仮想通貨分散型取引所「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」の特徴や使い方を徹底解説

仮想通貨分散型取引所「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」の特徴と使い方(Hyperliquid DEX features and usage guide)

Hyperliquid(ハイパーリキッド)は、独自開発のブロックチェーン「Hyperliquid L1」上で動く分散型取引所(DEX)です。中央集権型取引所(CEX)のような口座開設や本人確認をせず、ウォレットを接続するだけで無期限先物や現物の売買ができます。

特徴は、毎秒10万件規模のオーダーをさばくオンチェーン板取引と、最大50倍のレバレッジ。さらに手数料・ステーキング・ガバナンスを担うネイティブトークン「HYPE」を発行しており、2024年11月の大型エアドロップ以降、オンチェーン無期限先物の取引量で上位を占めるまでに成長しました。

一方で、画面は英語のみ、操作はすべて自己責任という分散型ならではのハードルもあります。「興味はあるが、どこから手を付ければいいか分からない」という人も多いはずです。

そこでこの記事では、Hyperliquidの仕組みと主な特徴、ウォレット接続から入金・取引までの始め方、手数料、注意点までを順を追って整理しました。HYPEトークンそのものの詳しい解説は、こちらのピラー記事もあわせて読むと理解が深まります。

目次

Hyperliquid(ハイパーリキッド)とは?

Hyperliquidの画像

項目 内容
名称 Hyperliquid(ハイパーリキッド)
種別 分散型取引所(DEX)/無期限先物・現物
基盤チェーン Hyperliquid L1(独自・HyperBFTコンセンサス)
スマートコントラクト層 HyperEVM(2025年に提供開始)
取り扱い銘柄数 140以上(2025年1月時点・以降も拡大)
最大レバレッジ 50倍
ネイティブトークン HYPE
必要なもの 対応ウォレット・証拠金USDC・ガス代ETH
公式サイト app.hyperliquid.xyz

Hyperliquidは、高速なL1ブロックチェーン上に板(オーダーブック)方式の取引所を載せた分散型取引所(DEX)です。注文や約定の記録がすべてチェーン上に残るため、運営が内部で価格を操作しにくく、透明性の高い取引環境になっています。

従来のCEXでは口座開設・本人確認・入金審査といった手続きが必要でした。Hyperliquidはこれらを省き、対応ウォレットをつなぐだけで取引を始められます。

独自ブロックチェーン「Hyperliquid L1」

Hyperliquidの中核は、独自設計のL1チェーンと「HyperBFT」と呼ばれる高速な合意形成エンジンにあります。毎秒10万件以上のオーダーを処理できる設計で、相場が大きく動く局面でもスリッページ(注文価格と約定価格のズレ)を抑えやすくなっています。

一般的な分散型取引所はAMM(自動マーケットメイカー)方式を採用しますが、Hyperliquidは中央集権取引所に近い板取引をオンチェーンで再現した点が独自路線です。約定スピードと板の厚みの両立を狙った構造になっています。

HyperEVM(スマートコントラクト基盤)

2025年には、イーサリアム互換のスマートコントラクト環境「HyperEVM」が稼働しました。これにより、Hyperliquidのエコシステム上で外部の開発者がアプリやトークンを展開できるようになり、取引所単体から「金融アプリのプラットフォーム」へと役割を広げています。

Hyperliquid(ハイパーリキッド)の主な特徴

オンチェーン板取引と高速処理

最大の持ち味は、CEX並みの板取引をチェーン上で動かしている点。指値・成行・逆指値といった注文方法に対応し、約定もチェーンに記録されます。

処理能力が高いため、注文の反映が速く、ボラティリティの高い銘柄でも約定がもたつきにくい。中央集権取引所の使い勝手に近い感覚で、分散型のメリットを受けられます。

無期限先物と最大50倍レバレッジ

Hyperliquidでは現物取引に加えて、満期のない無期限先物(パーペチュアル)を売買できます。証拠金の条件を満たす限りポジションを持ち続けられ、相場の上昇・下落どちらにも賭けられるのが先物の利点です。

レバレッジは銘柄ごとに上限が異なり、最大で50倍。少ない証拠金で大きな取引ができる反面、価格が逆に動けば証拠金以上の損失(強制ロスカット)につながります。倍率は無理のない範囲に抑えるのが基本です。

ネイティブトークン「HYPE」とHLP金庫

HYPEは、手数料の還元・ステーキング・ガバナンスを支えるネイティブトークンです。HYPEを預けるステーキングや、流動性供給に参加してリターンを狙う「HLP(Hyperliquidity Provider)」金庫など、保有者が収益機会に関われる設計になっています。

価格は「CoinMarketCap」や「CoinGecko」で確認できます。トークンの発行枚数・配分・ユースケースなど踏み込んだ内容は、HYPE(Hyperliquid)とは?の記事で詳しく扱っています。

Hyperliquidと他の取引所の違い(比較表)

無期限先物を扱うDEXは他にもあります。代表的なdYdX・GMX、そして一般的なCEXとHyperliquidを並べて整理しました。

項目 Hyperliquid dYdX GMX 一般的なCEX
取引方式 オンチェーン板 板(独自チェーン) オラクル価格+流動性プール 板(運営管理)
本人確認 不要 不要 不要 必要
資産の管理 自己管理(ウォレット) 自己管理 自己管理 取引所が預かる
最大レバレッジ 50倍 20倍前後 50倍前後 取引所による
独自トークン HYPE DYDX GMX 取引所トークン等

資産を自分のウォレットで管理でき、本人確認なしで板取引ができる——この組み合わせがHyperliquidの立ち位置です。その代わり、秘密鍵やトランザクションの管理はすべて自分の責任になります。

Hyperliquidが支持される理由

数あるDEXの中で、Hyperliquidはなぜ短期間で存在感を高めたのか。背景にある3つのポイントを整理します。

無期限先物DEXでの存在感

2024年のHYPE発行以降、Hyperliquidはオンチェーンの無期限先物取引量で大きなシェアを占めるようになりました。中央集権取引所に近い板の使い勝手を、資産を預けずに使える——この体験が多くのトレーダーに刺さった格好です。

手数料収入とHYPEの買い戻し

取引で発生した手数料はプロトコルの収益になります。Hyperliquidでは、その一部をHYPEの買い戻し(バイバック)にあてる仕組みも整えられました。プラットフォームの利用が増えるほどトークン需要に跳ね返る設計で、エコシステムの成長とHYPEの価値が結びつきやすくなっています。

HLP金庫による利回り

「HLP(Hyperliquidity Provider)」金庫にUSDCを預けると、マーケットメイクや清算で得た損益が預け入れ比率に応じて分配されます。板の流動性を支えながら利回りを狙える、Hyperliquidならではの収益機会です。

ただし金庫は元本割れもあり得ます。相場が急変すれば損失が出る点を理解したうえで、余剰資金を少額から預けるのが無難です。

Hyperliquidを使う前に準備するもの

対応ウォレット(Arbitrum対応)

Hyperliquidへの入金は、Arbitrum(イーサリアムのレイヤー2(L2))からのブリッジに対応しています。接続するウォレットは、Arbitrumを扱えるメタマスク(MetaMask)などを用意してください。

証拠金のUSDCとガス代のETH

取引の証拠金にはUSDC(USDコイン)、ブリッジや送金のガス代にはイーサリアム(ETH)が必要です。国内取引所でETHとUSDCを購入し、ウォレットへ送っておきましょう。仮想通貨の購入そのものが初めての場合は、仮想通貨の始め方を先に確認しておくとスムーズです。

Hyperliquid(ハイパーリキッド)の使い方・始め方

ここからは、実際の操作を5つのステップで見ていきます。画面は英語ですが、流れさえつかめば難しくありません。

① 公式サイトへアクセス

Hyperliquidの画像

Hyperliquidの公式サイトを開きます。偽サイトに誘導するフィッシング詐欺もあるため、URLが正しいかを必ず見てからアクセスしてください。ページが表示されたら、画面右上の「Connect」をクリックします。

② ウォレットを接続

Hyperliquidの画像

Arbitrumに対応したウォレットを選びます。画像は利用者の多いメタマスクの例です。ウォレット側に表示される「接続」を押すと、Hyperliquidとウォレットが紐づきます。

③ 証拠金「USDC」を入金(ブリッジ)

Hyperliquidの画像

接続後、画面右上の「Deposit」をクリック。入金したいUSDCの数量を入力し、ウォレット側で承認すると入金が完了します。ArbitrumからHyperliquid L1へUSDCをブリッジする処理なので、初回は少額で試しておくと安心です。

④ 現物HYPEの買い方・売り方

Hyperliquidの画像

※ Hyperliquidには現物取引と先物取引があり、画面が分かれています。操作前に今どちらにいるかを確認してください。

画面上部メニューの「Trade」を開き、取引したい通貨ペアを選びます。下の例は現物の「HYPE/USDC」です。

①:成行(Market)か指値(Limit)など注文方法を選ぶ
②:買い(Buy)か売り(Sell)を選ぶ
③:数量を入力する
④:注文を確定する

これで現物の売買は完了です。すぐに約定させたいときは成行、価格を指定したいときは指値を使い分けます。

⑤ 無期限先物(パーペチュアル)の取引

先物は「Perps」の画面から行います。証拠金(USDC)に対してレバレッジ倍率を設定し、ロング(買い)かショート(売り)を選んで注文します。ポジションを持つと清算(ロスカット)価格が表示されるので、その水準を常に意識してください。

最初はレバレッジを2〜3倍程度に抑え、損切りラインを決めてから入るのが、強制ロスカットを避けるコツです。

Hyperliquidの手数料一覧

主な手数料の目安は以下の通りです。手数料体系は取引量に応じた割引や改定があるため、最新の数値は公式のドキュメントで確認してください。

項目 目安(2025年時点)
入金手数料 無料(別途ガス代のETHが必要)
出金手数料 1 USDC程度
最低出金額 数USDC程度
取引手数料(Maker) 0.010%前後
取引手数料(Taker) 0.035%前後

MakerとTakerの違いは、板に流動性を提供する注文(Maker)か、既存の注文を取りに行く注文(Taker)か。指値で板に並べるとMaker側になり、手数料が安く済むケースが多くなります。

HYPEエアドロップの経緯と今後

HYPEは2024年11月29日に発行され、初期にエアドロップが実施されました。早期ユーザー向けに総供給量10億枚のうち約31%(3.1億HYPE)が配布され、なかには数億円相当を受け取った例も話題になりました。

運営側は引き続き、コミュニティ報酬として供給量の一定割合を確保しています。今後の追加配布について公式の明言はないものの、Hyperliquidで取引や流動性提供を続けるユーザーが将来の報酬対象になる可能性は残ります。エアドロップ獲得を狙うなら、過度な期待は禁物という前提で取引実績を積むことになります。

Hyperliquidを使う際の注意点・リスク

便利な反面、分散型ならではの注意点があります。使い始める前に押さえておきましょう。

リスク 内容と対策
自己責任での資産管理 秘密鍵やシードフレーズを失うと資産を取り戻せない。バックアップを厳重に。
レバレッジによる損失 強制ロスカットで証拠金を失う恐れ。倍率を抑え損切りを決めておく。
スマートコントラクトの不具合 バグやハッキングのリスクはゼロではない。余剰資金で利用する。
言語・サポート 画面は英語のみ。日本語の公式サポート窓口は基本的にない。
税金 日本では利益が課税対象。取引履歴を残し確定申告に備える。

Hyperliquid(ハイパーリキッド)のよくある質問【FAQ】

Hyperliquidは日本から利用できますか?

アクセス自体は日本からもできます。ただし画面は英語のみで、日本語の公式サポートはありません。操作や入出金はすべて自己責任で行う点に注意してください。

取引手数料はいくらですか?

Makerが0.010%前後、Takerが0.035%前後が目安です。出金手数料は1 USDC程度、入金は無料(ガス代のETHは別途)。取引量に応じた割引や改定があるため、最新は公式ドキュメントで確認してください。

HYPEトークンとは何ですか?

Hyperliquidのネイティブトークンで、2024年11月29日に発行されました。手数料の還元・ステーキング・ガバナンスに使われます。詳細はHYPE(Hyperliquid)とは?の記事で解説しています。

Hyperliquidを使うのに何が必要ですか?

Arbitrumに対応したウォレット(メタマスクなど)、証拠金のUSDC、ガス代のETHの3つです。事前に国内取引所でETHとUSDCを用意し、ウォレットへ送っておきます。

デモトレード(練習)はできますか?

テストネットが用意されており、デモトレードができます。架空資金として一定額のUSDCを定期的に受け取れ、リスクなしで操作を練習できます。取引画面上部の「More」から「Testnet」を選びます。

レバレッジは何倍までかけられますか?

最大50倍です。ただし倍率が高いほど強制ロスカットの危険も増します。初心者は2〜3倍程度から始めるのが無難です。

現物と無期限先物の違いは何ですか?

現物は実際にトークンを売買する取引、無期限先物は満期のない証拠金取引で、価格の上昇・下落どちらにも賭けられます。先物はレバレッジを使える反面、損失も大きくなりやすい取引です。

入金したのに反映されないときは?

ArbitrumからHyperliquid L1へのブリッジには少し時間がかかる場合があります。送金先のネットワークが正しいか、トランザクションが完了しているかをウォレットやDEXの履歴で確認してください。

まだエアドロップは行われますか?

2024年のエアドロップ後も運営は供給量の一部を確保していますが、追加配布の公式発表はありません。取引や流動性提供を続けることで将来の対象になる可能性はありますが、確約されたものではありません。

利益に税金はかかりますか?

日本では仮想通貨の利益は原則として課税対象(雑所得)です。取引履歴を保存し、確定申告に備えてください。金額や状況により申告義務が生じます。

Hyperliquid(ハイパーリキッド)まとめ

Hyperliquidは、独自のL1チェーン上でCEX並みの板取引をオンチェーンで動かす分散型取引所です。本人確認なしで、無期限先物・最大50倍レバレッジ・現物取引を扱えます。

始め方はシンプルで、Arbitrum対応ウォレットを接続し、USDCを入金すれば取引を開始できます。一方で英語のみの画面、レバレッジや自己管理のリスクといったハードルもあるため、まずは少額やデモトレードで操作に慣れるところから始めるのが安全です。

ネイティブトークンHYPEのエコシステムやHyperEVMの広がりも含め、今後の動向に注目したいプロジェクトです。

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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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