シンガポール当局がICO発行者に停止命令|取引所8社にも警告
シンガポール金融管理局(MAS)は、同国の仮想通貨取引所8社に対して、MASからの承認を得ずに仮想通貨の取引を促進しないよう警告しています。またICO発行者に対してはトークンの発行を停止するよう警告しています。
仮想通貨取引所はMASからの許可が必要
MASはシンガポールの仮想通貨取引所8社に対して、「プラットフォーム上で取引されるデジタルトークンが証券先物法(SFA)に基づく有価証券または先物契約を構成する場合には、MASに許可を求める必要がある」と警告しています。
取り扱うデジタルトークンが証券または先物契約を構成する取引所は、MASによって『承認された取引所』または『認定された市場オペレータ』として認可されるまで、そのようなデジタルトークンの取引を直ちに停止しなければなりません。
ICOではトークンの提供を停止し、調達された資金も返却
シンガポールの投資家向けにイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を行う発行者に対しては、それらのトークンの提供を停止するよう指示しました。
MASはこれらのトークンを「発行体が企業の持分所有権を表すトークンとしてSFAに違反した」と評価してるため、SFAの下で有価証券とみなされています。
指示を受けた発行者はオファーを中止し、MASの規制を遵守するための是正措置をとっています。また、シンガポールに拠点を置く投資家からICOによって調達されたすべての資金も返還されています。
なお、この発表では取引所やICO発行者の具体的な名前は公表されていません。
ブロックチェーンビジネスに寛容なシンガポール
MASは「シンガポール国内の仮想通貨関連事業者は、すべての関連法律を遵守することを保証する責任があることを再確認した」とも述べています。
MASの資本市場アシスタント・マネージング・ディレクターであるLee Boon Ngiap(リー・ブーン・ジアップ)氏は、次のように述べています。
シンガポールの仮想通貨取引所とデジタルトークンの数は増加しています。
私たちはそれらが『誠実なビジネス』であれば制限する必要はないと考えています。
しかし仮想通貨取引所、発行者または仲介業者が、当社の証券法違反を起こした場合、MASはしっかりと行動する。規制されていない仮想通貨取引所でのトレードや、MAS規則の遵守外になるデジタルトークンに投資する一般市民は、規制上の保護手段がないことを認識しなければなりません。
シンガポールはブロックチェーンや仮想通貨関連のビジネスに対して寛容でありながらも、統制された環境を提供することを目標にしています。
(引用:mas.gov.sg)