、気軽にスニーカーの鑑定証明書など全ての情報にアクセスする事ができます。
グローバル市場調査会社「Grand View Research(グランド・ビュー・リサーチ)」社のデータによると、世界のスニーカー市場は950億ドル(約10兆円)規模にも上っており、米国の大手スニーカー専門サイト「Stock X」では1日の売り上げのうち15%が中国からの注文だと報告されています。
中国国内の市場規模は数十億ドル(数千億円)規模となっており、「YOHO!」でも全売上の20%はスニーカーが占めていると伝えられています。今回の提携によって、中国の人々はより安心して「信頼できるスニーカー」を購入することができるようになるため、中国で問題視されている偽造品などの問題も徐々に解決していくことになると期待されます。
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