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チューリッヒ保険会社:ブロックチェーン技術で「債券管理」ー Accentureと共同開発


チューリッヒ保険グループの一部である「Zurich Benelux(チューリッヒ・ベネルクス)」と総合コンサルティング会社「Accenture(アクセンチュア)」は、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3か国で構成されるベネルクス地域の顧客が「債券」を合理的に管理することができるブロックチェーン・ソリューションを開発したことを発表しました。

こちらから読む:債券情報も安全に管理「ブロックチェーン」が持つメリットとは

世界210以上の地域に展開する保険グループ|チューリッヒ

チューリッヒ保険グループは、保険事業を中心とした金融サービスを国際的に展開している金融グループです。スイスに本社を構えている同グループは、約53,000人もの従業員を有しており、世界210以上の国や地域で個人、中小企業、大企業までのあらゆる規模の顧客に損害保険や生命保険などのサービスを提供しています。

今回ブロックチェーン製品の提供を発表したZurich Benelux(チューリッヒ・ベネルクス)は、ベルギーオランダ、ルクセンブルクの3か国で構成されるベネルクス地域の市場で保険サービスを提供しており、ビジネス向けの損害保険の中で最も専門的な保険会社の1つとも言われています。

各業界との交流プロセスを簡素化|アクセンチュア

アイルランドに本拠地を置く総合コンサルティング会社「Accenture(アクセンチュア)」が開発した新しいソリューションは、顧客が債券のステータスを確認して履歴記録をチェックし、債券予測をブラウズしたり、債券要求を新たに署名することができる使いやすいダッシュボードで構成されています。

これは、Zurich Benelux(チューリッヒ・ベネルクス)の既存の保証管理システムとブロックチェーン・ベースのシステムを統合した、無駄がなく透明性の高いデジタル・ハブとして機能する新しいユーザー・インターフェースとなっています。

ベルギーとルクセンブルクで、アクセンチュアのファイナンシャルサービス業務を統括しているKristof Lambert(クリストフ・ランバート)氏は、『ブロックチェーン技術を活用することによって、保険会社が様々な業界参加者とコミュニケーションをとるための新しい土台を作り、プロセスを簡素化することができる』と語っています。

またチューリッヒ・ベネルクスの最高執行責任者(COO)であるディディエ・ムレナ(Didier Murena)氏は、今回発表された新しい製品について次のように説明しています。

これまでに顧客サポート担当者が行ってきた電話や電子メールでの面倒なプロセスは、今やオンラインでシームレスに行うことができます。

ブロックチェーン技術は、保険バリューチェーン全体における顧客やその他の人々との情報交換方法に大きな変化をもたらします。この製品を利用すれば、顧客、第三者および従業員の管理負担を軽減することができるため、より高いレベルのサービスとケアを必要とする作業に集中できるようになります。

ブロックチェーンで利害関係者との取引を合理化

Finaccordによると、欧州全体の保険担保証券の総保険料と手数料の合計額は、来年までに32.6億ユーロ(約4,216億円)に達する可能性があると言われています。

ブロックチェーンの技術を活用すれば、取引や記録業務を分散化して行うことができるため、高い透明性とセキュリティを確保するのに大きく役立ちます。またブロックチェーンは、公証人、ブローカー、再保険業者、保険市場の共同事業者などといった、複数の利害関係者間でのやりとりを合理化することもできるため、セキュリティと正確性を兼ね備えた理想的な環境を構築するのに大きく役立つとも期待されています。

ブロックチェーン技術は、今や世界中のあらゆる業界で積極的に活用されています。保険会社でもブロックチェーンを活用した実験などはすでに複数の企業で行われており、人的ミスやコストの削減などに向けた取り組みも行われています。様々な業界に安全と信頼を与えるブロックチェーン技術の活用は今後もさらに勢いを増していくことになるでしょう。

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