韓国・ソウルの地方警察が同国最大の暗号資産取引所「Bithumb(ビッサム)」の家宅捜索に乗り出したことが地元メディア「ソウル新聞」の報道で明らかになりました。報道によると同社の取締役会長であるLee Jung Hoon氏には、仮想通貨BXAトークンの販売による投資詐欺の疑いがかけられているとのことです。
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BXAトークン販売による「投資詐欺」の疑い
Bithumb(ビッサム)は韓国で最も多くのユーザーを持つ大手暗号資産取引所として知られていますが、現在同社はソウル警察から家宅捜索を受けていると報じられています。
「ソウル新聞」の報道によると、ソウル地方警察の情報犯罪班は2020年9月2日にソウルの江南区にあるBithumb本社を仮想通貨を用いた投資詐欺などの容疑で家宅捜索したと報告されています。
Bithumbは2018年にシンガポールの「BKグループ」との間で買収交渉を進めていた際にネイティブトークンである「BXAトークン」を発行しており、将来的にBithumbに上場することを約束して300億ウォン(約26億7800万円)相当のプレセールを実施して投資家から資金調達を行っていました。
しかし、最終的にこの買収交渉は成立しておらず、BXAトークンもBithumbに上場しなかったため、BXAトークンの価格が暴落して300名ほどの投資家が損害を受けており、この被害を受けた投資家たちが被害を訴えていたと報告されています。
実際にBXAトークンの価格は大幅に下落しており、2019年2月末に36円前後で取引されていたBXAトークンの価格は2020年9月3日時点で「1BXA=0.26円」まで下落しています。
韓国ではここ最近で暗号資産取引所への取り締まりが強化されてきており、先月末には同国で3番目に大きい暗号資産取引所「Coinbit(コインビット)」が『取引量のほとんどを意図的に水増しした可能性がある』として立ち入り調査を受けたことや、暗号資産取引所「Komid(コーミッド)」の代表取締役と幹部が取引高を偽造した事件で3年と2年の実刑判決を受けたことなども報告されています。