Binance Pay、ブラジル中央銀行「Pix」と連携|仮想通貨が日常決済に

Binance Pay、ブラジル中央銀行「Pix」と連携|仮想通貨が日常決済に(Binance Pay integrates with Brazil's central bank Pix system to enable everyday crypto payments)
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ブラジルの決済革命「仮想通貨×Pix」

大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は2025年5月21日、同取引所の決済「Binance Pay(バイナンス・ペイ)」がブラジル中央銀行の提供する即時決済ネットワーク「Pix(ピックス)」と統合したことを発表しました。

これにより、ユーザーはビットコイン(BTC)をはじめとする100種類以上の仮想通貨を選択し、瞬時にブラジルの法定通貨レアル(BRL)へと換算して、個人や加盟店への支払いを完了できるようになります。

また、すべての手続きはバイナンスのスマートフォンアプリ内で完結し、受取側も従来の銀行送金と同様に即座に決済を受け取ることが可能になると説明されています。

日常的な支払いに仮想通貨を活用できる今回の統合は、仮想通貨(暗号資産)の実用化を大きく進展させる画期的な取り組みとして大きな注目を集めています。

ブラジル「Pix」普及で広がるBinance Payの可能性

国内シェア7割超、急拡大するPixの普及状況

Pixは2020年にブラジル中央銀行によって導入された公的な即時決済プラットフォームで、現在では利用者数が1億7,400万人以上(個人・法人含む)にのぼり、月間取引件数は平均60億件に達しています。

ブラジル国民の約76%がPixを利用しているとの最新データもあり、これはデビットカードや現金での利用率を上回る数字です。

このような国内で圧倒的なシェアを持つ決済基盤とBinance Payが連携することで、仮想通貨決済をこれまで利用していなかった層にもリーチできると期待されています。

ブラジルの主流決済がクレカからPixへ

Pixは手数料無料かつ24時間即時送金が可能な利便性から、小口商取引や個人間送金で急速に広まりました。

2022年末時点で、Pixを通じて新たに金融サービス圏内に取り込まれたブラジル国民は約7,150万人に達すると中央銀行は報告しています。

オンライン決済市場では2025年までにPixのシェアが44%に達し、41%のクレジットカードを抜いて主要決済手段になるとの予測もあります。

Binanceが見るPix統合の将来性

Binanceは今回のPixとの連携が持つ重要性を強調しています。

ラテンアメリカ地域担当責任者のギリェルメ・ナザール氏はプレスリリースの中で「Binance Payが国家規模の決済システムと連携するのは世界初で、重要な節目となるでしょう」と述べています。

ナザール氏はまた「今回の統合により、ブラジルのユーザーは慣れ親しんだ仕組みで迅速かつ安全、そして容易に仮想通貨で支払いができるようになる」と説明し、グローバルなサービスを各国のニーズに合わせて最適化する取り組みの一環だと強調しました。

Binance CEO「Pixで日常決済変える」

さらにBinance CEOであるリチャード・テン氏も「これは革命的な進展だ」と評価しています。

テン氏は「ブラジルで最も信頼される決済ネットワークであるPixのスピードと利便性に、当社のグローバルな仮想通貨インフラを組み合わせることで、日常的な支払いに仮想通貨を自然に活用できる環境が整いつつある」とコメントしました。

また、このような取り組みによって、金融サービスへのアクセス拡大や、銀行口座を持たない層も経済活動に参加しやすくなると語っています。

ブラジルで進む仮想通貨の規制緩和と企業戦略

今回のBinance PayとPixの連携は、ブラジルで仮想通貨が既存の金融インフラに取り入れられている動きを象徴していますが、同国では他にも仮想通貨を巡る動きがあります。

ブラジル当局によるBinanceへの承認

ブラジル当局は仮想通貨に前向きな姿勢を示しており、今年1月にはBinanceが現地の証券会社Simpaul(シンパウル)を買収し、中央銀行から証券ブローカーライセンスの承認を取得しました。

バイナンスはこれによりブラジルで正式に有価証券取引業などを行える仮想通貨プラットフォームとなり、世界で21番目の規制当局承認を達成しています。

同国を含むラテンアメリカ最大級の市場で規制準拠を果たしたことは、Binanceの事業拡大と信頼性向上に向けた重要なステップとなりました。

ブラジル企業によるビットコイン財務戦略の導入

ブラジルは世界有数の仮想通貨利用国であり、一般利用や企業による採用も進んでいます。

ブラジルの上場企業メリウズ(Méliuz)は2025年5月15日、ブラジル企業として初めて企業資産としてビットコインを大量取得する財務戦略を発表し、274.52 BTC(約2,840万ドル/約41.1億円相当)を取得したことを明らかにしました。

メリウズ社のイスラエル・サルメン会長は自身のX(旧Twitter)で「株主の圧倒的な支持によりメリウズはブラジル初の『ビットコイン財務戦略企業』に生まれ変わることが正式承認された」と報告し、歴史的な一日だとその喜びを表現しています。

企業レベルでの仮想通貨活用が進むこの事例は、ブラジルにおける仮想通貨への信頼と需要の高まりを象徴しています。

こうした背景から、今回のBinance PayとPixの連携は、ブラジル国内のデジタル決済に仮想通貨を導入し、利便性を高めることで、仮想通貨の普及を加速させる動きとして注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.44円)

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Source:Binance公式ブログ
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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