2024年11月、仮想通貨界で異例の盛り上がりを見せたエアドロップがありました。分散型取引所「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」のネイティブトークン「HYPE」の配布です。配布初日から価格が急騰し、累計配布総額が数十億ドルに達したことで世界中の注目を集めました。
HYPEはただのエアドロップトークンではない。Hyperliquidが独自開発したL1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」のガバナンス・手数料・ステーキングを担う基盤トークンで、プラットフォームの成長と直接連動する設計になっています。
このページでは、HYPEの仕組み・特徴・エアドロップ詳細・購入方法・将来性まで、2026年5月時点の最新情報をもとに解説します。
HYPE(Hyperliquid)とは?
HYPE(ハイパーリキッド)は、永久先物取引に特化した分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」のネイティブトークンです。2024年11月29日、プロジェクトを運営するHyper Foundationが発行し、既存ユーザーへのエアドロップ形式で流通が始まりました。
Hyperliquidは通常のDEXと異なり、独自のL1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」を基盤とする。注文板(オーダーブック)がすべてオンチェーンに記録される点が最大の特徴で、中央集権型取引所(CEX)並みの速度を分散型環境で実現しました。
Hyperliquidプラットフォームの概要
Hyperliquidは2022年に稼働を開始した永久先物特化のDEXで、2025年時点でDEX永久先物市場においてシェアトップクラスに成長しました。取引速度はCEXと遜色なく、最大レバレッジは50倍。メイカー手数料は0%(条件によりマイナス手数料)、テイカーは0.035%と業界最安水準です。
従来のDeFi(分散型金融)が抱えていた「速度・コスト・透明性のトリレンマ」に正面から取り組んだプロジェクトとして、機関投資家・プロトレーダー双方から評価されています。
HYPEトークンの位置づけ
HYPEはHyperliquid L1のネイティブトークンとして、主に以下3つの機能を担います。
- ガス代・取引手数料の支払い通貨:HYPEを保有・ステーキングすることで手数料ディスカウントが適用される
- ガバナンス投票権:プロトコルのアップグレード・パラメーター変更などに投票できる
- バリデーター委任・ステーキング報酬:HYPEをステーキングしてネットワーク安全性に貢献し報酬を受け取る
2026年5月時点でHYPEの時価総額は上位30位以内に位置し、DEX関連トークンの中では最大規模のひとつとなっています。
Hyperliquidの特徴・強み
HyperliquidがほかのDEXと一線を画す理由は、技術スタックの独自性にある。外部チェーンに依存せず、永久先物取引に最適化された専用L1を自社開発した点が根本的な差別化要因です。
HyperBFT:独自コンセンサスアルゴリズム
HyperliquidはHyperBFT(Byzantine Fault Tolerant)と呼ぶ独自実装のコンセンサスアルゴリズムを採用する。毎秒最大100,000トランザクションの処理と、ブロック確定200ミリ秒未満を達成しており、高頻度取引(HFT)に対応できる唯一の分散型取引所とされています。
比較として、一般的なEVM系L1は約15TPS、Solanaは数千TPS程度です。桁違いのスループットを実現したことで、CEX経由でのアルゴリズム取引を志向するトレーダー層を取り込んでいます。
オンチェーンオーダーブック
通常のDEXはAMM(自動マーケットメーカー)方式を採用するため、大口取引でスリッページが発生しやすいです。HyperliquidはCEXと同様の指値・成行き注文が使えるオーダーブック方式を採用しつつ、その注文板をすべてオンチェーンに記録しています。
資金はスマートコントラクトが管理するため、取引所側による資産の不正流用が構造的に排除されています。2022年に崩壊したFTXのような「取引所による資産横領」リスクを排除した設計として評価されています。仮想通貨のセキュリティ対策の観点でも、CEXよりDEXを選ぶ理由のひとつになっています。
HyperEVM — EVM互換スマートコントラクト基盤
2025年にメインネットが稼働したHyperEVMは、Hyperliquid L1上でEthereum互換のスマートコントラクトを実行できる環境です。DeFiプロジェクトの開発者がHyperliquidチェーン上に直接dAppを構築できるようになり、エコシステムの拡張が加速しています。
MetaMaskなど既存のEVMウォレットをそのまま使えるため、Ethereumユーザーが移行しやすい環境が整っています。レイヤー2(L2)や他のEVMチェーンとのブリッジも段階的に整備されています。
HYPEトークンの役割
取引手数料とガバナンス
Hyperliquidでの取引手数料はHYPEで支払う(またはUSDCを自動換算)。HYPEを一定数量保有・ステーキングすると手数料ディスカウントが適用されます。
ガバナンス面では、HYPE保有者がプロトコルのアップグレード・新機能追加・パラメーター変更などに投票できます。2025年時点ではオンチェーンガバナンスの整備が進行中で、段階的にコミュニティへの権限委譲が進んでいます。
ステーキング・バリデーター報酬
HYPEをステーキングすることで、ネットワークのバリデーター(ブロック生成ノード)を支持し、取引手数料収益の一部を報酬として受け取れます。ステーキングはHyperliquid公式サイトから直接行えるほか、対応ウォレット経由でも実施できます。
仮想通貨ステーキングの基本的な仕組みや他チェーンとの比較については別記事で詳しく解説しています。ステーキングの利率・ロック条件はバリデーターごとに異なるため、利用前に公式ドキュメントを確認したい。
2024年11月エアドロップ
2024年11月29日、Hyper FoundationはHYPEの総供給量10億枚のうち31%(3億1,000万HYPE)を過去のHyperliquidユーザーに向けて無償配布しました。配布開始直後のHYPE価格は約3ドルから数日で20ドル超に急騰し、エアドロップの累計価値は数十億ドルに達しました。
暗号資産業界ではUniswapや1inchのエアドロップを超える規模とされ、「DEX史上最大のエアドロップ」として記録されています。
配分内訳
| 配分先 | 割合 | 数量 |
|---|---|---|
| コミュニティ(エアドロップ含む) | 31.0% | 3億1,000万HYPE |
| 将来のコミュニティ報酬(運営保有) | 38.888% | 3億8,888万HYPE |
| 開発チーム等(ロックアップあり) | 23.8% | 2億3,800万HYPE |
| Hyper Foundation準備金 | 6.0% | 6,000万HYPE |
エアドロップの受取条件
対象となったのは、2024年11月以前にHyperliquidプラットフォームで取引実績を持つウォレットアドレス。取引量・獲得ポイント数に応じた段階的配布で、アクティブユーザーほど多くのHYPEを受け取りました。
注目すべきはVCや機関投資家への先行配布(プレセール)を一切行わなかった点です。開発チームとコミュニティのみで構成される配分設計が「公平なローンチ」として高く評価され、Hyperliquidへの信頼感を大きく押し上げました。
HYPE(Hyperliquid)の基本情報
| プロジェクト名称 | Hyperliquid(ハイパーリキッド) |
| トークン名称 | Hyperliquid(ハイパーリキッド) |
| ティッカーシンボル | HYPE |
| 基盤ブロックチェーン | Hyperliquid L1(独自L1) |
| コンセンサス | HyperBFT |
| 発行日 | 2024年11月29日 |
| 総供給量 | 1,000,000,000 HYPE(10億枚) |
| 管理組織 | Hyper Foundation |
| 公式サイト | hyperfoundation.org |
| ドキュメント | GitBook(公式ドキュメント) |
HYPEの価格・チャート
取引量・TVL実績(2025年)
Hyperliquidの成長速度は著しく、2024年内にDEX永久先物市場でシェア首位を争う規模に達しました。DeFiLlamaのデータによると、2025年初頭にはTVL(Total Value Locked)が数十億ドル規模に拡大。月次取引量でも大手CEXが無視できないシェアを持つまでになりました。
取引量の拡大は手数料収入の増加に直結するため、プラットフォームの成長指標がそのままHYPEの価値に反映されます。2025年以降は対応銘柄の拡大・API機能強化・HyperEVMへのDeFiプロジェクト誘致が続いており、エコシステム全体の拡張が続いています。
競合DEXとの比較
Hyperliquidと主要な永久先物DEXを比較しました。
| 項目 | Hyperliquid | dYdX | GMX |
|---|---|---|---|
| 基盤チェーン | Hyperliquid L1(独自) | Cosmos SDK | Arbitrum / Avalanche |
| 取引形式 | オーダーブック(オンチェーン) | オーダーブック(オフチェーン) | AMM(流動性プール) |
| 最大TPS | 100,000 | 数千 | Arbitrum依存 |
| ガバナンストークン | HYPE | DYDX | GMX |
| 最大レバレッジ | 50倍 | 25倍 | 50倍 |
| テイカー手数料 | 0.035% | 0.050% | 0.070% |
| エアドロップ | あり(2024年11月) | あり | なし |
Hyperliquidの最大の優位性は、オンチェーンオーダーブックでCEX並みの速度を出せる点です。dYdXはオーダーブック方式だがオフチェーンでの処理が多く、GMXはAMM方式のためスリッページが発生しやすいです。
HYPEの買い方・購入方法
HYPEは日本国内の取引所には未上場のため、DEX経由または海外取引所経由での購入となる。仮想通貨取引が初めての場合は、まず仮想通貨の始め方で口座開設の基本を確認してほしい。
① DEX(Hyperliquid)経由(推奨)
- MetaMaskなどのEVMウォレットを準備し、ETH・USDCを入手する
- HyperliquidブリッジからUSDCをHyperliquid L1へ入金する
- Hyperliquid公式DEXにウォレットを接続する
- スポット取引画面でHYPEを購入する
購入後はHyperliquid L1ウォレット内に保管されます。詳細な手順はHyperliquid解説記事を参照してほしい。
② 海外取引所経由
Bitget・KuCoin・CoinEXなど複数の海外取引所にHYPEが上場しています。国内取引所でBTCやETHを購入後、海外取引所に送金してHYPEと交換する流れです。海外取引所の利用には本人確認(KYC)が必要な場合が多い。
HYPEを取扱う暗号資産取引所
HYPEは日本国内の暗号資産取引所には上場していない(2026年5月時点)。購入には海外取引所または直接DEXを利用する。
【日本国内の暗号資産取引所】
・未上場
【海外の暗号資産取引所・DEX】
・Hyperliquid(ハイパーリキッド)
・Bitget(ビットゲット)
・KuCoin(クーコイン)
・CoinEX(コインエックス)
など
HYPE対応ウォレット
HYPEを保管できる代表的なウォレットを挙げる。Hyperliquid L1はEVM互換のため、MetaMaskなどEVMウォレットであれば対応しています。
- MetaMask(メタマスク):最も普及したEVMウォレット。ブラウザ拡張・スマホアプリ両対応
- Trust Wallet:モバイル特化のマルチチェーンウォレット
- Coinbase Wallet:Coinbase公式ウォレット。初心者でも扱いやすい
ウォレットのシードフレーズ管理や秘密鍵の取り扱いには細心の注意が必要です。仮想通貨のセキュリティガイドでウォレットの安全な使い方を事前に確認しておくとよい。
HYPEの将来性・今後の展望
HYPEの価値は「Hyperliquidというプラットフォームの成長」と直結しています。取引量・TVL・エコシステムが拡大するほど、手数料収益と需要が増える設計です。
HyperEVMによるDeFiエコシステム拡大
2025年に本格稼働したHyperEVMにより、スポット取引・レンディング・ステーブルコイン発行など多様なDeFiサービスがHyperliquidチェーン上に集積し始めた。独立したDeFiエコシステムとして機能し始めており、Uniswap・Aaveといった既存プロトコルのHyperEVM版デプロイも相次いでいる。
機関投資家・プロトレーダーの参入
CEX並みの取引速度と完全オンチェーンの透明性が評価され、2024年後半から機関投資家のHyperliquid利用が急増しました。APIによるアルゴリズム取引への対応強化・対応銘柄の拡充・法人向け機能の追加がロードマップに盛り込まれており、プロフェッショナル層の取り込みが続く見通しです。
投資リスク・注意点
HYPEへの投資には以下のリスクが伴う。購入前に十分な理解が必要です。
- 集中リスク:Hyper Foundationが総供給量の38.888%を保有。将来的な売り圧力に注意
- スマートコントラクトリスク:DEXはコントラクトの脆弱性によるハッキングリスクを常に抱える
- 国内未上場:日本の金融庁認可取引所では取り扱いなし。海外取引所利用時は自己責任で規制・税務を確認すること
- 高ボラティリティ:発行間もないトークンのため価格変動が激しい。余裕資金での投資が基本だ
- 規制リスク:海外DEXへの各国規制強化の動向次第では利用制限が生じる可能性がある
HYPE(Hyperliquid)関連リンク
・Hyperliquid公式サイト
・公式ドキュメント(GitBook)
・Hyperliquid公式X(Twitter)
・Hyperliquid公式Telegram
・Hyperliquid公式Discord
・GitHub
よくある質問(FAQ)
HYPEとは何ですか?
HYPE(ハイパーリキッド)は、分散型取引所Hyperliquidのネイティブトークンです。取引手数料の支払い・ガバナンス投票・ステーキング報酬の3機能を担います。2024年11月29日にHyper Foundationが発行し、エアドロップ形式で流通が始まりました。
Hyperliquidはどんなプラットフォームですか?
Hyperliquidは永久先物取引に特化した分散型取引所(DEX)です。独自のL1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」とHyperBFTコンセンサスアルゴリズムにより、毎秒最大100,000トランザクション・ブロック確定200ms未満を実現しています。注文板がすべてオンチェーンに記録される透明性の高さも特徴のひとつです。
HYPEのエアドロップはいつ実施されましたか?
2024年11月29日に実施されました。総供給量10億HYPEのうち31%(3億1,000万HYPE)が過去のHyperliquidユーザーに無償配布されました。配布直後に価格が3ドルから20ドル超に急騰し、DEX史上最大規模のエアドロップとして記録されています。
HYPEを日本国内の取引所で購入できますか?
2026年5月時点では日本国内の金融庁認可取引所には上場していません。購入するにはHyperliquid公式DEXまたはBitget・KuCoinなどの海外取引所を利用する必要があります。
HYPEのステーキングはどこでできますか?
Hyperliquid公式サイト(app.hyperliquid.xyz)から直接ステーキングできます。MetaMaskなど対応ウォレットを接続し、バリデーターにHYPEを委任する形式です。ステーキング報酬は取引手数料収益の一部から支払われます。
HyperEVMとは何ですか?
HyperEVMはHyperliquid L1上でEthereum互換のスマートコントラクトを実行できる環境です。2025年にメインネットが稼働し、DeFiプロジェクトの開発者がHyperliquidチェーン上に直接dAppを構築できるようになりました。MetaMaskなど既存のEVMウォレットをそのまま使用できます。
HYPEの総供給量はいくつですか?
総供給量は10億HYPE(1,000,000,000 HYPE)です。うち31%がコミュニティエアドロップ、38.888%が将来のコミュニティ報酬として運営側が保有、残りが開発チームとFoundation準備金に割り当てられています。
HyperliquidとdYdX・GMXの違いは何ですか?
Hyperliquidはオーダーブック方式かつオンチェーン処理で最大100,000TPSを達成しています。dYdXはオーダーブック方式ですがオフチェーン処理が多く、GMXはAMM方式のためスリッページが発生しやすいです。テイカー手数料はHyperliquidが0.035%と最安水準です。
HYPEを購入するには何が必要ですか?
DEX経由の場合、MetaMaskなどのEVMウォレットとUSDC・ETHが必要です。海外取引所経由の場合は国内取引所でBTC・ETHを購入後、海外取引所に送金してHYPEと交換します。いずれも本人確認(KYC)が必要な場合があります。
HYPEの将来性はどう評価されていますか?
Hyperliquidプラットフォームの成長と直結しているため、取引量・TVLの拡大がHYPE価値に反映されます。HyperEVMによるDeFiエコシステムの拡大・機関投資家の参入継続・対応銘柄の増加が中長期の成長材料として注目されています。一方で、運営側の大量保有・海外DEX規制リスク・価格ボラティリティには注意が必要です。
まとめ
HYPEはHyperliquidという独自L1を持つ高性能DEXのネイティブトークンです。2024年11月のエアドロップで一躍注目を集め、2025〜2026年にかけてDEX永久先物市場でのシェア拡大・HyperEVMによるエコシステム形成が続いています。
国内未上場で購入ハードルはやや高いが、DEX・DeFiに関心があるユーザーにとっては注目度の高いトークンのひとつです。リスクを正しく把握した上で、自身の資産状況に合わせた判断をしてください。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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