ビットコインETF・価格・米SECについて
アメリカ国家安全保障局(NSA)による大規模な個人情報収集を告発したことで知られる元CIA職員のエドワード・スノーデン氏は、2023年10月12日から開催された「Bitcoin Amsterdam 2023」の中で、ビットコインETFやBTC価格よりも重要なことに関する様々な発言を行いました。
スノーデン氏はX(旧Twitter)上における仮想通貨関連のやり取りから、多くの人は”仮想通貨価格”にばかり関心を持っているようだと指摘しており、チャートばかりを見るのではなく実際の活用事例を見るべきであるとアドバイスしています。
仮想通貨業界では「ビットコインETF」に対する関心が高まっていますが、スノーデン氏は「ETFで価格が変動するとしても、それは望ましいことではない」と指摘しており、「なぜならそれは一種の従属であり、飼い慣らす過程の一環であるからだ」と説明しています。
このように指摘するスノーデン氏は「私たちはより根本的なことに目を向ける必要がある」とも述べており、「それは大変で面倒でリスキーなことだが必要なことである」と語っています。
なお、スノーデン氏は今回のスピーチの中で、米SEC関連の動向や価格に注目している人々に対して『ゲイリー・ゲンスラー氏はビットコインの代表者ではない。私は彼の考えを気にしていないし、あなたも気にすべきではないと思う』ともコメントしています。
ETFに関する注目記事はこちら
仮想通貨業界のプライバシー問題について
スノーデン氏は”プライバシー関連の問題”が残されていることも指摘しており、複数の取引をまとめてBTC取引を追跡困難にする「CoinJoin」のようなプライバシーツールが必要とされている現状が、プライバシー問題を物語っていると述べています。
具体的には仮想通貨業界で行われているオンチェーン分析についてコメントされており、SNS上で「誰々がこれだけのBTCを送金した」などの報告が行われていることを指摘した上で「これは正常ではなく、受け入れられるべきではないが、現実に存在している」と語っています。
さらに同氏は、スマートフォン・Wi-Fi・カメラなど至るところにプライバシーの問題が潜んでいることも指摘しており、メーカーはソフトウェアを有効化するだけでよく、追加の費用もかからないと指摘しています。
スノーデン氏はこのように語った上で「秘密裏に行動するのは自由ではないということだ」と述べており、「資産証明は自由ではないことの証明であり、CoinJoinの必要性はあなたが自由ではないことの証明である」と語っています。
プライバシーツール開発者の逮捕にも言及
スノーデン氏はプライバシーツールの開発者を政府が逮捕しようとしている状況についても言及しており、「道路を建設する際にはアルファルトを敷いた人が通行人の責任を負うわけではない」と説明した上で、「もしも私たちがコミュニティとしてそれに賛同して推進するなら、世界を悪化させることになる」とも語っています。
なお、スノーデン氏は「ビットコインは私たちが参加している大きなゲームの中で非常に重要な要素である」とも語っており、「私たちが影響を与え、操作している支払いや金融などのシステムは、将来の世界を形成するものである」と述べています。
スノーデン氏はスピーチに最後に、検閲に強いグローバルSNS構築を目指す分散型のオープンプロトコル「Nostr」に興味を持っていることも語っており、『Nostrの重要な点は、言論の自由と自由貿易の統合を概念化しようとしていることだ。オープンな即時決済は世界を変えるアイデアである』と語っています。
エドワード・スノーデン氏が語った内容は「Bitcoin Magazine」のYouTubeチャンネルでも公開されています。