この記事の要点
- 米上院デインズ議員が仮想通貨の包括税制法案を提出
- ステーブルコイン決済免税と投資課税の厳格化が柱
ステーブルコイン決済の免税化へ
米上院財務委員会のスティーブ・デインズ上院議員(共和党・モンタナ州)は2026年9月30日、仮想通貨(暗号資産)の税制を包括的に見直す「ADAPT法案」を提出したことを明らかにしました。
同法案は、GENIUS(ジーニアス)法に準拠したドル建てステーブルコインを商品やサービスの支払いに使う場合、利用時に生じる損益を税務上認識しない扱いにするとしています。
法案には、ウォッシュセールやみなし売却のルールを仮想通貨にも広げる内容も盛り込まれており、日常決済の負担軽減と投資課税の見直しをあわせて進める構成となっています。
デインズ議員はX(Twitter)で、デジタル資産は主流になったものの税法は追いついていないと述べ、同法案でステーブルコイン、ネットワーク手数料、ステーキング、レンディングに明確なルールを設ける考えを示しました。
共同提案者には、シンシア・ルミス上院議員(共和党・ワイオミング州)、バーニー・モレノ上院議員(共和党・オハイオ州)、ティム・スコット上院議員(共和党・サウスカロライナ州)が名を連ねており、法案は上院財務委員会での審議に進む見通しです。
Digital assets have moved into the mainstream, but the tax code hasn’t kept up. My bill would create clearer rules for stablecoins, network fees, staking and lending—while extending familiar tax rules like wash sales and constructive sales to digital assets. pic.twitter.com/W6nXSsTgvX
— Steve Daines (@SteveDaines) September 30, 2026
デジタル資産はすでに主流となっていますが、税制はその変化に追いついていません。
私の法案では、ステーブルコインやネットワーク手数料、ステーキング、レンディングに関するルールを明確化するとともに、ウォッシュセールやみなし売却といった既存の税制上のルールをデジタル資産にも適用します。
6,700万人に影響の仮想通貨税法案が前進
全15条で仮想通貨の税務処理を再構築
日常決済と手数料の税負担ゼロへ
現行制度では、ステーブルコインを支払いに使うたびに、取得時と使用時の差額に基づく損益が課税対象になり得るとされています。
ADAPT法案の第2条は、この扱いを見直し、GENIUS法に準拠したドル建てステーブルコインを商品やサービスの支払いに使う場合、損益を認識しない扱いにすると定めています。
対象となるステーブルコイン決済は、ブローカーによる税務上の情報報告からも外されるため、利用者だけでなく仲介業者の報告負担も抑える内容となっています。
少額取引の負担軽減はネットワーク手数料にも及び、第11条は1取引あたり10ドル(約1,580円)以下の手数料を少額免除の対象にするとしており、トレーダー、ディーラー、バリデーター、年間5,000件を超える高頻度利用者は対象外とされています。
仮想通貨の損失控除に30日ルール導入
日常決済の税務負担を軽くする一方で、ADAPT法案は投資家向けの課税ルールを伝統的な金融資産に近づける内容も盛り込んでいます。
これまで仮想通貨では、損失を確定して税控除を受けた直後に同じ資産を買い戻す取引が、株式などに比べて制限されにくい状態にありました。
第7条は、損失を出したデジタル資産を売却してから30日以内に同じ資産を買い戻した場合、その損失を税務上の控除に使えないようにするとしています。
ただし、GENIUS法に準拠した規制対象ステーブルコインやステーキング・マイニング報酬、時価評価ポジションは、ウォッシュセール・ルールの適用から外されます。
第9条では、保有資産と反対のポジションを組んで利益を固定する「みなし売却」ルールも仮想通貨に適用するとしており、規制対象ステーブルコインはここでも対象外となっています。
ステーキング・貸付・ETFの税務規定
売買時の課税ルールに続き、ADAPT法案はステーキングやマイニングで得た報酬、デジタル資産の貸付取引、ETFのステーキングにも個別の扱いを設けています。
第4条は、ステーキングとマイニングで得た所得の源泉について、原則として報酬を受け取る人の居住地を基準に判断するとしています。
支店を通じたマイニング所得については、機器と人員の所在地に応じて所得の源泉を判断する扱いが示されました。
報酬の源泉に加えて、貸付取引については、第6条が証券貸借に近い非認識ルールをデジタル資産にも適用すると定めています。
ETFについてもステーキングの扱いを明確にしており、第8条はSEC規制下の上場投資信託による単一のプルーフ・オブ・ステーク資産のステーキングを税務上認める内容となっています。
暗号資産・SCの税制部会を新設
上下両院で仮想通貨税制の見直し加速
仮想通貨税制をめぐっては、下院歳入委員会が2026年9月16日、デジタル資産税確実性法(H.R. 10357)を38対5の超党派で可決しています。
同法案も報告義務の簡素化やマイニング・ステーキングの税務処理を扱っており、下院側では先行して仮想通貨税制の見直しが進んでいます。
ADAPT法案は今後、上院財務委員会で審議される見通しで、先行する下院案との調整を含めた税制改革の議論に移ります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.86 円)
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Source:スティーブ・デインズ上院議員X投稿
サムネイル:AIによる生成画像




























