「DeFiって最近よく聞くけど、正直よくわからない」という方は多いのではないでしょうか。銀行がなくても金融サービスが使えると言われても、具体的に何がどう変わるのかイメージしにくいのは無理もありません。
DeFi(ディーファイ)とは、ブロックチェーン上のプログラムが銀行の代わりとして機能する分散型金融の仕組みです。2020年に一気に広まり、2026年現在もソラナやアービトラムを舞台に市場の拡大が続いています。日本でも金融庁が制度整備を進めており、今のうちに基本だけでも押さえておきたい分野になってきました。
この記事では、DeFiの基本的な仕組みから種類・リスク・始め方・最新動向まで、初心者がつまずきやすいポイントをひと通り解説します。
DeFi(ディーファイ)とは?一言でわかる分散型金融の意味
DeFiとは「Decentralized Finance(ディセントラライズド・ファイナンス)」の略で、日本語では「分散型金融」と訳されます。読み方は「ディーファイ」です。「Decentralized(分散型)」とは管理者が一か所に集中していない状態を指す言葉で、銀行や証券会社のような中央の管理者を介さずに金融サービスが動く仕組みがDeFiの根幹にあります。
「銀行をプログラムに置き換えた」とはどういうことか
DeFiをひと言で表すなら、「銀行がやっていた仕事をプログラムに任せた金融システム」です。通常、お金を借りるには銀行の審査を受け、利子を銀行に支払います。DeFiではこの「銀行」にあたる部分をブロックチェーン上のプログラム(スマートコントラクト)が自動で処理するため、人間の許可や判断を挟まずにプログラムのルール通りに貸し借りや取引が完結します。
インターネット環境さえあれば世界中のどこからでも、銀行口座がなくても、24時間365日いつでも利用できる点がDeFiの大きな特徴です。
DeFiが生まれた背景|従来の金融システムの何が問題だったのか
ブロックチェーン技術が注目されるようになった背景には、従来の金融システムが長年抱えてきた構造的な問題があります。
中央集権型金融(CeFi)が抱えていた5つの限界
従来の金融システム(CeFi=Centralized Finance)の課題は、大きく次の5点に整理できます。
| 課題 | 具体的な問題 |
|---|---|
| 高い手数料 | 送金・為替手数料が高く、海外送金は数日かかることも |
| 営業時間の制約 | 平日昼間しか使えないサービスが多い |
| 地理的な格差 | 銀行口座を持てない人が世界に約14億人存在する |
| 不透明な運用 | 金融機関が内部で資産をどう動かしているか外部からは見えない |
| 単一障害点 | 銀行がハッキングされると預金が一気に危険にさらされる |
リーマンショックからDeFiサマーへ——誕生と爆発の流れ
2008年のリーマンショックは、中央集権型の金融がいかに脆いかを世界に突きつけた出来事でした。同じ年に「Satoshi Nakamoto」を名乗る人物がビットコイン(BTC)のホワイトペーパーを公開し、「銀行を介さないP2P決済システム」という構想を打ち出しています。
この思想はその後さらに発展し、2015年にイーサリアム(ETH)が登場しました。スマートコントラクトの実装によって決済だけでなくあらゆる金融サービスを分散化できる土台が整い、DeFiの原型が形づくられていきます。
DeFiが爆発的に広まったのは2020年夏のことです。「DeFiサマー」と呼ばれるこの時期にCompound(コンパウンド)が流動性マイニングを導入したことが起爆剤となり、DeFi市場に預け入れられた総資産(TVL)はわずか数か月で10億ドルから150億ドル超へと急拡大しました。以降、DeFiは仮想通貨市場を語るうえで欠かせない存在になっています。
DeFiの仕組みをわかりやすく解説
ブロックチェーンとスマートコントラクト——DeFiを動かす2つの技術
DeFiの土台となるのがブロックチェーンです。ブロックチェーンとは取引データを「ブロック」単位でつなぎ、世界中の参加者が分散して保持するデータベースのことで、特定の誰かが管理するのではなくネットワーク全体で記録を維持する構造になっています。この改ざん耐性と透明性があるからこそ、DeFiは「管理者なし」で金融サービスを成立させることができています。
そのブロックチェーン上でDeFiの処理を実際に動かしているのがスマートコントラクトです。「あらかじめ決めた条件が満たされたら自動的に実行されるプログラム」のことで、イメージとしては自動販売機が分かりやすいでしょう。「お金を入れてボタンを押す」という条件が揃えば誰の手も借りずに飲み物が出てくるのと同じように、スマートコントラクトも「担保を預けた」「金利が発生した」といった条件が揃った時点で処理が自動的に走ります。
なぜイーサリアムがDeFiの中心なのか
DeFiの大部分はイーサリアム上に構築されています。スマートコントラクト機能を世界で初めて実装したブロックチェーンであること、そして長い年月をかけて育ってきた開発者コミュニティとプロトコル群の層の厚さが今もその地位を支えています。
ただし近年はガス代(手数料)の高さと処理速度の問題から、ソラナやアービトラム、ポリゴンなど他のブロックチェーン上のDeFiも急速に存在感を増しており、プラットフォームの多様化が進んでいる状況です。
DeFiの主な種類・サービス一覧
DEX(分散型取引所)|Uniswap・Raydiumなど
DEX(Decentralized Exchange)とは、分散型取引所のことです。運営者を介さずにブロックチェーン上で直接仮想通貨の売買・交換ができる仕組みで、代表格はイーサリアム上のUniswap(ユニスワップ)とソラナ上のRaydium(レイディアム)です。
従来の取引所(CEX)と異なり本人確認が不要で、資産は常に自分のウォレットで管理します。すべての取引がチェーン上に記録されるため透明性が高く、運営者が資産を持ち逃げするリスクがない点もDEXが支持される理由です。
DEXとは?仕組みと種類を解説
レンディング・ステーキング|仮想通貨を預けて運用する
レンディングは、仮想通貨を貸し出して利息を得る仕組みです。代表的なプロトコルはAave(アーベ)とCompoundで、仮想通貨を担保として預け入れると別の仮想通貨を借りることもできます。金利はプログラムが需給に応じて自動で算出するため、銀行のような審査や書類提出は一切必要ありません。
一方のステーキングは、ブロックチェーンネットワーク自体に仮想通貨を預け入れてネットワーク維持に参加し、その対価として報酬を受け取る仕組みです。預けた期間に応じて報酬が積み上がっていくため、銀行の定期預金に近い感覚で理解しやすいでしょう。レンディングとステーキングはいずれも「保有しながら増やす」手段であり、初心者にも比較的取り組みやすいカテゴリです。
ETHステーキングの仕組みと始め方
イールドファーミング・ステーブルコイン・デリバティブ
イールドファーミングは、複数のDeFiプロトコルを組み合わせて利回りの最大化を狙う戦略です。DEXなどに資産ペアを提供して手数料報酬やプロトコルトークンを得る「流動性マイニング」もこの中に含まれます。高い利回りが期待できる反面リスクも相応に大きく、上級者向けの手法といえます。
ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨に価格が連動するよう設計された仮想通貨です。DeFiで広く使われるDAI(ダイ)はETHなどを担保にして分散的に発行されており、価格変動リスクを抑えながらDeFiを利用したい場面で重宝されます。
このほかにもDeFiには先物・オプションなどのデリバティブプロトコル(dYdX・GMXなど)や、スマートコントラクトのハッキングリスクをカバーするDeFi保険(Nexus Mutualなど)も存在し、カバーする領域は年々広がっています。
DeFiのメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 手数料が安い・取引が速い | 中間業者を挟まないため取引コストを大幅に抑えられる。国際送金は従来の銀行の数十分の一で済むケースもあり、チェーンによっては数秒で決済が完了する |
| 24時間365日・世界中から使える | プログラムが自動で処理を行うため営業時間やシステムメンテナンスの影響を受けない。インターネットさえあれば銀行口座なしで利用できる |
| 個人情報不要・匿名で使える | 多くのDeFiサービスは本人確認(KYC)が不要で、ウォレットアドレスさえあれば利用できる(ただしウォレットアドレス自体は公開台帳上で確認可能) |
| 誰でも「提供者」になれる | 流動性の提供者や資金の貸し手になることで、個人でも金融サービスの供給側に立てる。従来の金融では考えられなかった仕組みである |
DeFiのリスク・デメリット|始める前に必ず知っておくこと
DeFiには大きな可能性がある一方で、従来の金融サービスにはない固有のリスクも存在します。始めてから知ったのでは遅いため、事前に必ず確認しておいてください。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| スマートコントラクトのバグ・ハッキング | コードに欠陥があれば攻撃者に悪用される。過去には数百億円規模の被害も発生しており、監査済みプロトコルであっても完全な安全は保証されない |
| ガス代(ネットワーク手数料)の高騰 | イーサリアムのDeFiではネットワーク混雑時に1回の取引で数千円かかることもある。少額取引では手数料が利益を上回る場合もあり注意が必要 |
| 価格変動・インパーマネントロス | 仮想通貨自体の価格変動リスクに加え、流動性プールに資産を預けた場合は「インパーマネントロス(無常損失)」という特有の損失リスクが伴う |
| 法規制の未整備・自己責任 | 日本を含む多くの国でDeFi固有の法規制は整備途上にある。トラブルが起きても法的救済を受けにくく、基本的にすべて自己責任となる |
| 詐欺・ラグプル(出口詐欺) | 開発者が資金調達後にプロジェクトを放棄・逃走する「ラグプル」が後を絶たない。監査を受けていない新興プロトコルへの参加には特に警戒が必要 |
⚠️ DeFiはすべて自己責任です。余裕資金の範囲内で、少額からスタートすることを強くおすすめします。
DeFiの始め方【ステップ別解説】
STEP1|国内取引所でイーサリアムを購入する
最初のステップは、国内の仮想通貨取引所でイーサリアムを購入することです。DeFiのほとんどはイーサリアムまたはEVM互換チェーン(ポリゴン・アービトラムなど)上で動いており、取引のたびにETHが「ガス代」として必要になります。bitFlyer・GMOコイン・コインチェックなどが代表的な国内取引所ですので、まずは本人確認(KYC)を済ませて日本円でETHを購入するところから始めましょう。
STEP2|MetaMask(メタマスク)ウォレットを設定する
DeFiを利用するには自分専用の仮想通貨ウォレットが必要です。最も広く普及しているのがMetaMask(メタマスク)で、ブラウザ拡張機能またはスマホアプリとして無料で利用できます。
インストール後にウォレットを新規作成するとシードフレーズ(12〜24個の英単語)が表示されますが、このシードフレーズを紛失したり第三者に漏洩させたりすると資産が永久に失われます。必ずオフラインの安全な場所に書き留めて保管してください。
メタマスクの登録・設定方法
STEP3|ETHをMetaMaskに送金し、DEXに接続して取引開始
国内取引所からMetaMaskのウォレットアドレス宛にETHを送金します。ウォレットアドレスは「0x」で始まる英数字の文字列で、送金先を一文字でも間違えると資産を取り戻すことはできません。必ずコピー&ペーストで入力し、先頭と末尾の数文字を目視で照合する習慣をつけておきましょう。
ETHがウォレットに届いたらDEXのサイト(例:Uniswap)にアクセスしてMetaMaskを接続すれば、トークン交換・レンディング・流動性提供といったDeFiサービスがすぐに使えるようになります。なおMetaMaskでは最近ステーブルコインの運用サービスも提供されており、用途に合わせて選べる幅が広がっています。
メタマスクで年利最大7.4%獲得
DeFiで稼ぐ方法と主要銘柄
DeFiで収益を得る方法は主に3つあります。1つ目のレンディングは、AaveやCompoundなどに仮想通貨を預けて借り手から利息を受け取る方法です。ステーブルコインを貸し出す場合は価格変動リスクを抑えつつ利息収入が見込めるため、DeFi入門としても取り組みやすいでしょう。
2つ目の流動性提供は、DEXの流動性プールに資産ペア(例:ETH/USDC)を預け、取引が発生するたびに手数料の一部を報酬として受け取る方法です。ただしインパーマネントロスのリスクがあるため、仕組みを十分に理解したうえで始めることが大切です。
3つ目はDeFi関連銘柄への投資で、各プロトコルが発行するガバナンストークンを保有してDeFi市場全体の成長の恩恵を狙う方法ですが、個別トークンの価格変動は大きいため、自身のリスク許容度を踏まえたうえで取り組んでください。
DeFi関連の主要銘柄・おすすめ仮想通貨
| 銘柄 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| イーサリアム | DeFiエコシステム全体の基盤 | ガス代の支払いに必須で、DeFi市場が拡大するほど需要が高まる構造を持つ。時価総額・流動性ともにBTCに次ぐ規模 |
| Uniswap | イーサリアムDEX最大手のガバナンストークン | UNI保有者はプロトコルのアップグレード提案に投票できる。DEX市場のリーダー的存在 |
| Aave | レンディングプロトコル最大手のガバナンストークン | ステーキングを通じて保険機能も担っている。複数チェーンに展開しDeFiレンディング市場の中核を占める |
| Chainlink(LINK) | ブロックチェーン外のデータをDeFiに供給するオラクル | 多くのDeFiプロトコルがChainlinkの価格データに依存しており、DeFiエコシステムを下支えするインフラ的存在 |
DeFiの将来性|2025〜2026年の最新動向
TVL回復とソラナDeFiの急台頭
DeFi市場の規模を測る指標としてよく使われるのがTVL(Total Value Locked:預け入れ総額)です。2021年のピーク時に約2,000億ドルに達した後、仮想通貨市場全体の低迷に連動して大きく落ち込みましたが、2023年後半から回復基調に転じ、2026年現在は一定の水準を維持しています。
かつてイーサリアムが圧倒的な存在感を持っていたDeFi市場ですが、近年はソラナのエコシステムが急速に勢力を伸ばしています。処理速度の速さと低いガス代が評価されており、特にミームコイン関連の取引を中心にソラナDEXの取引量が増加、JupiterやRaydiumが代表的なプロトコルとして台頭してきました。
JupiterがJupUSDを発表
RWA(現実資産のトークン化)との融合と日本の法整備
2025〜2026年のDeFiで特に関心を集めているのがRWA(Real World Assets:現実資産のトークン化)です。株式・債券・不動産といった従来の金融資産をブロックチェーン上でトークン化してDeFiで取引可能にする動きが広がっており、Ondo Financeが先行するかたちで大手ウォレットとの提携も増えてきています。
国内では金融庁がDeFiを含む暗号資産分野の規制整備を進めています。2025年に改正された資金決済法の施行を受け、国内でのDeFiサービス提供に関するガイドラインの策定も議論が進みました。米国でもDeFi関連の規制議論が活発になっており、各国の規制動向次第では市場の雰囲気が大きく変わる場面も出てくると見られます。
DeFiに関するよくある質問(FAQ)
DeFiとCeFiの違いは?
CeFi(中央集権型金融)は銀行や取引所といった中央管理者が存在し、ユーザーはその管理者を信頼してサービスを利用します。DeFiには管理者がおらず、スマートコントラクトがルール通りに処理を実行する仕組みです。透明性や検閲耐性に優れる一方、コードのバグリスクを利用者自身が引き受ける必要があり、自己責任の比重が大きくなる点がCeFiとの違いです。
DeFiは日本から使えますか?
技術的には多くのDeFiサービスを日本から利用できます。ただし一部のプロトコルは日本のIPアドレスからのアクセスを制限しているケースもあるため、利用前に規制環境とサービスごとの利用条件を必ず確認してください。
DeFiで得た利益の税金はどうなりますか?
日本ではレンディング利息・流動性提供報酬・トークンの売却益など、DeFiで得た利益は原則として雑所得に分類され、総合課税の対象になります。年間の利益合計が20万円を超える場合は確定申告が必要です。税制は改正される可能性があるため、最新情報は税理士または国税庁の公式情報で確認することをおすすめします。
初心者はどのDeFiサービスから始めるべきですか?
入門としておすすめなのはレンディングです。仕組みがシンプルで、Aaveのような大手かつ監査済みのプロトコルを選べばリスクをある程度抑えやすくなります。MetaMaskのStablecoin Earnのように大手ウォレットが提供する運用機能から試してみるのもよいでしょう。いずれの場合も最初は少額で始めて、操作に慣れることを優先してください。
DeFiとNFT・Web3の関係は?
DeFi・NFT・Web3はいずれもブロックチェーン技術を基盤にした概念です。Web3はブロックチェーンを活用した次世代インターネットの総称であり、DeFiはその中の経済インフラ、NFTはデジタル所有権の仕組みに当たります。それぞれ独立した領域でありながら相互に連携するエコシステムを形成しており、DeFiを理解するうえでもこれらの関係性を押さえておくことが大切です。
まとめ
この記事で解説したDeFiの要点を整理します。
- DeFiとは:ブロックチェーン上のスマートコントラクトが銀行の役割を担う分散型金融システム
- 主なサービス:DEX・レンディング・ステーキング・イールドファーミング・ステーブルコインなど
- メリット:手数料が安い・24時間利用可能・個人情報不要・誰でも提供者になれる
- リスク:ハッキング・ガス代高騰・インパーマネントロス・詐欺・法規制の不備。すべて自己責任
- 始め方:国内取引所でETH購入 → MetaMask設定 → ETH送金 → DEX接続
- 2026年の注目トレンド:ソラナDeFiの台頭・RWAとの融合・日本の法整備進展
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