【Bitget CEO独占インタビュー】2025〜2026年の暗号資産市場見通し|マクロ環境と成長セクターを語る

【Bitget CEO独占インタビュー】2025〜2026年の暗号資産市場見通し|マクロ環境と成長セクターを語る(Exclusive interview with Bitget CEO on crypto market outlook 2025–2026: macro environment and growth sectors)

2025年の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインETFの普及や利下げ観測、AI・RWA(現実資産トークン化)・L2といった新たなテーマの進展により、投資家の資金動向や市場構造に変化が生じつつあります。

市場の成熟が進む一方で、地域ごとの温度差や投資家層の違いも顕在化し、相場を読み解くには多角的な視点が求められる状況です。

こうした市場環境を踏まえ、暗号資産市場の動向を多角的に取り上げる「Bitget × BITTIMES」の全5回特集を企画しています。

Bitgetは2018年に設立されたグローバルな暗号資産取引プラットフォームで、デリバティブ取引を中心に世界的なユーザー基盤を有しています。

本稿は同企画の第1回として、BitgetのCEOであるGracy Chen(グレイシー・チェン)氏に、市場見通しやETF普及の影響、マクロ環境、注目セクターなどについて伺った内容をQ&A形式で掲載します。

目次

Bitget CEOインタビュー:暗号資産市場の現在地と未来図

Q1. 2025年の暗号資産市場をどのように見ている?

チェン氏:2025年の暗号資産市場は、二つの軸で進んでいると見ています。

ひとつはETF(上場投資信託)やトークン化されたRWA(現実資産トークン化)といった、より制度化が進んだレイヤーです。企業のバランスシートに暗号資産を組み込み始める動きも見られ、資産クラスとしての成熟度が高まっている証拠と言えます。この流れは今後さらに広がっていくでしょう。

もう一方には、依然として非常に強いリテール(個人投資家)主導の文化があります。この層は動きが速く、市場コミュニティも活発で、ボラティリティの高い局面でもその勢いは続くはずです。

地域別では、アジアと北米が特に旺盛な需要を示しています。アジアは依然としてリテール比率が高く、デリバティブ取引が中心ですが、東アジアや南アジアでは規制環境が明確になりつつあり、あるいはすでに整備されているため、取引所や富裕層ユーザーを引き付けています。

米国は深い機関投資家の流動性と活発なETF市場が組み合わさっています。欧州はやや慎重な姿勢ながら、MiCAという統一的なルールブックにより、サービス事業者にとっては大きな利点があります。地域ごとにアプローチは異なるものの、市場は非常にダイナミックで魅力的です。

Q2. ビットコインETFの普及は、市場構造にどんな変化をもたらしている?

チェン氏:ビットコインETFの登場によって、市場にはいくつかの重要な変化が生まれています。

まず、ETFがビットコインを伝統的な投資ポートフォリオに組み込みやすい資産へと押し上げました。これにより、ファミリーオフィスから大手ウェルスプラットフォームまで、取引所口座を開きたくない投資家もETFを通じてビットコインに投資するようになっています。

次に、流動性と価格発見の一部が、従来の金融市場の取引時間へと移行しました。米国市場の取引時間帯におけるETF資金フローが相場の上昇・下落の両方を増幅することがあり、最近では下落局面で主要ETFから大規模な単日流出が起きたケースも見られます。

さらに、インフラやガバナンス基準の底上げも進みました。カストディ、価格算定、監査、情報開示など、ETF発行体が求められる水準がビットコイン市場全体にも波及しており、これは市場の健全性向上につながっています。

今後は、現物取引所の流動性、デリバティブ市場、そしてETFフロー(資金流入出)の間で、より明確な連動が形成されていくと考えられます。

Q3. マクロ経済は暗号資産市場にどの程度影響している?

チェン氏:2025年のいま、暗号資産をマクロ環境と切り離して語ることはできません。

ビットコインは依然として高ベータのリスク資産であり、実質金利、流動性、株式市場のリスク選好に敏感に反応します。直近の下落局面やETFからの資金流出も、金利動向の不透明感やリスク資産全体の調整という背景の中で生じており、両者の結びつきの強さがよく表れています。

一方で、暗号資産は徐々に「短期のマクロ取引」ではなく「構造的な資産配分」として位置づけられつつあります。一部の企業、ファンド、富裕層投資家は、5〜10年の視点で「デジタル資産の未来の一部を保有する」という発想で投資するようになっています。これによってマクロへの感応度が消えるわけではありませんが、保有層の時間軸や行動が変わりつつある点は重要です。

総じて、短期的な価格変動の“天気”を決めるのは依然としてマクロ要因ですが、中長期的な“気候”は、採用の拡大、規制整備、技術革新が形作りつつあります。

Q4. 現在の市場で投資家が特に注目すべきデータや指標は?

チェン氏:万能な指標があるわけではありませんが、価格だけを見るのではなく、資金フローや流動性により注意を向けることを勧めます。

ETFの資金流入・流出は、機関投資家のセンチメントを示す最もわかりやすいシグナルの一つになっており、短期的には相場の方向性を先導することもあります。

ステーブルコイン供給量も重要です。これは、市場に流入する可能性がある待機資金の規模を示すためです。また、オンチェーンの動きも単なる取引数だけではなく、誰が動いているのか、長期保有者、機関、短期投機層などを見ることが大切です。

これらの指標を組み合わせて読むことで、価格や一時的な盛り上がりだけに頼るよりも、市場の健全性をより正確に把握できるようになります。

Q5. 2025〜2026年に最も成長が見込まれるセクターはどこだと考えている?

チェン氏:私自身はすべての分野が成長していると考えていますが、特にAIとRWA(現実資産)トークン化が最も成長しているように感じます。

トークン化されたRWAは、伝統的な利回りや実物資産をオンチェーンで大規模に扱えるようにしており、AIはユーザーの取引方法、データ分析、マーケットとの関わり方を大きく変えています。これらのトレンドは、デジタル資産が表現できる価値や投資家の意思決定の幅を拡張します。

Bitgetにおいても、これは私たちの「Universal Exchange(UEX)」のビジョンと直接つながっています。UEXは、暗号資産、トークン化株式先物、オンチェーン流動性、AI駆動ツールを一つの統合プラットフォームで提供することを目指しています。

Bitget Onchainでは、数百万のクロスチェーントークンにアクセスできるため、取引のたびにプラットフォームを切り替える必要はありません。また、GetAgentはAIを活用したトレーディングアシスタントで、ノイズの多い情報を整理し、トレーダーがより情報に基づいた意思決定を行えるよう支援します。

AIとRWAが成熟するにつれて、UEXはこれら異なる金融レイヤーをつなぎ、日常のユーザーにもアクセス可能にする自然な場となるでしょう。

Q6. 米国、EU、日本などでの規制の進展は、市場成長にどのような影響を与える?

チェン氏:規制は不確実性の段階から明確化の段階へと移行しており、これは非常に歓迎される動きです。

規制は市場拡大の重要な要素であり、ガイドラインが整備されなければ、暗号資産が真剣に受け止められることはありません。

例えば、欧州のMiCA、日本のステーブルコイン規制、香港やUAEのライセンス制度などは、明確な規制枠組みの例です。これにより曖昧さが減り、より多くの機関投資家資本の流入が可能になります。コンプライアンスの基準は高くなりますが、それと同時にエコシステムへの信頼も向上します。明確なルールは、最終的に長期的な市場成長を支える要素となります。

Q7. 今後1〜2年の暗号資産市場で、投資家が意識すべき最も重要な視点とは?

チェン氏:市場全体を俯瞰し、構造的な視点で捉えることが重要です。

暗号資産は今後もボラティリティが続きますが、長期的な成長要因、規制の進展、トークン化の拡大、機関投資家の参入、そしてオンチェーンでの技術革新は着実に強まっています。

この市場で持つべき正しいマインドセットはバランスです。リスクは専門的に管理しつつも、この業界が生み出し続ける新たな機会に対しては柔軟に開かれていることが求められます。

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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