共和党内反対から一転、法案成立に道筋
2025年7月16日、ドナルド・トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、ステーブルコイン規制に関する重要法案「GENIUS法案」の成立に必要な支持を確保したことを明らかにしました。
この発表は、前日に手続き上の採決が共和党内の反対により否決された直後のタイミングで行われており、党内の混乱収拾を狙った動きとみられています。
トランプ氏は投稿で「GENIUS法案に反対票を投じた共和党議員12名のうち11名が、明日の朝には賛成票を投じるだろう」と述べ、法案可決に強い自信を見せました。
私は、GENIUS法案の可決に必要な12人の下院議員のうち11人と大統領執務室にいます。短い議論を交わし、全員が明日の朝、規則に賛成票を投じることに同意しました。
マイク・ジョンソン下院議長も電話会談に同席し、早期の採決を心待ちにしています。迅速かつ前向きな対応をしてくれた議員たちに感謝します。
アメリカを再び偉大な国に!
手続き上の採決で異例の否決
トランプ氏が発表を行う前日の7月15日、米下院では「仮想通貨週間(Crypto Week)」と銘打った仮想通貨関連法案の集中審議が開始されましたが、初日から予期せぬ事態が発生していました。
GENIUS法案を含む3つの法案の審議入りを決めるための手続き上の採決では、一部の共和党議員が反対票を投じ、否決という異例の結果となりました。
この予期せぬ否決により、トランプ氏自身が推進していた「仮想通貨週間」の計画が頓挫し、共和党指導部にとって大きな打撃となったと報じられています。
この採決失敗を受け、関連企業の株価が大幅に下落しました。ステーブルコイン発行大手Circle(サークル)社は7%以上、大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)社は4%以上それぞれ下落し、市場にも動揺が広がりました。
共和党保守強硬派の反発が原因か
採決失敗の主な原因は、共和党内の保守強硬派による強い反発にあったことが明らかになっています。
反対票を投じたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は、自身のX(旧Twitter)で「私はGENIUS法案のルールに反対票を投じた。なぜなら、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の禁止条項が含まれておらず、ジョンソン議長が修正案の提出を許可しなかったからだ」と反対した理由を説明しています。
グリーン議員は、トランプ氏が1月23日の大統領令でCBDC禁止を盛り込んだ経緯に言及し、議会も同様の措置を講じるべきだとの考えを示しました。
この動きは、トランプ氏が「全ての共和党員は賛成すべき」と呼びかけていたにもかかわらず発生したもので、党内の政策的な意見対立を鮮明にしました。
7月14日の週を「仮想通貨週間」に
仮想通貨関連の重要3法案が同時審議へ
「仮想通貨週間」では、GENIUS法案の他に2つの重要な法案が審議される予定です。
一つは「CLARITY法案」で、仮想通貨が証券と商品のどちらに分類されるかを明確にし、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄権を整理するものです。業界が長年求めてきた規制の明確化を実現する重要な内容となっています。
もう一つは「CBDC反監視国家法案」で、米連邦準備制度(FRB)によるCBDCの発行を禁止するものです。
トランプ氏が共和党内の支持をまとめ、GENIUS法案の採決が再度行われる見通しとなった現在、これらの関連法案の審議動向に注目が集まっています。
仮想通貨法案関連の注目記事はこちら
Source:トゥルース・ソーシャル投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用



























