Tria、アジア展開で200万人超に決済提供
次世代型Web3ウォレット「Tria(トリア)」は2025年10月22日、IDインフラ企業Billions Network(ビリオンズ・ネットワーク)との戦略的提携を発表しました。
この提携により、TriaはBillions Networkが保有する200万人以上の本人確認済みユーザーに対して、Web3ウォレットを中心とした金融サービスを提供できるようになりました。
Billions Networkはアジア市場、特に中華圏で多数のユーザーを有しており、今回の提携によりTriaはこれまでアクセスが難しかった地域にもサービス提供が可能となります。
Triaウォレットの特徴
TriaとBillions Networkが構築する次世代Web3決済網
zkKYC導入で実現する本人確認と匿名性
今回の提携の背景には、プライバシー保護と規制遵守(コンプライアンス)の両立という課題への対応があります。
Tria公式X(旧Twitter)では「当社はコンプライアンスとプライバシーを対立するものとは考えておらず、両立可能な仕組みの構築を進めてきた」と述べ、Billions Networkとの提携により、ゼロ知識証明技術を用いたKYC(本人確認)基盤「zkKYC」を実用化したことを明らかにしています。
At Tria, we don’t treat compliance and privacy as opposites – we built them to coexist.
That’s why we partnered with @billions_ntwk to bring zkKYC into production – zero-knowledge identity infrastructure powering the entire Tria neobank.
🔒 No data stored
🔑 No documents shared… https://t.co/1aBHYJmxz3— Tria (@useTria) October 22, 2025
Triaでは、コンプライアンスとプライバシーを相反するものとは考えていません。私たちは、両者が共存できる設計をしています。
(攻略)
これにより、ユーザーデータを保存せず書類提出も不要で本人確認が可能となり、プライバシーを保護しながら規制要件を満たす決済の実現が可能になります。
200万人超のユーザー基盤とTriaのVisa連携
Billions Networkは200万を超える認証ユーザーと実績あるゼロ知識証明インフラを有し、その技術はすでにHSBCやドイツ銀行などの大手銀行やScrollといった大手企業にも導入されています。
一方、Triaはクロスボーダー対応のWeb3バンキングプラットフォームで、ユーザーが自己管理できる仮想通貨(暗号資産)口座やAIによるトレード最適化機能を提供しています。
また、Visaブランドの提携カードを発行しており、世界中の加盟店で利用可能なうえ、送金時のガス代や秘密鍵(シードフレーズ)の管理も不要という利便性を実現しています。
この提携により、Billions NetworkのユーザーはTriaの口座開設からカード利用までシームレスに手続きでき、Tria側は堅牢なzkKYC基盤を通じて各国の規制に準拠したサービス提供が可能になります。
ゼロ知識証明を活用したKYCのメカニズム
zkKYC(ゼロ知識KYC)とは、ゼロ知識証明技術を活用した新しい本人確認手法です。利用者は年齢や居住国といった必要な属性を暗号学的に証明するだけで、詳細な個人情報そのものは開示せずに済みます。
発表によると、Billions NetworkはこのzkKYC技術を活用し、ユーザーのデータを企業側に提供せずに本人確認を完了できる仕組みを実現しています。
Triaとの統合により、ユーザーは一度zkKYCで認証すれば複数のサービスで繰り返し本人確認する手間が省け、両社のユーザーにとってプライバシーを重視した迅速なオンボーディングが可能になると説明しています。
両社の提携がもたらす金融体験の進化
発表の中で両社は「今回の提携は始まりに過ぎない」としており、今後数週間でさらなる展開を予定しています。
具体的には、Billions Networkのユーザー向けにキャッシュバック特典やAMA(経営陣との質疑応答)の開催、Triaの新規金融商品(貯蓄口座や先物取引など)への早期アクセス提供などが計画されています。
また、Triaは高度なゼロ知識技術を駆使しつつ既存のコンプライアンス枠組みを橋渡ししながら、真に自己主権型の金融インフラ構築を目指しています。
両社の協業により、プライバシー保護と規制遵守を両立させた暗号資産決済という新たなモデルが現実化しつつあり、業界関係者からは「これこそ大規模普及への青写真だ」との評価も上がっています。
みんなの銀行、Web3ウォレットを検討
Tria、国際戦略強化に向け資金調達を実施
Triaは10月14日、1,200万ドル(約18億円)の資金調達を実施したことも明らかにしています。
この資金調達ラウンドにはP2 Venturesやアプトス(Aptos/APT)など複数の著名な企業や投資家が参加しており、Triaの自己管理型ネオバンクというビジョンへの強い支援を示すものとなりました。
こうした動きを背景に、Triaは人間とAIの双方に対応するグローバル金融プラットフォームの構築をさらに加速させています。
Triaが発行する仮想通貨対応Visaカードは、すでに世界150か国以上で利用可能で、1,000種類を超えるトークンに対応するなど、サービスの国際的な広がりを示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.58 円)
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Source:Billions Network公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用



























