
ワールドコイン(WLD)とは?分散型IDで仮想通貨を配布する話題のプロジェクト
ワールドコイン(Worldcoin/WLD)は、世界規模の分散型IDシステムと仮想通貨配布を目指す革新的なプロジェクトです。OpenAIのCEOであるサム・アルマン氏が共同設立したことで大きな注目を集めています。
このプロジェクトの核心は、独自の生体認証デバイス「Orb」を用いて、世界中の人々に固有のデジタルID「World ID」を発行することです。World IDは、プライバシーを保護しつつ、個人が実在する人間であることを証明できる画期的なシステムです。
さらに、World IDを取得した個人には、プロジェクトの基軸となる仮想通貨「WLD」が配布されます。この仕組みにより、ワールドコインはグローバルな金融包摂を促進し、将来的にはAIが資金提供するユニバーサルベーシックインカム(UBI)の実現を視野に入れています。
World IDとWLDの組み合わせは、オンライン上での人間とAIの区別を可能にし、同時に経済的機会の拡大にも貢献すると期待されています。また、World Chain独自のL2ブロックチェーンの導入により、スケーラビリティと取引効率の向上も図られています。
このように、ワールドコインは単なる仮想通貨プロジェクトを超えて、グローバルなデジタルアイデンティティの革新と金融システムの変革を目指す壮大な取り組みとなっています。
ワールドコイン(WLD)とは?
ワールドコイン(Worldcoin/WLD)とは、世界最大規模のID基盤と金融ネットワークを構築して、世界中の人々が参加できる大規模なネットワークを構築することを目指している仮想通貨プロジェクトです。この革新的なプロジェクトは、分散型IDシステムを活用し、グローバルな規模で仮想通貨を配布することを目的としています。
World(ワールド)は、ChatGPTなどの開発で知られる「OpenAI」のサム・アルマンCEOと、機械学習分野を専門とする物理学者のアレックス・ブラニア氏が2020年に共同で創設したプロジェクトであり、メインネットローンチ前から世界的に注目を集めていました。
ワールドコインは、ブロックチェーン技術を活用して、透明性と安全性を確保しつつ、革新的な金融システムの構築を目指しています。
"世界中の人々に暗号資産を配布する"という野心的な目標を掲げる同プロジェクトでは、ワールドコイン(WLD)と呼ばれる仮想通貨が発行されている他、人間であることを証明するために使用する虹彩スキャン形式の生体認証装置「Orb」も展開、独自のL2である「World Chain」もリリースされています。これらの技術の組み合わせにより、ワールドコインは従来の仮想通貨プロジェクトとは一線を画す独自のエコシステムを構築しています。
Orb(オーブ)は丸い形をした物理的な生体認証装置であり、日本を含めた世界中の様々な場所で装置を展開、実際に装置がある場所に訪れると、目の虹彩をスキャンして「World ID」と呼ばれる固有のIDを発行することができるようになっています。この革新的な認証システムにより、ユーザーはプライバシーを保護しつつ、自身の人間性を証明することが可能となります。
専用のウォレットアプリである「World App」でアカウント作成を行い、「Orb」が設置されている場所で虹彩スキャンを行うと仮想通貨WLDを受け取ることができます。この仕組みにより、ワールドコインは世界中の個人に対して、公平かつ効率的に仮想通貨を配布する新たな方法を提示しています。
ワールドコイン(WLD)の特徴
ワールドコイン(Worldcoin/WLD)の特徴としては以下のような点が挙げられます。このプロジェクトは、世界中の人々に仮想通貨を配布するという革新的な目標を掲げています。その中核となるのが、独自の生体認証技術を用いた「World ID」システムです。
World IDは、プライバシーを保護しながら個人を識別する分散型のデジタルIDとして機能します。この仕組みを支えているのが、虹彩スキャンを行う「Orb」と呼ばれる特殊な生体認証デバイスです。Orbは世界各地に設置され、ユーザーはこのデバイスを通じて本人確認を行い、World IDを取得することができます。
さらに、World IDの取得者にはWLDトークンが配布されます。これは、ユニバーサルベーシックインカム(UBI)の実現に向けた一歩として位置付けられています。WLDトークンは、様々な暗号資産取引所で取引可能であり、ユーザーにとって経済的な機会を提供する可能性を秘めています。
このプロジェクトの特筆すべき点は、AIと人間を区別するための信頼できるソリューションを提供することです。これは、デジタル時代における重要な課題の一つに対する解決策となり得ます。
また、ワールドコインは独自のL2ブロックチェーンである「World Chain」を展開しており、スケーラビリティと効率性の向上を図っています。これにより、大規模な利用者基盤に対応できる強固なインフラストラクチャーを構築しています。
OpenAIのCEOが共同設立したプロジェクト
World(ワールド)は、OpenAIのCEOであるサム・アルマン氏が共同設立した仮想通貨プロジェクトという点で大きな注目を集めています。このワールドコイン(WLD)プロジェクトは、AIと仮想通貨の融合という革新的な試みとして世界中から関心を寄せられています。
OpenAIは、近年急速に技術活用が進んでいる人工知能(AI)を活用したAIチャットボット「ChatGPT」や「GPT-4」などの開発で知られる非営利研究機関です。同機関の技術力と革新性は、ワールドコイン(Worldcoin)プロジェクトにも大きな影響を与えています。
ワールドコインの共同創設者であるサム・アルマン氏とアレックス・ブラニア氏は、ワールドコインの公式サイトの中で『私たちは"誰もが所有する新しいIDと金融ネットワークを作る"という野心を持ってWorldcoinを設立した』と語っています。この声明は、分散型IDと仮想通貨を組み合わせた新しい経済システムの構築を目指す彼らのビジョンを明確に示しています。
サム・アルマン氏のような著名な人物が関与していることで、ワールドコイン(WLD)プロジェクトは立ち上げ当初から高い信頼性と期待を集めています。OpenAIの革新的な技術と、仮想通貨の分散型システムを融合させることで、従来にない新しい価値創造の可能性が期待されています。
ユニバーサルベーシックインカムの実現
Worldは、同プロジェクトが成功すれば、最終的にはAIが資金提供するユニバーサルベーシックインカム(UBI)への潜在的な道筋を示すことができるとも説明しています。
ユニバーサルベーシックインカム(UBI)とは、全ての個人に対して最低限の生活を送るのに必要な所得を国が保障する制度のことであり、現在はベーシックインカム制度の導入について世界的に議論が進められています。この概念は、ワールドコイン(WLD)プロジェクトの核心的な目標の一つとなっています。
Worldは「ワールドコインのプロジェクトが成功すれば、経済的機会を大幅に増やし、プライバシーを保護しながらオンラインで人間とAIを区別するための信頼できるソリューションを拡張し、世界的な民主的プロセスを可能にすることができる」と述べています。
WLDを活用したUBIの実現は、従来の経済システムに革新をもたらす可能性があります。World IDによる本人確認システムと組み合わせることで、公平かつ効率的な所得分配メカニズムを構築することが期待されています。
さらに、Orbを通じた生体認証技術は、UBIの実施において不正受給を防ぎ、真に必要とする人々に支援が行き渡るようにする上で重要な役割を果たすと考えられています。このように、ワールドコインエコシステムは、UBIの実現に向けた技術的基盤を提供することを目指しています。
プライバシーを保護するデジタルID:World ID
Worldは、ユーザーのプライバシーを保護するデジタルIDである「World ID」を提供します。このWorld IDは、ワールドコイン(WLD)エコシステムの重要な要素として機能し、分散型アイデンティティの実現を目指しています。
World IDの発行プロセスは、目の虹彩をスキャンする生体認証デバイス「Orb」を通じた本人確認から始まります。この独自の認証方法により、各個人に固有のデジタルIDが生成されます。注目すべき点は、ID発行時のチェックがローカル環境で行われる仕組みであり、発行者が画像を保存・アップロードする必要がないため、ユーザーのプライバシーが高度に保護されるということです。
このWorld IDは、匿名性を維持しつつ自分が"実在する人間"であることを証明できる分散型・自己管理型のデジタルパスポートとして機能します。具体的には、ゼロ知識証明と呼ばれる先進的な暗号システムを活用し、プライバシーを保護しながら個人の識別を可能にしています。
従来のログインシステムでは「メールアドレス・電話番号・パスワード」などの個人情報を入力するのが一般的でしたが、World IDを使用すれば、これらの情報を入力する手間を省くことができます。さらに、World IDの利用により、ハッキングによるなりすましなどのセキュリティリスクも大幅に軽減されることが期待されています。
World IDの導入は、ワールドコイン(WLD)プロジェクトの目標である「世界最大規模のID基盤と金融ネットワークの構築」に向けた重要なステップとなっています。この革新的なデジタルIDシステムにより、プライバシーとセキュリティを両立しつつ、グローバルな規模での人間の識別と認証が可能になると期待されています。
虹彩スキャンの生体認証デバイス:Orb
Orb(オーブ)は、ワールドコイン(WLD)プロジェクトにおける本人確認で使用される虹彩スキャン形式の生体認証デバイスです。このユニークな装置は、世界中の様々な場所で展開されており、記事執筆時点では日本の東京の一部店舗などにも設置されています。Orbを通じて行われる本人確認プロセスは、ワールドコインエコシステムの中核を成す重要な要素となっています。
実際のOrb設置場所は、仮想通貨WLDを保管できるウォレットとしての機能を持つ専用アプリ「World App」の中で確認することが可能です。このアプリをダウンロードすることで、ユーザーは本人確認の前準備をスムーズに行うことができます。World Appは、iOS・Android版の両方が提供されており、アプリダウンロード後は電話番号の入力など簡単な作業でアカウントやウォレットを作成することができます。
Orbを使用した本人確認プロセスは、ワールドコインプロジェクトの人気により予約が殺到していることも報告されています。そのため、World Appではスケジュール予約機能が実装されています。実際に本人確認を行う場合には、アプリ内でスケジュールなどをチェックし、事前に予約を入れておくことが重要です。これにより、スムーズな本人確認プロセスを体験することができます。
Orbによる虹彩スキャンは、ワールドコインの基本理念である「プライバシーの保護」と「ユニークな個人識別」を両立させる重要な技術です。この生体認証プロセスを通じて、ユーザーは「World ID」と呼ばれる固有のデジタルIDを取得することができます。World IDは、個人のプライバシーを守りつつ、オンライン上で「実在する人間」であることを証明できる革新的なツールとして機能します。
なお、Orbを通じた本人確認とWorld ID取得は、ワールドコイン(WLD)トークンの配布を受けるための重要なステップとなっています。この仕組みにより、ワールドコインプロジェクトは「全ての人間に仮想通貨を配布する」という野心的な目標の実現に向けて着実に前進しています。
Follow Worldcoin on Twitter or download World App for the most up to date information on Orb locations & booking information. pic.twitter.com/q7wt7NIAdD
— Worldcoin (@worldcoin) July 24, 2023
Orbの安全性に関する監査報告
全ての人間に配布される仮想通貨:WLD
ワールドコイン(WLD)は、人間であるだけで受け取ることができる暗号資産です。ワールドコインで本人確認などの必要な作業を行ったユーザーは、WLDを受け取ることが可能となります。この独自の仕組みにより、グローバルな分散型金融システムの構築を目指しています。
WLDは2023年7月24日にリリースされましたが、その後は「BINANCE」や「Bybit」などを含む様々な大手暗号資産取引所で"WLDの上場"が発表されました。これにより、WLDトークンの流動性と取引可能性が大幅に向上しました。
ワールドコインは、元々イーサリアム(ETH)メインネット上のERC-20トークンとして発行され、World ID保有者が受け取れるWLD助成金は「Optimism Mainnet」で配布されていましたが、2024年10月にはWorld独自のL2であるWorld Chain(ワールドチェーン)がリリースされたため、現在は「World Chain」が主流となっています。この移行により、スケーラビリティと取引速度が向上し、ネットワークの効率性が大幕に改善されました。
なお、WLD保有者はOptimismブリッジなどのブリッジツールを介してWLDトークンを他ネットワーク上のトークンに変換することができます。これにより、異なるブロックチェーン間でのトークンの移動が可能となり、ユーザーに柔軟性を提供しています。
WLDの配布と利用は、ワールドコインプロジェクトの核心部分であり、グローバルな金融包摂を促進する重要な要素となっています。この革新的なアプローチにより、従来の金融システムにアクセスできなかった人々にも、暗号資産を通じた経済参加の機会が提供されることが期待されています。
全人類に平等配布「ORB」も登場
Worldcoin(WLD)の基本情報
以下の表は、ワールドコイン(WLD)に関する基本的な情報をまとめたものです。このプロジェクトは、分散型IDと仮想通貨の配布を組み合わせた革新的な取り組みとして注目を集めています。
プロジェクト名称 | Worldcoin(ワールドコイン) |
トークン名称 | Worldcoin(ワールドコイン) |
ティッカーシンボル | WLD |
基盤ブロックチェーン | Ethereum、Optimism、World Chain |
発行日 | 2023年7月24日 |
総供給量 | 10,000,000,000 WLD |
管理者 | Worldcoin Foundation |
ワールドコイン(WLD)は、OpenAIのCEOであるサム・アルマン氏が共同設立したプロジェクトであり、世界中の人々に仮想通貨を配布するという壮大な目標を掲げています。このプロジェクトの特徴的な点は、Orbと呼ばれる虹彩スキャンデバイスを使用して、ユーザーの本人確認を行うことです。
World Chainは、ワールドコインプロジェクトが2024年10月にリリースした独自のLayer 2ソリューションであり、WLDトークンの主要な基盤となっています。これにより、より効率的でスケーラブルなトランザクション処理が可能となりました。
WLDの価格・チャート
ワールドコイン(WLD)の価格とチャートは、暗号資産市場の動向を反映し、常に変動しています。WLDの価格は、プロジェクトの進捗や市場のセンチメントに大きく影響を受けます。投資家やトレーダーは、WLDの価格動向を注視し、最新の市場情報を把握することが重要です。
WLDを取扱う暗号資産取引所
ワールドコイン(Worldcoin/WLD)は、現時点では日本国内の暗号資産取引所には上場していません。そのため、WLDトークンを取引したい投資家は、海外の暗号資産取引所を利用する必要があります。
WLDを取り扱う主要な海外の暗号資産取引所には、以下のようなプラットフォームがあります(2025年4月時点):
【日本国内の暗号資産取引所】
・未上場
【海外の暗号資産取引所】
・BINANCE(バイナンス)
・KuCoin(クーコイン)
・OKX(オーケーエックス)
・Bybit(バイビット)
・Bitget(ビットゲット)
・Gate.io(ゲート)
・MEXC(エムイーエックスシー)
など
これらの取引所では、WLDトークンの取引が可能です。ただし、各取引所によって取り扱う通貨ペアや取引手数料が異なる場合があるため、投資を検討する際は複数の取引所を比較検討することをおすすめします。
また、WLDトークンを購入する際は、World Chain(ワールドチェーン)上のトークンを取得することが望ましいでしょう。World Chainは、ワールドコインプロジェクトが開発した独自のLayer 2ソリューションであり、より効率的なトークン運用が可能となります。
なお、WLDトークンの価格や流動性は、プロジェクトの進展やマーケット状況によって変動する可能性があります。そのため、投資判断を行う前に、ワールドコインプロジェクトの最新情報や市場動向を十分に確認することが重要です。
Worldcoin(WLD)対応ウォレット
ワールドコイン(Worldcoin/WLD)を保管することができる代表的なウォレットとして以下のようなものが挙げられます。
・World App(iOS版)
・World App(Android版)
Worldcoin(WLD)関連リンク
・World公式サイト
・World公式X(Twitter)
・World公式YouTube
・World公式Telegram
・World Chainエクスプローラー
・World公式Discord
・Github
・ホワイトペーパー
国内で取引可能な仮想通貨一覧
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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