この記事の要点
- チェイナリシスが東アジア仮想通貨を分析、韓国71兆円で首位
- 韓国はAI銘柄集中、日本はDEX利用が200%超拡大
韓国71兆円で首位、日本36兆円で続く
ブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)は2026年10月5日、東アジア地域の仮想通貨(暗号資産)普及状況を分析したレポートの東アジア編を公表しました。
同レポートによると、2025年7月から2026年6月までの仮想通貨経済の規模は、韓国が4,491億ドル(約70兆円)で首位に立ち、日本が2,283億ドル(約35兆円)で続きました。
東アジア全体では仮想通貨経済がこの1年でわずかに縮小した一方、各市場では投資家層や利用サービスの違いが鮮明になっています。
韓国では個人投資家によるAI関連銘柄への資金集中、日本では分散型取引所(DEX)の利用拡大が確認されました。
香港では機関投資家向けプラットフォームへの資金流入が目立ち、中国ではステーブルコインを使った個人間取引(P2P)が急増しています。
「シンガポール独走」地域最大市場に
韓国はAI銘柄、日本はDEXに資金集中
| 国・地域 | 仮想通貨経済の規模 |
|---|---|
| 韓国 | 4,491億ドル(約70兆円) |
| 日本 | 2,283億ドル(約35兆円) |
| 香港 | 1,922億ドル(約30兆円) |
| 中国 | 1,763億ドル(約28兆円) |
| 台湾 | 1,404億ドル(約20兆円) |
韓国でAI関連銘柄が最大カテゴリに浮上
首位の韓国は前年同期比12.3%増となり、大手金融機関による本格参入がまだ限定的な中で、個人投資家の活発な取引が市場の成長をけん引したと、チェイナリシスは分析しています。
その個人投資家の資金はAI関連銘柄にも向かい、2026年6月にはウォン建て取引で最大のテーマ別カテゴリとなって、エックスアールピー(XRP)などの決済系トークンを上回りました。
AI関連銘柄のウォン建て取引量は日本円建ての19.5倍に達しており、韓国市場でAIテーマへの取引が突出していることを同レポートは示しています。
個別ではワールドコイン(WLD)が74.1億ドル(約1.2兆円)で最大となり、SAHARAが32億ドル、VIRTUALが27億ドル、BIOが20億ドル、ニア(NEAR)が17億ドルで続きました。
4人に1人がDeFiへ、日本のDEX利用急増
韓国で個人投資家のテーマ取引が市場を押し上げたのに対し、2位の日本ではオンチェーン市場への資金移動が目立ち、DEXへの流入額はこの1年で36%増加しました。
仮想通貨サービス全体に占めるDEXのシェアは約34.5%に達し、成熟した中央集権型取引所(CEX)市場を持つ東アジアの国・地域では最も高い水準となっており、2022年以降のDEX利用も200%を超えて拡大しています。
取引所から資金を引き出した利用者の約4人に1人が、その後DeFi(分散型金融)プロトコルへ資金を移しており、チェイナリシスは日本の個人投資家にもオンチェーン取引へ向かう傾向が表れていると分析しています。
一方、最高55%に達する税負担は個人市場の成長を抑えてきた要因として挙げられており、2026年7月に前進した税制改革で対象利益が約20%の申告分離課税へ移行すれば、2027年には個人取引が増える可能性があるとの見方が示されました。
香港に機関マネー流入、中国はP2Pが主流
こうした個人投資家のオンチェーン利用が目立つ日本に対し、3位の香港では機関投資家向けプラットフォームに資金が集まり、サービス流入額に占める割合は2年前の約9%から16%へ上昇したと、チェイナリシスは報告しています。
香港へのB2B資金流入は約240億ドル(約3.8兆円)に達し、2022年半ば以降の累積純流入も174億ドル(約2.7兆円)まで積み上がるなど、認可サービスが機関資本の主要な流入経路となっています。
認可サービスを通じて機関資金が流入する香港に対し、公式な仮想通貨サービス禁止措置が続く中国ではP2P取引が主要な資金経路となり、市場全体に占める割合は前年比3.5倍の59.1%まで拡大しました。
P2Pでステーブルコインを送金した固有ウォレット数も2024年第1四半期から2026年第2四半期までに43倍へ増えており、セルフカストディ型ステーブルコインの年間回転率は33.2倍に達し、世界平均の9.3倍や日本の9.9倍を大きく上回っています。
アジア仮想通貨市場に眠る巨大資金
規制整備と税制改革、2027年が転換期に
チェイナリシスは、個人投資家が長くけん引してきた東アジア市場で、規制環境の変化とともに機関投資家側へ重心が移り始めていると分析しています。
日本では約20%の申告分離課税への移行が進み、韓国では2027年初めに22%の課税が開始される予定で、日韓ともに税制面の転換が重なります。
香港では機関資金の流入がすでに拡大する一方、韓国では市場成長の中心を個人投資家が占めており、規制整備による市場構造の変化は国・地域によって異なる段階にあります。
チェイナリシスは、認可制度が機関投資家や個人投資家、クロスボーダー取引をどこまで規制の枠内へ取り込めるのか、それとも一部の活動が規制外へ移るのかについて、来年のデータでより明確になるとしています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.88 円)
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Source:Chainalysisレポート
サムネイル:AIによる生成画像



























