
ブラジル最大手銀行、独自ステーブルコインの発行を検討|RWA決済に活用か
イタウ銀行、独自ステーブルコインの可能性に言及
2025年4月3日、ブラジル最大手銀行「イタウ・ウニバンコ(イタウ銀行)」のデジタル資産責任者であるグト・アントゥネス氏が、独自ステーブルコインの発行を検討していることを示唆しました。
地元メディアによると、この発言は、サンパウロで開催された業界イベントの登壇時に述べたもので、主に取引の即時決済やRWA(現実資産)のトークン化に関連したユースケースを念頭に置いたものとされています。
イタウ銀行は以前から仮想通貨関連サービスを展開しており、2022年には仮想通貨の取引およびカストディ業務に参入し、複数の仮想通貨を提供しています。さらに、ブラジル中央銀行が主導するCBDC(デジタル・レアル)の実証実験にも参加しています。
アントゥネス氏は「もし顧客のニーズに合致するのであれば、銀行内でステーブルコインを保有することも検討する」との見解を示しました。
イタウ銀行がBTC・ETHをサポート
ステーブルコインでRWA決済も視野に
イタウ銀行が特に注目しているのは、RWAのトークン化に伴う決済手段としてのステーブルコイン活用です。
国債や不動産などのアセットをブロックチェーン上でデジタル化し、即時決済を可能にする仕組みは、既存金融インフラでは難しかった新たなユースケースを提供します。イタウ銀行のステーブルコイン構想もこの流れに沿ったものであると見られています。
世界的に仮想通貨への取り組みが進む中、同行がステーブルコインの導入を実現することになれば、世界的な決済インフラの近代化を進める動きになるとして注目を集めています。
世界中から注目を集めるRWA
ブラジル、仮想通貨市場へ本格参入狙う
ブラジル中央銀行(BCB)は2024年末からステーブルコイン規制に関する方針案を提示し、2025年中の導入を目指して意見公募を実施中です。外貨建てステーブルコインの利用制限やKYC(本人確認)基準の明確化などが議論されています。
また、ブラジル証券取引委員会(CVM)も2024年以降、RWA関連トークンの法的位置づけを整理するため、複数のトークン発行企業への聴取を開始しています。これらの規制整備は、銀行が自社ステーブルコインを導入する際の重要な下地となっています。
ブラジル国内では、BTGパクチュアル銀行が2023年に米ドル連動型ステーブルコイン『BTG Dol』を発行し、Myntプラットフォームを通じて販売・決済を開始しています。
こうした動きを背景に、 国内大手銀行による仮想通貨領域への本格的な参入が今後さらに加速すると見られています。
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Source:地元メディア報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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