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富士通がベルギーにブロックチェーン研究センターを開設

富士通は、ベルギーの首都ブリュッセルに「ブロックチェーン・イノベーション・センター」を2018年3月21日に開設したことを発表しました。このセンターを通じてEU内の現地企業や研究機関と連携し、都市における社会/経済/環境などの課題を調査した上で、ブロックチェーン技術を使って、公的台帳や選挙登録用の身分証明、スマートコントラクトにおける取引プロセス・監査の自動化などの可能性を探っていく予定です。

ブロックチェーン技術は金融分野だけでなく、物流/サプライチェーン/不動産の所有管理/選挙登録用の身分証明などの改ざんできない取引記録が必要な分野でも活用することができます。

「ブロックチェーン・イノベーション・センター」は、ブロックチェーンを利用して顧客が所有する製品やサービスにおけるビジネス変革を実現するため、世界中の様々な企業や研究機関と連携するために、欧州の中心であるブリュッセルに設立したとされています。

このセンターはベルギーにおけるスマートシティの実現に向けて、都市における社会的/経済的/環境などの課題を調査した上で、ブロックチェーン技術の活用による課題解決を顧客と共に進めていくことを目的としています。

富士通テクノロジー・ソリューションズにおいてベネルクス三国を統括しているYves de Beauregard氏は次のように述べています。

「我々は既に多くのお客様がブロックチェーンによるビジネス変革について強い関心を抱いていることを認識しています。『ブロックチェーン・イノベーション・センター』は、ブロックチェーン技術の調査やソリューション導入を検討している世界中のお客様を支援する重要な場としてブリュッセルに開設しました。本センター開設を契機に、今後、様々な業種におけるブロックチェーン利用拡大の可能性を模索していきます。」

ベルギーの副首相であるKris Peeters氏は次のように述べています。

「ベルギーは欧州の中心に位置し、技術開発も進んでいるほか、高い言語能力を有する国民も多いため、富士通の『ブロックチェーン・イノベーション・センター』のような施設を開設するのに理想的な場所だと考えています。ベルギー政府にとっても、経済の発展を維持させるために富士通のような革新的な企業と協力することは重要だと考えています。」

富士通テクノロジー・ソリューションズにおいてベネルクス三国を担当しているPresales and Business Assurance DirectorであるFrederik De Breuck氏は次のように述べています。

「富士通は、ベルギーにおけるスマートシティの実現に向けて、ブロックチェーンが重要な役割を果たすと確信しています。National League of Citiesのレポートによれば、現在世界の人口の半数以上が都市部に居住し、2050年までには66%に増加すると予測されています。こうした傾向により、公共の安全確保やインフラ、交通、住居といった分野に対する政府への要望が高まり、都市部の社会的・経済的・環境などの問題に対処するため、ICTとインフラ、およびアーキテクチャーを統合するスマートシティへの進化が促進していくと考えています。スマートシティの実現において、公的台帳や選挙登録用の身分証明、スマートコントラクトにおける取引プロセスや監査の自動化が可能なブロックチェーン技術が重要な役割を果たすことは間違いありません。」

富士通は以前からブロックチェーン技術の開発に力を入れており、契約書の信頼性をブロックチェーンで担保できるかを検証するための実証実験をジャパンネット銀行と共同で行っています。

また富士通研究所と中国の研究子会社は3月7日に、スマートコントラクトの安全性を向上する技術を開発したことを発表しています。イーサリアム上で、リスクのある取引を自動で探し出すアルゴリズムを開発したとのことで、従来よりも高い精度でリスクを検出することができるとされており、富士通では18年度中の実用化を目指すとのことです。

FUJITSU プレスリリース