SHIBチーム、BONEのブリッジを担う「Plasma Bridge」を再稼働|セキュリティ強化を軸に再出発

SHIBチーム、BONEのブリッジを担う「Plasma Bridge」を再稼働|セキュリティ強化を軸に再出発(SHIB Team Relaunches “Plasma Bridge” for BONE Transfers — Strengthened Security Marks a Fresh Start)
目次

ブリッジ機能を「より強固で安全な構造」に刷新

シバイヌ(Shiba Inu/SHIB)開発チームのKaal Dhairya氏は2025年10月14日に、SHIB関連のイーサリアムL2「Shibarium」のガス代などで使用される仮想通貨BONEのブリッジ機能を担う「Plasma Bridge」が再稼働したことを発表しました。

Plasma Bridgeは、EthereumShibariumブロックチェーン間で暗号資産を安全に移動させるためのブリッジ機能であり、ユーザーが両チェーン間でBONEなどのトークンを移動するための重要な機能となっています。

Shibariumでは今年9月にフラッシュローン攻撃(*1)と呼ばれる不正アクセス事件が発生し、ETH・SHIB・KNINE・LEASH・ROAR・USDC・USDT・TREATなど410万ドル相当の暗号資産が盗まれたため、被害拡大を防ぐためにPlasma Bridgeの機能が一時停止されていましたが、今回はこのブリッジ機能を“より強固で安全な構造”に刷新して再稼働したことが報告されています。


(*1)フラッシュローン攻撃:無担保で多額の仮想通貨を借りられる「フラッシュローン」の仕組みを悪用して、暗号資産の窃取や価格操作を行うサイバー攻撃のこと。2025年9月にShibariumで発生した攻撃では「フラッシュローンで借りた460万BONEを用いてバリデーターの3分の2の署名権限を一時的に掌握し、ブリッジから資産を引き出す」という手法が取られた。

複数の安全強化措置を実施

SHIBチームは今回の事件発生を受けて、複数のブロックチェーンセキュリティ企業と協力しながら徹底的な監査・コード検証・再設計を実施しており、今回のブリッジ再稼働でも徹底的なセキュリティレビューと複数の安全強化措置を実施したことが報告されています。

ブラックリスト機能の導入

安全強化措置の1つとして挙げられるのが「ブラックリスト機能の導入」で、ブリッジレイヤーで不審なアドレスを即座に検出・遮断できる仕組みを新設し、過去に不正行為を行ったウォレットや、既知の攻撃パターンを持つアドレスを自動的にブロックする仕組みが実装されています。

これにより、攻撃者が別アドレスを使って再度悪用を試みるリスクが大幅に削減されています。SHIBチームはこれを「プロアクティブなセキュリティ(能動的防御)」と位置づけ、今後の標準仕様として他トークンにも適用していく方針を示しています。

7日間の出金遅延で「監視と対応の余裕」を確保

もう一つの大きな変更点としては「7日間の出金遅延期間(ファイナライズ期間)を設けた点」が挙げられます。これによって、ユーザーがBONEをブリッジ経由で出金する際には、最終確定までに1週間の“チャレンジ期間”が発生する仕組みが導入されました。

この期間中は運営やセキュリティチームが不審な動きを監視するため、異常や不正な動きが検出された場合に対応することが可能となります。

徹底した品質検証と外部監査

Plasma Bridgeの再稼働前には、以下のような複数段階のテストと監査が行われたとも報告されています。

  • 各機能単体を検証するユニットテスト
  • ネットワーク環境を変化させたシミュレーションテスト
  • 公開テストネット「Puppynet」での負荷検証
  • 短期ストレステストと長期安定性テストによる多時間軸分析
  • 外部企業「Hexens」による第三者レビュー

Ethereum ⇄ Shibarium間のBONEブリッジ方法

Plasma Bridgeが再稼働したことによって「Ethereum ⇄ Shibarium間のBONEブリッジ」が再び両方向で可能となりました。

これはユーザー・バリデータ・流動性提供者にとって重要な経路の回復を意味するものであり、保護体制を維持しつつ利便性を取り戻すことができると期待されています。

新しくなったPlasma Bridgeにおけるブリッジ操作の流れについては以下のように説明されています。

  1. 送信元チェーンでBONEをデポジット
  2. 出金ファイナライズまでの7日間のチャレンジ期間
  3. 遅延期間終了後にファイナライズ&出金

⚠️公式発表されたエンドポイントのみを使用し、シードフレーズや秘密鍵は絶対に共有しないでください。

KNINEトークンのバウンティと今後の補償

今回の発表では、K9 DAOによる「5 ETHの報奨金プログラム」が期限切れとなったことも報告されています。

Shibariumチームは事件発生時に攻撃者に対して「5 ETHの返還報奨金」を提示していましたが、攻撃者はこれを無視したため、流出したKNINEトークンはブラックリスト化されたまま使用不能になっているとのことです。

5 ETHの報奨金プログラムは期限切れとなったものの、SHIBチームはユーザー保護のために「最終的な条件付き報酬金(額未定)」を新設するとのことで、「これはすべてのKNINEトークンを完全に返還する場合にのみ適用されるもので、一部返還では報奨金対象外、法的機関と協調の上で進められる予定」と説明されています。

また、影響を受けたユーザーには公平で透明な返済プログラムも実施される予定で、詳細は今後正式に発表されるとも報告されています。

Kaal Dhairya氏は公式発表の中で「Plasma Bridgeの再稼働はShibariumのインフラを強化するための重要なステップである」と述べており、「ネットワークを強固にするための長期的な構築期間中にチームを信頼して耐え、サポートしてくれたコミュニティに感謝する」とも語っています。

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source:Kaal Dhairya氏の報告
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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