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TOYOTA:ブロックチェーンで「デジタル広告」の不正行為撲滅へ ー Lucidityと協力


TOYOTA(トヨタ)は、デジタル広告を購入する際の詐欺などの不正行為をなくすためにブロックチェーン技術を活用しています。同社は、Blockchainを活用した広告管理サービスを提供している「Lucidity」と契約を結び、宣伝活動の費用を効率的に運用するための取り組みを行なっています。

こちらから読む:広告管理にも活用される「ブロックチェーン」基本知識を”3分”で

ブロックチェーン・マーケティング分析プロトコル|Lucidity

Lucidityは、ブロックチェーン技術を用いてマーケティングの分析を行い透明性をもたらすことによって、オンライン広告などの広告業界に”信頼”を提供しているブロックチェーン企業です。

ブロックチェーンやスマートコントラクトを用いてあらゆるデータの追跡、検証を行うことができるソリューションを提供している同社は、暗号化技術によって保護された次世代型のマーケティング分析ツールを提供しています。

・インプレッションの確認
・支払いの追跡
・詐欺の防止
といった機能を備えている同社のソリューションは、広告に関連する様々な情報を安全な方法で詳しく分析することを可能にするため、業務効率を高めながら無駄なコストを削減し、訪問者にとっても信頼できる「理想的なウェブサイト」の構築をサポートしています。

ブロックチェーンでオンライン広告を効率化|TOYOTA

TOYOTA(トヨタ)は、デジタル広告における詐欺を排除するために「Lucidity」と協力して広告費の無駄をなくすための取り組みを行なっています。

宣伝活動を最適化する「明確なデータセット」

TOYOTAの北米メディアディレクターであるNancy Inouye(ナンシー・イノウエ)氏は、この取り組みによって最終的に「TOYOTAウェブサイト」への訪問者数が21%増加したことを報告しており、当初は3週間を予定していた「Lucidity」との契約を延長する予定であると伝えています。同氏は『実施期間を長くすることによって、結果もより良いものになると考えている』と述べています。

デジタル広告の分野では、ブロックチェーン技術を活用することによって多くの問題を抱えている「広告業界」に強い信頼をもたらすことができると期待されています。ブロックチェーン技術を用いた新しい広告の管理方法は、情報のやり取りなどの取引を時間順に記録し、参加する全てのメンバーで利用することができるデータベース(元帳)として機能するため、透明性だけでなく効率的なサービスの提供もサポートします。

イノウエ氏は『ブロックチェーン技術を用いることによってサプライチェーンで何が起こっているのかを広告主に明確に伝えることができるため、宣伝活動を分析して最適化するための明確なデータセットを提供することができる』と説明しています。

デジタル広告の「透明性」向上へ

トヨタの代理店である「Saatchi&Saatchi」は、マーケティング担当者がデジタル広告を購入するための需要者側のプラットフォームである「AppNexus」を通じて、米国で1000万回の広告インプレッションを購入したと伝えられています。

Lucidityは、AppNexusを含むデジタルサプライチェーン全体の販売店からデータを収集し、それらの情報をソフトウェアに組み込むことによって、詐欺、ドメインのなりすまし、ボットトラフィックなどの不一致を発見しました。Lucidityは同社がボットの浸透などの不正行為の指標である、インプレッションとクリックの乖離度が高いサイト運営者やアプリにフラグを立てることによって、パフォーマンスの高いサイトへと資金を移動させ、トヨタのウェブサイトを効率的なものへとシフトさせることに取り組んでいると伝えています。

イノウエ氏は、トヨタはその他多くの企業と同様に「デジタル広告購入時の透明性」を向上させることを望んでいるため、ブロックチェーン技術を活用していくことに関心を持っていると伝えています。

車両本体や製造過程にも ー 活用が進む「ブロックチェーン」

自動車業界では、多くの大手メーカーがブロックチェーンの活用に取り組んでいます。車両自体に直接ブロックチェーン技術を組み込む実験や、自動車部品の製造過程に透明性をもたらすための活用など、その利用方法は非常に様々ですが、これらすべての新しい取り組みは今後の自動車業界を大きく成長させると考えられるものばかりでもあるため、ブロックチェーン技術の将来を考える上で注目すべき内容の一つであることは間違いないでしょう。