キャシー・ウッド氏「BTCは金を超える」
2025年12月9日、米投資会社ARK Invest(アーク・インベスト)のCEOであるキャシー・ウッド氏がFOXビジネスの番組インタビューで、「ビットコイン(BTC)が従来の4年サイクルによる弱気相場を機関投資家の流入によって回避しつつある」との見解を示しました。
ウッド氏は、過去数年でビットコインの価格変動性が大きく低下しており、市場参入を始めた大口機関投資家の存在が今後の大幅な下落を抑えるだろうと指摘しています。
さらに、同氏は「ビットコインが2026年には金(ゴールド)を上回るパフォーマンスを示す可能性がある」とも述べました。
その背景として、年初来で約60%上昇している金が地政学リスクへのヘッジ手段として買われる一方で、投資家の不安が根強い中でもビットコインは「壁をよじ登るように上昇している」とウッド氏は指摘しています。
BTC予測「120万ドル」に修正
ビットコインが変える投資の常識と新時代
4年周期の変化と機関投資家の影響力
ビットコインには半減期に伴う4年周期で強気・弱気相場が巡る傾向があるとされますが、ウッド氏はそのパターンが「機関投資家の参入」で崩れつつあると分析しています。
実際、10月にかけて過去最高値を更新したビットコインは約30%急落した後、11月下旬には80,000ドル(約1,250万円)の大台を維持しており、ウッド氏はこうした下値の堅さに大口資金の流入効果が表れていると指摘しました。
このような見方は他の専門家の間でも広がっており、米Bitwise社CIOのマット・フーガン氏も「2026年は上昇年になる」と予想しています。
フーガン氏は、半減期の影響力低下や規制環境の整備進展によって、ビットコイン市場の成長サイクルが従来より持続的になるとの見解を示しました。
AI時代におけるリスク資産としてのビットコイン
ウッド氏は世界が「AI時代」の生産性ブームに入る中、リスク資産の優位性が高まると考えており、2026年にはビットコインが金を上回るパフォーマンスを示すだろうと改めて予測しました。
同氏はその根拠として、2025年の金価格が地政学リスクを背景に年初来約60%高と記録的な上昇を遂げている一方、過去の1980~90年代の技術革新期には金相場がピーク後に下落へ転じた事例を挙げています。
ウッド氏はこうした過去の流れを踏まえ、AIを中心とした「歴史的な生産性向上」の局面でも投資マネーの流れが変化し、伝統的な安全資産である金よりもビットコインが大きな恩恵を受ける可能性があると指摘しました。
「BTCは唯一無二で最大の存在に」
2025年末のBTC価格と市場心理の変化
直近のビットコイン相場は、年末を前に9万2,500ドル(約1,450万円)前後で推移しており、2025年には一時12万6,000ドル(約2,000万円)を超えて過去最高値を更新しています。
しかし10月には、米国の対中関税発表を受け市場全体が急落し、仮想通貨市場で約190億ドルのロスカット(強制清算)が発生しました。
その後11月も弱含みの展開が続いたものの、悲観的なオプション取引が後退するなど市場心理は徐々に持ち直し、年末にビットコインが80,000ドル(約1,250万円)を割り込むとの懸念も和らいでいます。
依然として年間ベースでの下落リスクは残るものの、ビットコインETFへの機関マネー流入は底堅く、長期的な強気見通しは揺らいでいないとの指摘もあります。
来年に向けて金融緩和や景気回復の行方にも注目が集まる中、ビットコインが「デジタルゴールド」として価値をさらに高めるかどうか、市場の関心が高まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.66 円)
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Source:FOXビジネスインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像

























