ドル流動性とビットコイン価格の関係を示すマクロ構造
2026年1月6日、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏は、ドル供給の拡大局面を背景に、ビットコイン(BTC)を含む一部の仮想通貨価格が押し上げられる可能性があるとの見解を示しました。
ヘイズ氏は自身のブログで、米国がベネズエラの豊富な石油資源を地政学的に活用し、財政出動と通貨供給(ドル)の拡大を伴う景気刺激策を進めている点に言及しています。
その結果として、米国の名目GDP(国内総生産)およびドル流動性が大幅に拡大し、余剰資金がリスク資産である仮想通貨市場へ流入しやすい環境が形成されているとの認識を示しました。
2026年は新たな成長フェーズへ
米国の石油戦略とドル供給が仮想通貨市場に与える影響
選挙を見据えた米国の経済・物価政策
ヘイズ氏によると、トランプ米大統領率いる政権は、選挙を見据えた政策運営の中で、経済活動の下支えとインフレ圧力の抑制という2つの政策目標を同時に掲げているといいます。
その中でも、有権者の生活実感に直結する要素として「エネルギー価格の動向」が強く意識されており、特にガソリン価格の安定が政権運営上の重要な判断軸になっていると指摘しました。
ヘイズ氏は「米国では自家用車なしに労働者の生活は成り立たない」との前提を示した上で、ガソリン価格を引き下げるための現実的な選択肢として、ベネズエラの石油資源を事実上管理下に置く戦略が採用されていると述べています。
さらに、米軍による介入を通じてマドゥロ大統領が拘束され、同国の石油利権を掌握するに至った経緯に言及し、これを「米国による平和の下で進行するベネズエラの植民地化」と表現しました。
米国がベネズエラの石油供給を実質的に管理できる状況となれば、原油の増産を通じてガソリン価格が低下し、エネルギーインフレを抑制する余地が生じるとしています。
地政学リスクとしてのベネズエラ問題
ただし、こうした米国の動きについては、サウジアラビアやロシア、中国といった主要産油国・大国の対応次第で、国際原油市場に影響を及ぼす可能性があるとヘイズ氏は述べています。
同氏は、原油価格を各国の戦略的意図を最も端的に映し出す「真実の血清」と位置づけ、米国によるベネズエラ介入に対し、各国がどのような姿勢を示すのかを読み解く上で、原油相場の動向を注視すべきだと述べました。
仮に主要産油国が減産によって対抗し、原油価格が急騰する局面となれば、米国は金融緩和のペースを調整せざるを得なくなる可能性があります。
一方で、原油価格が抑制された状態が維持される限り、トランプ政権は積極的な財政出動と金融緩和を組み合わせた景気刺激策を継続でき、その結果としてドル流動性の拡大が続くとの見方を示しています。
ドル流動性とビットコイン市場の関係
これらの政策環境を踏まえ、ヘイズ氏はドル供給拡大が続く局面におけるビットコイン市場の動向に言及しています。
同氏は、ビットコインを「純粋な金融抽象体」と位置づけ、エネルギー価格そのものがビットコインの価値を直接的に左右する要因ではないと指摘しました。
マイニングにエネルギー消費を伴う点から、原油高はビットコインに不利に働くとの見方もありますが、ヘイズ氏は、原油価格そのものではなく、価格変動が各国の金融政策に与える影響が重要だとの認識を示しています。
極端なインフレを招かない範囲で経済活動が活発化し、かつ金融緩和によるドル供給拡大が継続する局面では「ドル流動性の増加がビットコインや特定の仮想通貨価格を押し上げる」とヘイズ氏は述べています。
米国の政策運営と市場の資金環境
さらに、米国政府および議会が、経済成長とインフレ抑制の両立を掲げる中で、財政赤字の拡大や中央銀行による国債買い入れを継続した場合、ドル供給が高水準で推移し得るとしています。
その結果、仮想通貨市場を取り巻く資金環境に変化が生じる可能性があるとの見解をヘイズ氏は示しました。
同氏はX(旧Twitter)上でも、米国によるベネズエラの石油支配が、ビットコインにとって「ポンプ(価格急騰)」の合図になり得ると投稿しており、このマクロ構造がビットコイン高騰を導くシナリオであることを強調しました。
2026年仮想通貨市場の上昇シナリオ
米国主導で進む仮想通貨市場の制度化と資金流入
伝統金融と仮想通貨市場の接点が拡大
直近の仮想通貨市場では、米国における規制環境の改善を背景に、主流金融機関の参入が進んでいます。
2026年1月6日には、米銀大手モルガン・スタンレーが、ビットコインおよびソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)を対象とした現物型ETFを、SEC(米証券取引委員会)に申請したことが明らかになりました。
トランプ政権下で進む規制の明確化がこうした動きを後押ししており、デジタル資産市場は従来の仮想通貨投資家層にとどまらず、伝統的金融市場の投資家層へと裾野を広げつつあります。
ビットコイン相場を巡る期待と慎重姿勢
ビットコイン価格は、2025年10月に過去最高値となる12万6,000ドル(約1,980万円)超を記録した後、年末にかけて8万ドル(約1,250万円)台まで調整しましたが、記事執筆時点では約9万1,000ドル(約1,430万円)の水準で推移しています。
市場では、規制緩和を追い風とした機関投資家需要の拡大や、ビットコインを大量に保有する企業の存在感が注目される一方で、株式市場の高バリュエーション、地政学リスク、金融政策の転換点といった不透明要因も意識されています。
こうした状況から、2026年の仮想通貨市場の先行きについては、引き続き慎重な見極めが求められる局面となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.01 円)
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Source:アーサー・ヘイズ氏ブログ
サムネイル:AIによる生成画像























