この記事の要点
- ヘイズ氏がBTCは12.6万ドルを再突破する可能性が高いと予測
- AI投資拡大と米中の流動性供給継続が強気相場を支えると分析
ヘイズ氏「BTCは12.6万ドルを再突破」
仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏は2026年5月12日、自身のニュースレターで新たなエッセイ「The Butterfly Touch」を公開し、ビットコイン(BTC)は6万ドル(約940万円)で底を打ったとの見解を示しました。
同氏は、米国と中国を中心とした大規模な流動性供給が今後も続くとの見方を示しており、ビットコインは過去最高値圏である12.6万ドル(約1,980万円)を再び突破する公算が大きいと述べています。
また、9万ドル(約1,410万円)を突破した局面では、コール売り(カバードコール)勢による買い戻しが発生し、上昇相場がさらに加速する可能性にも言及しています。
ヘイズ氏は、AI関連設備投資(CAPEX)の急拡大、中東情勢の緊迫化に伴う戦費増加、各国による脱ドル資産シフトを強気相場の主要因として挙げています。
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「AI・戦費・流動性」強気相場を支える3つの構造
米イラン戦争で強気相場が形成
ヘイズ氏は、現在の強気相場は2026年2月28日に始まった米国によるイラン攻撃以降に形成されたと指摘しています。
同氏によると、ビットコインは開戦以降、ナスダック100指数や金、米ソフトウェア株指数(IGV)を上回るパフォーマンスを示しているといいます。
一方で、過去24カ月間ではビットコインのパフォーマンスがハイテク株や金に劣後していたことから、市場では現在の強気相場に懐疑的な見方も根強いと説明しました。
そのうえでヘイズ氏は、今後は米国と中国による流動性供給拡大の影響がより鮮明となり、ビットコイン市場の上昇基調を支えるとの見方を示しています。
AI投資の急拡大と中央銀行の金融緩和
ヘイズ氏は、米国のAI関連設備投資(CAPEX)はこれまで大手ソフトウェア企業のキャッシュフローで賄われてきたものの、今後の規模拡大には信用チャネル経由の資金調達が不可欠になっていると説明しています。
中国では、習近平国家主席が銀行に対し、不動産向け融資を抑制する一方で、テクノロジー分野への融資拡大を促しているといいます。
こうしたAI投資競争を支えるため、FRB(米連邦準備制度理事会)とPBOC(中国人民銀行)は金融緩和を進めており、データセンターや発電インフラへの大規模な資金供給が続いているとの見解を示しています。
ヘイズ氏は、この背景には「ジェヴォンズのパラドックス(効率化が消費を増やす現象)」と「赤の女王効果(競争優位を維持するため継続投資が必要になる現象)」が同時に作用していると分析しています。
競合他社によるモデル効率化で既存CAPEXの陳腐化が急速に進むため、大規模な市場ショックが発生しない限り、設備投資拡大の流れは継続するとの認識を示しました。
各国の必需コモディティ備蓄が脱ドル促す
ヘイズ氏は、米イラン戦争の影響で、欧州・アフリカ・アジアの多くの国が食料・エネルギーの確保に支障をきたす状況になったと指摘しています。
これを受けて各国では、ドル建て金融資産による外貨準備の積み増しを見直し、インフラ整備や防衛費、食料・エネルギーなど必需コモディティの備蓄へ資金を振り向ける動きが進んでいると分析しました。
ヘイズ氏は、こうした資金需要の変化に対応するため、ドルスワップライン(中央銀行間のドル供給枠)の活用拡大や、銀行が米国債を保有しやすくするための資本規制緩和が進められているとも述べています。
同氏は、これらの政策はいずれもドル流通量の拡大につながるため、米国の通貨当局は金融環境を緩和的に維持せざるを得ない状況にあると指摘しました。
強気相場が終わる2つのシナリオを提示
ヘイズ氏は、AI CAPEXの過剰投資局面が終わる契機として、大規模IPOやAI関連企業による大型統合が発生するシナリオを挙げています。
もう一つの契機として、2028年米大統領選で民主党側の候補者が反AI・反インフレを掲げる展開を想定しており、政治的逆風が資本の流入を抑え込む可能性に言及しました。
ただしヘイズ氏は、こうした転換点が訪れるまではドルと人民元の流動性拡大が続き、ビットコインを含む仮想通貨(暗号資産)市場は引き続きその恩恵を受けるとの見方を示しています。
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ヘイズ氏、HYPE・ZECに加えNEARを候補に
ヘイズ氏は、自身が運営するファミリーオフィス「Maelstrom(マエルストロム)」がハイパーリキッド(HYPE)とジーキャッシュ(ZEC)を大規模に保有していると述べています。
ヘイズ氏は2026年2月にも自身のXで両銘柄の保有を公表しており、今回のエッセイでは新たな有力候補としてニア(NEAR)を挙げています。
NEARについては、プライバシー関連のナラティブ(市場での投資テーマ性)とNEAR Intents(インテンツ)の組み合わせが、プロトコル収益の拡大に寄与する可能性があるとの見方を示しており、詳細は次回のエッセイで論じる方針を明らかにしました。
2026年11月の米中間選挙に向けてAIとインフレをめぐる政治的逆風が強まる可能性はあるものの、ヘイズ氏は強気相場シナリオを維持しており、ファンドでは高リスク運用を継続する姿勢を示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.28 円)
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Source:アーサー・ヘイズ氏「The Butterfly Touch」
サムネイル:AIによる生成画像


























