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Binanceは地中海のマルタ島に拠点を開設予定

仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は近い将来、地中海のマルタ島で拠点を開設する予定であることが明らかになりました。マルタでは現地の銀行と共同で法定通貨と仮想通貨の預金と引き出しのサービスを提供する予定となっています。

バイナンスの最高経営責任者(CEO)である趙長鵬(ジャオ・チャンポン/Zhao Changpeng)氏は、Bloomberg(ブルームバーグ)のインタビューで、近いうちにマルタ島で拠点を開設する予定であり、現地の銀行と共同で法定通貨と仮想通貨の預金と引き出しのサービスを提供することを明かしました。

「我々はすぐに銀行業務の提携を発表することができると確信しています。マルタは仮想通貨とフィンテックに関しては非常に進歩的です。」

各国の厳しい規制状況

現在Binanceには正式な本社がなくセキュリティ上の理由から場所を秘密にしていますが、香港/台湾/日本/韓国にオフィスやサーバーを保有していることは明らかになっています。バイナンスはアジア太平洋地域が「法的に不確実である」ため、香港からマルタ島に移転する予定です。

バイナンスは日本と香港の規制当局から営業許可を取得しようとしていましたが「現地の規制当局との衝突を避けるために職員を撤去することにした」と趙氏は述べています。先日日本の金融庁はバイナンスに対して、承認されずに運営することに警告を出しています。

趙昌鵬氏は香港当局との共同作業を試みており議論は進行中ですが、趙氏はその結果は”非常に不確実である”と述べています。
2月に香港の規制当局は、投資家に対して仮想通貨投資のリスクについて注意喚起すると同時に、有価証券とみなされる仮想通貨を取引しないように香港を拠点とする7つの仮想通貨取引所に警告を出しており、バイナンスも警告書を受け取っているとのことです。

仮想通貨に進歩的なマルタ政府

マルタ政府は今年2月に「マルタデジタルイノベーション局」を立ち上げており、ブロックチェーン技術/仮想通貨/ICOを進める企業に法的な確実性を与えるための法律を制定しています。

デジタル経済担当議員のシルビオ・スキブリ氏は、マルタと仮想通貨の3つのステップを次のように概説しました。

第1ステップは権限の設定を扱い、
第2ステップは技術サービス提供者の登録制度と技術契約の証明書を発行する法案を提出することを扱う。
第3段階では、ICOの枠組みと仮想通貨に関連する特定のサービスの提供に関する規制体制を設定する法案を発効させる予定です。

マルタのジョセフ・マスカット首相は、バイナンスのマルタオフィス開設について次のようなツイートを投稿しています。

「バイナンス、マルタへようこそ。私たちはブロックチェーンビジネスの規制において世界の先駆者を目指し、世界クラスのフィンテック企業から選ばられるような司法制度を構築します。」

この首相のツイートに対して、趙氏は次のように答えています。

「首相、光栄です。ブルーバーグの記事には引用されなかった私の発言を紹介します。」

“マルタは仮想通貨とフィンテックにとても積極的だ。我々はマルタが仮想通貨ビジネスを推進していくのに適した場所だと考えています。”

趙氏はブルーバーグへのインタビューの中で、技術的な準備が整えば、今後数ヶ月の間に分散型取引所を立ち上げる予定であると語りました。
現在、約10チームが開発作業を進めていますが、現在の技術は既存の集中型交換システムを置き換えるには遅すぎるとのことです。

(引用元:Bloomberg