大口クジラ、3.6億ドル分のBTCをHyperliquidへ送金
2025年10月8日、100億ドル以上のビットコイン(BTC)を保有する大規模なクジラが、約3億6,400万ドル(約554億円)相当のBTCを分散型取引所Hyperliquid(ハイパーリキッド)に送金したことが明らかになりました。
オンチェーン分析企業Arkham(アーカム)によると、約2カ月前に同クジラは保有BTCの一部(約50億ドル相当)を米ドル連動型ステーブルコインUSDCに換金し、その資金でイーサリアム(ETH)を購入していました。今回の送金は、その動きの延長線上にあると報告されています。
また、このクジラはHyperliquidのブリッジプロトコルである「Hyperunit(ハイパーユニット)」を活用してBTCなどの資産を直接Hyperliquidの取引エコシステムに流入させているとのことです。
BREAKING: $10B BITCOIN WHALE IS MOVING ANOTHER $360M OF $BTC
2 Months ago we reported on a $BTC whale holding over $10B BTC, who bought $5B of ETH through Hyperunit. He just moved another $363.9M $BTC to Hyperunit.
Is he buying ETH again? https://t.co/jYUCx8A3sR pic.twitter.com/7dpZr8AjTw
— Arkham (@arkham) October 7, 2025
速報:100億ドル規模のビットコインクジラ、さらに3億6,000万ドル相当のBTCを移動
2か月前、私たちは、総額100億ドル以上のビットコインを保有するクジラが、Hyperunitを通じて50億ドル分のイーサリアムを購入したと報じました。
そして今回、そのクジラが新たに3億6,390万ドル相当のBTCを再びHyperunitへ移動させたことが確認されています。
再びETHを購入するつもりなのでしょうか。
こうした動きから、今回も前回同様、BTC売却資金が再びETH購入(スワップ)に充てられる可能性が高いと見られており、オンチェーン上の巨額資金移動として注目を集めています。
ビットコイン市場に新たなクジラが誕生か
100億ドル級クジラが再び動く、ETHシフト再燃の兆し
Hyperliquidへのテスト送金後に3,000 BTC移動
Arkhamのオンチェーンデータによると、当該クジラはHyperliquidへ巨額のBTCを送金する直前に、まず0.002 BTC(250ドル/4万円相当)の小口テスト送金を行い、その後、本送金として約3,000 BTC(3億6,400万ドル相当)を一括で移動したことが確認されています。
なお、大口送金後もこのクジラの主要ウォレットには約29,300 BTC(36億ドル/5,460億円相当)が残っており、依然として巨額のBTCを保有していることが伝えられています。
実際、今回Hyperliquidに入金されたBTCの一部はすでに売却されており、オンチェーン監視プロジェクトOnchain Lensによると、約960 BTC(1.1億ドル/180億円相当)がUSDコイン(USDC)に換金済みであることが報告されています。
これらの売却・換金の動きは、当該クジラが送金したBTCを即座にステーブルコインへ転換し始めたことを示しており、近くETHへのスワップに踏み切る可能性があるとみられています。
再開されたBTC売却、ETH買い増しへの布石か
当該クジラは今年の夏にも大規模なBTC売却とETH購入を行っており、今回の動きはその延長線上にあるとされています。
Lookonchainによると、このクジラは8月20日から9月1日にかけてHyperliquid上で合計約35,991 BTC(45億ドル/6,700億円相当)を売却し、約886,371 ETHを取得していました。
この一連の取引は、7年間ほとんど動きがなかった古参のビットコインアドレスによる突発的な巨額移動として注目を集め、Lookonchainは取引後もなお同クジラが49,634 BTC(61億ドル/9,250億円相当)を4つのウォレットに分散して保持していると報告しています。
なお、8月末の取引では、Hyperliquidのブロックエクスプローラー上で1〜1.5 BTCずつ、売却とETH購入を小口で繰り返す手法で市場への影響を抑えつつ約42万7,500 ETH以上を取得していたことが確認されていました。
その後、約2週間の休止期間を経て、このクジラは9月中旬から活動を再開し、9月14日には追加で1,176 BTC(1.4億ドル/220億円相当)をHyperliquidに送金して再びBTCの売却を開始したことが報告されています。
今回の約3億6,400万ドル相当のBTC送金は、これら一連の大型資産移動の延長線上にあるとみられ、業界内では「史上例を見ない規模のトレードを継続する古参クジラ」として引き続き注目を集めています。
イーサリアム主導で形成される市場サイクル
ビットコイン古参クジラの資産移動が示す市場変化
サトシ時代のウォレットからの資産移動
2025年に入ってから、長期間休眠していたビットコイン古参クジラによる巨額資産の移動が相次いで報告されています。
7月には米大手投資会社Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)がサトシ時代(2009〜2011年ごろ)から保有していた約8万BTC(99億ドル/1.5兆円相当)を顧客に代わって売却したことを発表し、暗号資産市場史上最大級の取引の一つとして注目されました。
クジラ資金の行方はアルトコイン市場へ
こうしたクジラの大規模売買について、一部のアナリストはビットコインからアルトコインへの資金シフト、いわゆる「アルトシーズン」到来の兆候と捉えています。
Lookonchainは、別のクジラがHyperliquid上に545万USDCを預け入れ、これを用いてETHや同取引所のネイティブトークンHYPE、チェーンリンク(LINK)などで大口ロングポジションを構築したと指摘しています。
今回Hyperliquidで観測された100億ドル規模のBTC保有クジラの動向は、ビットコインとイーサリアム間の資金フローに大きな影響を与え得るため、市場関係者はその売買の行方を注視しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.26 円)
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Source:Arkham X投稿
サムネイル:AIによる生成画像





























