ビットコイン、急騰急落の時代が終わり安定期に移行
ブルームバーグETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は2025年7月27日、ビットコイン現物ETFの普及により、急激な価格変動「ゴットキャンドル」は今後減少し、ビットコイン市場はより安定した成長フェーズへと移行したとの見解を示しました。
バルチュナス氏は自身のX(旧Twitter)で、ビットコインETFを通じた安定的な資金流入や企業の参入により、ボラティリティ(価格変動)が抑制され、かつてのような急騰・暴落が発生しにくくなっていると指摘しました。
同氏によれば、ブラックロック社が現物ETFを申請した2023年以降、ビットコイン(BTC)価格は約250%上昇する一方で大幅下落は発生しておらず、大規模な機関投資家を呼び込む好循環が形成されているといいます。
This guy gets it. We’ve been saying same thing. Since BlackRock filing Bitcoin is up like 250% with much less volatility and no vomit-inducing drawdowns. This has helped it attract even bigger fish and gives it fighting chance to be adopted as currency. Downside is prob no more… https://t.co/0ECd5XevcO
— Eric Balchunas (@EricBalchunas) July 26, 2025
(前略)ブラックロックが申請して以降、ビットコインは約250%も上昇しているのに、ボラティリティはかなり抑えられていて、大きな下落で胃が痛くなるような展開もない。
これが、さらに大口投資家を引き寄せ、通貨として採用される可能性を高めている。一方で「ゴッドキャンドル(急騰)」が見られなくなるかもしれないのは残念だけど、全部は手に入らないよね。
こうした市場構造の変化を背景に、ビットコインは短期的な急騰・急落を繰り返す段階を脱し、長期的な価値の成長が見込まれる成熟期へと移行しつつあるとの見方が広がっています。
「BTC強気相場は今後14ヶ月続く」
ビットコイン現物ETFがもたらす価格安定と市場成長
ETF登場後に見られた価格安定の兆し
バルチュナス氏は一連の投稿で「ビットコインの歴史はETF前とETF後の二つの時代に分けられる」と言及し、スポット型ETFの承認を機に市場の性質が大きく変わった点を強調しました。
ビットコインETF開始前と開示後のチャート(画像:ミッチェル・アスキュー氏X投稿)
同氏によると、現物ETFの登場後、ビットコインは大幅な価格下落に対する耐性を見せており、実際に直近で注目を集めた米Galaxy Digital社による約8万BTCの大量売却時にも市場は混乱せず、価格は11万6,000〜12万ドル(約1,710万〜1,770万円)で比較的安定した値動きを維持しました。
ETFを通じた安定資金の流入が急激な売り圧力を吸収し、市場を支える構造が形成されており、ビットコイン市場は「ETF承認前と後」で様相が大きく変化しており、今後さらに価格変動の低下が進むと同氏は見解を述べました。
ゴットキャンドル減少は安全資産への一歩
バルチュナス氏はまた、ボラティリティ低下の「副作用」として、かつて見られた一夜で資産が数倍に跳ね上がるような劇的な急騰(ゴットキャンドル)は、今後ほとんど発生しなくなる可能性が高いとの見方を示しました。
ただし、これはビットコインの実用性を高めるために不可欠な安定化であり、価格変動の穏やかさは日常的な決済手段としての普及に向けた重要な前提になると指摘しています。
実際、ボラティリティの低下により、ビットコインは高リスクな投機資産から現実的な通貨に近づきつつあり、機関投資家や企業が参入しやすい市場環境が整備されてきたと評価されています。
専門家も認めるビットコインの安定化
米著名アドバイザーのリック・エデルマン氏も同様の見解を示しており、ビットコインの普及と投資家層の成熟に伴って市場が安定し、かつてのような70〜80%規模の暴落は起きにくくなっているとの見解を示しました。
エデルマン氏は、価格が20〜30%下落した場面では多くの機関投資家が買いの好機と捉え、積極的に支える傾向があると説明しています。これにより、過去には見られなかった価格の下値支持が形成されつつあり、市場の安定とボラティリティ低下を後押ししていると指摘しています。
また、米著名トレーダーのスコット・メルカー氏も「以前のビットコインはS&P500指数の約3倍の値動きがあったが、現在は2倍以下に落ち着いている」と述べ、ETFや年金基金など機関マネーの流入拡大がビットコイン市場の成熟を促している証拠だと語っています。
同氏は「機関投資家やウォール街、長期保有者の資金が増えれば増えるほどボラティリティは小さくなる」とも述べており、市場の安定性が高まることで大きな調整局面を迎えることなく持続的に価格上昇が可能になるとの見方を示しました。
クジラ売却も下支えするETFの存在感
一方、市場構造の変化により、初期からの大口保有者(クジラ)が利益確定のために保有BTCを売却し、徐々に市場から退出し始めているとの指摘も一部で出ています。
また、取引のボラティリティが低下したことにより、より高いリターンを求める一部の資金が、規制の緩い分野やデリバティブ市場へと流れる可能性も指摘されています。
それでも全体としては、規制されたETF市場への安定的な資金流入が継続するかぎり、ビットコイン価格には長期的な上昇圧力がかかり続けるとの見方が広がっています。
90億ドル相当のBTC売却も混乱みられず
ビットコインは投機から信頼できる資産へ進化
現物ETFの普及によって、ビットコインは急騰と急落を繰り返す投機的なフェーズを抜け、現在は長期的な価値を蓄積する資産としての側面が強まりつつある局面です。
今後は、ボラティリティの低下を前提とする安定的な資金流入が継続し、より多くの機関投資家の参入によって市場の成熟がさらに進展すると見られています。
ETFという新たな枠組みが整備されたことで、ビットコインは「投機」の対象から「信頼できる資産」へと変化し、次世代の金融インフラとしての役割を担い始めています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.58 円)
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Source:エリック・バルチュナス氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像




























