MEXC資金凍結が引き金、DEX支持広がる兆し
大手仮想通貨取引所MEXCが、ユーザーのアカウントをリスク審査の名目で凍結し、300万ドル(約4.6億円)相当の資金へのアクセスを制限したことで、コミュニティ内で批判が相次いでいます。
トレーダーであるホワイト・ホエール氏は自身のX(Twitter)で「アカウントが誤って凍結対象に指定された」と主張しており、10月20日にMEXCのCSOであるセシリア・シュエ氏とビデオ会談したにもかかわらず、10日経過しても資金は凍結されたままだと明かしました。
MEXC Update
On October 20th, I had a one-hour call with @cecilia_hsueh, who has publicly taken on the role of trying to resolve the @MEXC_Official issue.
I started the call with my camera on – something that apparently surprised her. I told her I had nothing to hide. I prefer… pic.twitter.com/h3uiqaJSdq
— The White Whale (@TheWhiteWhaleV2) October 29, 2025
ホワイト・ホエール氏の主張
・10月20日、MEXC問題解決に関わるシュエ氏と1時間の通話
・MEXCは「ルール違反の証拠がある」と主張し、資金を返す条件として私に「ルールを破ったと公言する」ことを求めた
・シュエ氏が示した違反の証拠は4月の取引の2件が同じ秒に成立した記録だが、私は手動取引でVPNの遅延が原因の可能性があると説明
・私は「ルール違反はしていないし、真実だけを話す」と伝えた
・通話では、MEXCの旧リスク管理システムの問題点(透明性の欠如・長期放置)について共通認識を得た
・その後フォローアップの約束はあったが、10日以上経過しても進展なし
・公的圧力がMEXCに影響を与えているが、私は事実に基づいた対応のみを貫く姿勢
このホワイト・ホエール氏の投稿に対してシュエ氏が「300万ドルの資金はコミュニティに配分する準備ができている」と発言し、さらなる波紋を呼んでいます。
Frankly, I’m quite disappointed by the way you’ve chosen to twist the truth. Having influence in the community doesn’t give you the right to distort facts or mobilize users against us. I never asked you to “sell your voice.” What I repeatedly emphasized was simple, tell the…
— Cecilia Hsueh (@cecilia_hsueh) October 29, 2025
セシリア・シュエ氏の主張
・ホワイト・ホエール氏に事実を歪めて広めたり、ユーザーを動員する権利はない。「正直に事実を伝えること」が重要
・4月の一例だけでなく、取引ルール違反の判断は完全かつ検証済みのデータに基づくもので、単なるVPN遅延では説明できない。必要であれば第三者による証明も可能
・問題解決のため、社内複数チームと調整し、自発的に対応した。CSOとして本来の役割ではないが、ユーザーの利益のために動いた
・複数の解決策を提案したが合意に至らず、問題解決間近にあなたが公に投稿したことは残念
・これはお金の問題ではなく、MEXCはコミュニティ向けの300万ドル資金を用意する準備がある
こうした動きを受け、SNS上ではMEXCへの批判が相次ぎ「資金をCEX(中央集権型取引所)に置くな、オンチェーンで取引せよ」といった声が上がるなど、DEX(分散型取引所)への移行を促す動きも広がっています。
DEX(分散型取引所)とは
300万ドル凍結問題でMEXCに批判殺到
ホワイト・ホエール氏の口座凍結とその経緯
ホワイト・ホエール氏によれば、7月にMEXCは同氏のアカウントを事前通知なしで一時停止し、310万ドル(約4.7億円)相当の資金を凍結しました。
同氏は利用規約違反がないにもかかわらず、凍結解除の条件として「12か月間の審査期間」が提示されたと訴え、「何の更新もないまま12か月も審査とは何か」と問題視しました。
ホワイト・ホエール氏は「業界の上位トレーダーは”稼ぎすぎ”で罰せられる」と指摘し、多数のユーザーが同様の口座凍結被害に遭っていることを報告しています。
さらに同氏は「利益を上げすぎたことが唯一の”罪”だ。私は犯罪者ではない」とMEXCを強く非難し、凍結された資金を解放することを条件に200万ドル(約3億円)のSNS圧力キャンペーンを開始しました。
MEXCの主張とトレーダーの反発
一方、MEXC広報は「口座凍結はリスク管理ルールによる措置で、収益性とは無関係」と説明し、凍結対象ユーザーには高度な本人確認を義務付けていると述べています。
同社は「12か月の審査は重大な不正行為が疑われるアカウントに限定される」と強調しています。
これに対し、ホワイト・ホエール氏はインタビューで「唯一容認できる解決策は資金の即時返却だ」と述べ、MEXCが勝手にルールを変更したとして強く批判しました。
SNSで拡大するMEXC批判と抗議活動
トレーダーであるクリプト・バイキングス氏がXの投稿で、MEXCを「CEXマフィア」と称して批判するなど、ユーザーの怒りが噴出しています。
同氏は「MEXCでは負ければ資金を奪い、勝っても理由をつけて資金を奪う」と痛烈に批判しました。
他のトレーダーも原因不明の口座凍結被害を訴えており「稼ぎすぎた者が罰せられる」といった声が上がっており、CEXから資金を引き揚げ、DEXで取引すべきだという意見が相次いでいます。
過去にもMEXCで多数の資産凍結
dYdXが累計1.5兆ドル達成、DEX市場が本格成長
今回のMEXC騒動をきっかけに、DEX(分散型取引所)市場への関心が一層高まっています。
こうした流れの中で累計取引高1.5兆ドル(約180兆円)を突破した「dYdX」に注目が集まっています。
dYdXは年内にも米国市場に参入する予定で、参入時にはソラナ(SOL)上場銘柄の現物取引を提供するとともに、手数料を現行の半分程度に引き下げる方針です。
市場データによれば、2025年6月には主要CEXの取引量に占めるDEXの割合が約30%に達しており、2024年以降も増加基調が続いています。
こうした背景を受け、CEXへの不信感が強まる中で、ユーザー自ら資産を管理できるDEXへの移行がさらに進む可能性が指摘されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.83 円)
DEX関連の注目記事はこちら
Source:ホワイト・ホエール氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像





























