この記事の要点
- Coinbase最高法務責任者が2026年4月1日に合意秒読みを公言
- ステーブルコイン利回り規定が48時間以内に決着する可能性
- 上院の4月審議が迫り、米仮想通貨規制の立法期限が目前に
「48時間に決着の可能性」グルワル氏が示唆
米仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のCLOであるポール・グルワル氏は2026年4月1日、米FOXビジネスの番組に出演し、CLARITY(クラリティ)法案のステーブルコイン利回り規定をめぐる交渉が「48時間以内に合意」に達する可能性があるとの見解を示しました。
同氏は番組の中で、銀行側と仮想通貨業界の双方が今まさに最終合意に向けた詰めの作業を進めているとし「非常に近いところまで来ている」と強調しています。
ステーブルコインへの利回り付与は、銀行業界が既存の預金商品との競合を理由に強く反対し続けてきた論点で、法案審議における最大の難関のひとつとされてきました。
グルワル氏は「銀行からの預金離脱を示す具体的な証拠は存在しない」と主張し、銀行側の懸念を退けています。
上院銀行委員会のイースター休暇明け4月マークアップ(修正審議)が迫るなか、ステーブルコイン利回りの扱いをどう決着させるかが、CLARITY法案成立に向けた最後の壁となっています。
CLARITY法案「5月末」がデッドライン
期限が迫るCLARITY(クラリティ)法案と各陣営の思惑
銀行vs仮想通貨、対立が続く本当の理由
CLARITY法案の審議で、銀行セクターが最も強く抵抗してきたのがステーブルコインへの利回り付与をめぐる条項です。
銀行業界は、仮想通貨企業が高利回りを提示することで個人・法人の資金が銀行口座から流出し、既存の預金ビジネスが打撃を受けると主張し続けてきました。
これに対しグルワル氏は、利回り付与が預金離脱を引き起こすという実証的な根拠は存在しないとした上で「現行の規制の不在こそが消費者保護の観点で問題だ」と指摘しています。
両者の主張が平行線をたどる根底には、ステーブルコインを「銀行預金と同列の金融商品」とみなすか、「別枠の仮想通貨商品として規制」するかという制度的な位置づけの対立があります。
銀行側はステーブルコイン利回りを事実上の「預金金利」と同一視し、同等の規制なしでの提供は不公平な競争だと訴えています。
一方、仮想通貨業界はステーブルコインを既存の預金代替品ではなく新たな金融インフラと位置づけており、その立場を崩していません。
上院・財務省が口をそろえる「今しかない」
CLARITY法案をめぐっては、上院銀行委員会がイースター休暇明けの4月にマークアップ(修正審議)を実施する方針を示しており、立法プロセスの期限が実質的に迫っています。
こうした日程を前に、スコット・ベッセント財務長官は「春の立法ウィンドウが閉じる前に規制の明確化が必要だ」と議会に訴えており、行政側からも早期決着への圧力がかかっています。
議会側でも危機感は共有されており、シンシア・ルミス上院議員は今月のD.C.ブロックチェーン・サミットで「今回こそ本当に近い」と述べ、バーニー・モレノ上院議員(オハイオ)は「5月までに法案が通過しなければデジタル資産立法は当分見込めない」と警告しました。
行政・議会の双方が期限を強く意識するなか、ステーブルコイン利回りの着地点を早急に固めることが法案前進の最後の条件となっています。
コインベースが交渉前面に立つ理由
今ベースは米国最大級の仮想通貨取引所として、CLARITY法案が定める市場構造ルールの直接的な適用対象となる見込みです。
特にステーブルコインの利回り規定は、同社が関与するUSDコイン(USDC)関連サービスの設計にも関わる論点であり、交渉の行方に強い利害関係を持っています。
こうした立場から、グルワル氏は「明確なルールがなければ米国の消費者と投資家が保護されない」と述べており、規制の明確化を歓迎しつつも、業界にとって不利な条件での決着を避けるために積極的に発言の機会を捉えています。
法案が成立すれば、仮想通貨取引所・事業者・投資家がどの規制当局のルールに従うべきかが法的に確定し、これまでグレーゾーンに置かれてきたデジタル資産ビジネスの法的基盤が整う見通しです。
GENIUS法規則案「境界線」が明確に
国際競争と立法期限、米国が迫られる選択
欧州では仮想通貨市場規則「MiCA規制」が2024年から順次施行されており、日本を含むアジア各国でも独自の規制枠組みの整備が続いています。
こうした動きを背景に、スコット・ベッセント財務長官は「規制の空白が米国の競争力低下につながる」との認識を示しており、CLARITY法案の早期決着を強く求めています。
利回り規定と並行して、ステーブルコインの課税をめぐっても米議会の税制改革草案で非課税枠の導入が検討されるなど、制度面での動きが複数の軸で同時進行しています。
上院銀行委員会の4月マークアップが予定通り実施されるかどうか、そしてステーブルコイン利回りをめぐる銀行業界との調整が最終的にどのような形でまとまるか、CLARITY法案の行方が引き続き注目されています。
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Source:FOXビジネス
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