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仮想通貨は通貨ではなく資産である|G20首脳会議

3月19日からアルゼンチンで開催されたG20首脳会議では、仮想通貨の世界的な規制に向けての合意は少なかったとのことです。また「仮想通貨は法定通貨としての特徴を欠いている」との理由から、G20は仮想通貨を暗号資産と呼び、国際機関による監視の必要性を訴えました。

イングランド銀行の総裁でありFSBの会長も務めるマーク・カーニー氏は、3月のスピーチで仮想通貨に対する規制を支持していましたが、今回のG20では「仮想通貨が現時点では世界的な財政の安定性にリスクをもたらさない」とコメントしました。

消費者と投資家の保護/脱税/市場の完全性/マネーロンダリング/テロ資金調達などについては、世界中の監督当局がこれまでに述べてきたような懸念を表明しています。

暗号資産には、主権の主要な属性が欠けています。ある時点では、財政の安定性に影響を及ぼす可能性があります。我々は、暗号資産に適用する金融活動タスクフォース(FATF)基準を実施し、その基準のFATFレビューを楽しみにし、FATFにグローバル実施を進めるよう呼びかけている。我々は、国際基準設定機関(SSBs)に対し、仮想通貨に関連する資産とそのリスクを引き続き監督し、必要に応じて多国間対応を評価するよう求めている

また英国財務省は、イングランド銀行と金融行政当局との間で、仮想通貨のリスクを調査するタスクフォースを確立する予定とのことです。

各国代表者のコメント

今回のサミットにおける各国の代表者は次のようにコメントしています。

オランダ中央銀行総裁/金融安定理事会(FSB)会長「クラース・クノット」氏

クリプト・アセット(仮想・資産)と呼ぼうが、クリプト・トークン(仮想仮想トークン)と呼ぼうが構わないが、私に言わせれば「クリプト(仮想)通貨では絶対にない」ということははっきり申し上げておく。

どんな仮想通貨も経済における通貨の3つの役割を果たしているとは思えない。

ブラジルの中央銀行大統領「Ilan Goldfajn」氏

仮想通貨には通貨を特徴付ける安定性と支払いの容易性がない。それは通貨よりもトークン資産のほうが多い。

日本銀行総裁「黒田治彦」氏

消費者や投資家の保護、マネーロンダリングなどの不適切な取引を防ぐ方法を検討することは非常に重要です。一方、ブロックチェーンのような新技術は、金融システムにプラスの効果をもたらす

財務副大臣「木原稔」氏

自由貿易の重要性は共有された。一定の評価ができる

ブルノ・ル・マイレ副大統領

仮想通貨は通貨よりも資産だ

市民をどんな種類の投機やマネー・ロンダリングやテロ資金から守り、保護したいのであれば、ルールが必要だ

サウジアラビアの金融監督当局(Ahmed Alkholifey)

通貨の第1の機能は、安定した取引所の役割を果たすことであり、今日の様々な暗号資産を使った今日の経験は、この点では満足できるものではない