アメリカ・アーカンソー州に本部を置く世界最大のスーパーマーケットチェーン「Walmart(ウォルマート)」が2019年1月に提出した「ブロックチェーン技術に基づいたドローン通信システム」の特許申請書類が米国特許商標庁(USPTO)によって今月1日に公開されました。
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ドローンの情報共有などにブロックチェーン活用
米国特許商標庁(USPTO)が公開したWalmart(ウォルマート)の特許申請書類には、ドローンの動作パラメーターを暗号化して保存するシステムについての説明が行われています。暗号化された情報は別のドローンに渡され、ドローンはこれらのパラメーターを複合化して読み取った後に構成します。
ブロックチェーン技術を使用して送信される情報の中には「ドローン識別番号・飛行高度・飛行速度・飛行ルート・バッテリー情報・積載量」などの情報が含まれており、これらの情報はドローン間の中間位置に基づいて共有できるようになっていると伝えられています。
これにより、各ドローンはそれぞれのドローンの状況を把握することができるようになり、互いの位置や方向を認識することができます。
ブロックチェーンベースの「スーパーマーケット」誕生か
Walmart(ウォルマート)はこれまでにも積極的にブロックチェーン技術を活用しており、昨年9月には同社が販売するレタスの安全性を向上させるために「生産段階から店頭に並ぶまでの様々な情報をブロックチェーンに記録するシステム」を発表しています。
また今月公開された別の特許では「ブロックチェーン技術を用いた独自の仮想通貨」を開発していることも明らかにされています。この仮想通貨は米ドル(USD)に連動したステーブルコインとなっており、手数料が無料となるほか、現金への交換も簡単に行うことができ、利子を稼げる可能性もあると伝えられています。
ドローンにブロックチェーン技術を統合する試みはすでに複数の企業で進められており「航空写真の撮影・共有」や「荷物の輸送」など様々な分野での応用に期待が高まっています。ウォルマートが現在申請している特許技術が実際に利用され始めるようになれば「ブロックチェーンで安全性が保証された食品を、ブロックチェーンで管理されたドローンが運び、ブロックチェーンで構築された仮想通貨によって支払いを行う」という環境が出来上がることになると期待されます。
世界のスーパーマーケットに先駆けて、積極的にブロックチェーン技術を活用している「Walmart」の発表には今後も注目です。
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