この記事の要点
- 4月21日、米インド太平洋軍のパパロ司令官が上院で証言
- BTCを「国力投射を支える国防ツール」と公式評価
- 2年前の批判姿勢から一転、軍上層部で評価が転換
- 大統領令・100万BTC法案・軍事評価が同時進行へ
まずはビットコイン(BTC)を詳しく
パパロ司令官、BTCを「国力を支える技術」と明言
米インド太平洋軍(INDOPACOM)のサムエル・パパロ司令官は2026年4月21日、上院軍事委員会の公聴会で、ビットコイン(BTC)を「米国の国力投射を支えるコンピュータ科学ツール」だと評価しました。
米軍の最上級指揮官がビットコインを安全保障領域で公式に位置づけたのは異例であり、金融の枠を超え、軍事・経済・サイバーを横断する国家戦略インフラとして組み込まれる可能性に注目が集まっています。
質問を行ったトミー・タバービル上院議員(共和党・アラバマ州)は、中国共産党傘下の主要通貨シンクタンクが2025年にビットコインを戦略資産として研究したことに触れ、インド太平洋地域での米国の優位性とBTCの関係について見解を求めました。
これに対しパパロ司令官は、ビットコインを「ピアツーピアのゼロトラスト型価値移転システム」と説明したうえで、米国の国力を支えるあらゆる技術は歓迎されるべきだと発言しました。
さらに、暗号技術やプルーフ・オブ・ワーク(PoW)が攻撃者に高いコストを課す点にも言及し、サイバー防衛への応用可能性を示唆しています。
「なぜBTCを保有しないのか」
米中が同時にビットコイン戦略研究、制度化が急加速
パパロ氏が2年前の批判から一転、PoW評価へ
パパロ司令官が言及したPoWの抑止効果は、米軍内ですでに研究が進んできた議論の延長線上にあります。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の国家安全保障フェローを務めた宇宙軍のジェイソン・ローワリー少佐は、2023年のMIT修士論文「Softwar」で、BTCのプルーフ・オブ・ワーク機構が攻撃者にエネルギーベースの物理コストを課すと論じました。
同氏は、従来型軍事力が物理的侵攻を抑止するのと同じように、PoWもサイバー攻撃を抑止できると主張しています。
ローワリー氏の「ソフトウォー」論は一部研究者の主張にとどまってきましたが、今回のパパロ司令官の証言によって、その考え方が軍上層部の議論とも重なることが示されました。
パパロ司令官は2年前の上院公聴会では「仮想通貨の不透明性が拡散・テロ・違法取引を世界的に助長している」と語っており、今回の証言は2年前の姿勢から転換したと海外メディアは伝えています。
非営利シンクタンクのビットコイン・ポリシー・インスティチュート(BPI)は公式声明で、今回の証言が「BTCの成熟フェーズが機関投資家採用から国家レベル採用へと移る転換点だ」と位置づけています。
中国のBTC準備資産研究、米BPIへ対抗
タバービル議員が取り上げた中国国際通貨研究所の報告書は、BTCを投機手段から戦略的備蓄資産へと再評価する内容で「BTCの準備資産化を支持する論拠」と題されています。
BPIの公式発表によると、この中国報告書は同研究所がBPIのBTC戦略資産研究への対抗として公表したもので、BPI側は米中間でBTCをめぐる政策認識の競り合いがすでに始まっていると指摘しました。
BPIのサム・ライマン研究部長は、中国以外の動きにも目を向けるよう促しています。
ライマン氏は「イランがホルムズ海峡の通行料をBTCで受け取り、台湾の政策立案者もBTCを中国侵攻時の資産保全手段として検討している」と指摘し、他国がすでに国家安全保障目的でBTCを活用している現実に言及しました。
100万BTC法案と大統領令、司令官証言が後押し
トランプ大統領は2025年3月7日、戦略ビットコイン準備金の設立を命じる大統領令に署名し、司法・民事上の没収資産から積み上げたBTCを「デジタル版フォートノックス」として売却禁止で保有する方針を示しました。
大統領令と並行して議会側でも立法化が進められており、タバービル議員はシンシア・ルミス上院議員(共和党・ワイオミング州)と2025年3月にBITCOIN法案を共同提出しています。
同法案は、財務省に対し「5年間で100万BTCの取得」を指示する内容で、取得規模は米国の金準備と同程度を目指すとされています。これはビットコイン全供給量の約5%に相当します。
パパロ司令官は今回の公開審議では具体的な立法勧告を控え、書面での詳細回答と機密セッションでの深掘りを希望すると述べるにとどめました。
最上級軍事司令官がBTCを国力の手段として公式記録に残したことで、FY2027国防権限法の条文審議ではデジタル資産関連条項が議論の俎上に載る下地が整いました。
主要AI「主軸資産はビットコイン」
中国製依存97%の解消へ、BTC安保政策が本格化
仮想通貨をめぐっては、SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)が2026年3月17日に共同解釈を発出し、ビットコインなど16種類の仮想通貨をデジタルコモディティと認定しました。
上院銀行委員会では市場構造法案の審議も進んでおり、制度整備は立法・行政の両面から加速しています。
安全保障の観点からは、ルミス・タバービル両議員らが2026年3月に提出した「アメリカ産デジタル資産マイニング法案」が、中国製が97%を占めるBTCマイニング機器の国産化と戦略ビットコイン備蓄の法制化を打ち出しました。
同法案は「マイニング供給網の対中依存解消」を掲げており、パパロ司令官が公聴会で示した対中戦略の問題意識と同じ方向にあります。
BITCOIN法案とマイニング法案の審議、FY2027国防権限法の条文確定、そしてパパロ司令官が予告した書面回答の提出が、今後の米国のBTC安保政策の論点となります。
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Source:米上院軍事委員会公聴会
サムネイル:AIによる生成画像





























