リップル、GTreasuryを10億ドルで買収|企業財務のリアルタイム運用を実現へ

リップル、GTreasuryを10億ドルで買収|企業財務のリアルタイム運用を実現へ(Ripple acquires GTreasury for $1 billion to enable real-time corporate treasury operations)
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リップル、GTreasury買収で企業財務の効率化を推進

Ripple(リップル)社は2025年10月16日、企業財務管理システム大手「GTreasury(ジートレジャリー)」を10億ドル(約1,500億円)で買収すると発表しました。

GTreasury社は40年以上にわたり、世界的企業の財務運営を支援してきた老舗企業で、この買収により、リップル社は120兆ドル(約1.8京円)規模の企業財務市場に本格参入し、Fortune 500企業をはじめとする大手企業を顧客基盤に取り込む見通しです。

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは「長年、資金は旧式の決済システムに滞留し、不必要な遅延や高コスト、新規市場参入の障壁を生んできた。しかし、ブロックチェーン技術こそがこれらの問題を解決できる」と述べています。

さらに同氏は「GTreasury社の強みを組み合わせることで、財務チームが”眠っている資金(トラップドキャピタル)”を活用し、支払いを即時処理して新たな成長機会を創出できる」と強調しました。

本日、リップルはGTreasuryを10億ドルで買収し、120兆ドル規模の企業向けトレジャリーペイメント市場に本格参入しました。

ここ数年、この業界が改めて示しているのは、仮想通貨とブロックチェーンの最も重要なユースケースは「決済」であるということです。まさにこの理由から、リップルは決済分野から事業をスタートしました。

決済インフラは複雑で分断され、非効率な部分が多くありますが、分散型金融技術の恩恵を受けるには絶好の領域でもあります。(中略)

チャンスはすでに目の前にあり、私たちはその最前線に飛び込んでいます。まさに、今がその瞬間です。

リップルが描く24時間稼働のグローバル財務

眠る企業資金を活用するリアルタイム決済

公式発表によると、リップル社は今回のGTreasury社買収により、企業財務で未活用の資金を迅速に運用するとともに、24時間365日稼働する決済ネットワーク上で国際送金を行える環境を整備することを目指しています。

具体的には、プライムブローカー企業Hidden Roadを通じて世界規模のレポ市場にアクセスし、短期運用資金から収益を得る仕組みを構築するほか、24時間365日対応のリアルタイム国際送金を実現し、コスト削減と業務効率化を図ることが含まれています。

買収統合による財務最適化と即時決済

デジタル資産の活用が進む中、Fortune 500企業の最高財務責任者(CFO)や財務担当者は、ステーブルコインやトークン化預金など、企業の資金をデジタル資産で大規模に管理する必要性が高まっています。

リップル社によるGTreasury買収は、企業向けデジタル資産インフラと数十年にわたる財務管理の専門知識を融合させ、顧客企業が資金をリアルタイムで移動・管理し、流動性を最大限に活用できるよう支援する方針を示しています。

リップル社とGTreasury社は、今回の統合によって顧客企業に対し次のようなメリットを提供する計画です:

  • 眠っている資金の活用:プライムブローカー「Hidden Road」を通じて世界規模のレポ市場に資金を振り向け、短期資金から利息収入を獲得
  • 資金移動の即時化:24時間365日稼働のネットワーク上でリアルタイムの国際送金を可能にし、競争力のあるレートで決済を実行

GTreasury社のルナート・ヴァー・イークCEOは次のように述べ、今回の買収による企業資金の活性化への期待を示しました。

この買収は財務管理にとって画期的な瞬間であり、当社がこれまで世界中の企業に提供してきた機能豊富な財務ソリューションとリップル社の速度・グローバルネットワーク・デジタル資産ソリューションを組み合わせることで、資金管理から資金の活性化へとビジョンを加速することができます。

当社のキャッシュフロー予測・リスク管理・コンプライアンス基盤とリップル社の高速な国際送金網やデジタル資産技術を融合することで、財務担当者が新時代のデジタル経済において流動性・決済・リスク管理を包括的に行えるようになります。

リップル、グローバル提携で金融基盤を強化

リップル社はGTreasury買収に加えて、世界各地での戦略的提携も加速させています。

南アフリカAbsa銀行と仮想通貨カストディで提携開始

10月15日には、南アフリカの大手銀行「Absa(アブサ)銀行」と戦略的パートナーシップを締結し、同行の顧客向けに仮想通貨のカストディ(資産保管)サービスを提供すると発表しました。

この提携はリップル社にとってアフリカ初の大規模なカストディ契約であり、新興市場で高まる安全かつコンプライアンス対応のデジタル資産インフラ需要が背景にあると説明しています。

バーレーン金融機関にRLUSDを提供開始

さらに10月9日には、中東バーレーンの官民合同フィンテック促進機関「Bahrain Fintech Bay(BFB)」との提携も発表されました。

この協業により、リップル社は同国のデジタル資産エコシステムにドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を統合し、バーレーンの金融機関にデジタル資産のカストディソリューションを提供していく計画です。

これらの買収や提携の動きは、仮想通貨ソリューションを伝統的な金融システムに統合しようとするリップル社の戦略の一環であり、国際銀行間ネットワークSWIFTへの挑戦にもつながる取り組みとして注目を集めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.20 円)

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Source:Ripple公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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