バウンスビット、ブラックロックのBUIDL活用で年利24%実現へ|RWA利回り戦略を強化

バウンスビット、ブラックロックのBUIDL活用で年利24%実現へ|RWA利回り戦略を強化(BounceBit aims for 24% APY using BlackRock’s BUIDL in enhanced RWA yield strategy)
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BUIDL活用で利回り最大化へ

金融インフラ企業「BounceBit(バウンスビット)」は2025年5月19日、米資産運用大手ブラックロックの米ドル建てデジタル流動性ファンド「BUIDL」を活用し、自社の現実資産(RWA)利回り戦略プラットフォームを強化することを発表しました。

BUIDLは米国債券などに裏付けられた安定利回りを生むトークン化ファンドで、バウンスビットはこの資産を担保としてビットコイン(BTC)の裁定取引戦略を実行することで、年率約24%にも及ぶ高い利回りを実現したと報告しています。

従来のステーブルコイン担保では得られない米国債利息分を上乗せできる点が特徴で、投資家にとっては米ドル資産からの利息収入と仮想通貨(暗号資産)市場の裁定利益を同時に得られるメリットがあると説明されています。

バウンスビットはこのBUIDL担保型の戦略を「BB Prime」という新サービスとして提供し、近く機関投資家から個人投資家まで幅広く利用できるようにする予定です。

バウンスビットの次世代利回り戦略

今回の発表で明らかにされた戦略のポイントは「トークン化国債ファンド」であるBUIDLを担保として活用した点です。

BUIDLはブラックロックがセキュリタイズ社と共同で2024年3月に立ち上げた民間ファンドで、米国債と現金を運用資産とし、ブロックチェーン上(オンチェーン)で年約4%の利回りを提供するよう設計されています。

バウンスビットは、このBUIDLトークンを取引プラットフォームに預けて担保としたことで、ビットコインの現物と先物の価格差を利用する裁定取引(ベーシス取引)と、ビットコインのプットオプション売却という2種類の運用戦略を同時に実施しています。

二重の収益源による合計利回り24%

この運用によって、先物とオプションから年率約20%の収益を得るとともに、担保にしたBUIDLから約4%の米ドル利息を同時に獲得し、合計で年利約24%の高利回りを実現しました。

この手法は、無利息のステーブルコインを担保とする従来の方法と比べて資本効率を大幅に高めるものです。

バウンスビットのジャック・ルーCEOは「米国債利回りと資金調達レートによる裁定取引を組み合わせることで、効率的な収益化が可能であることを証明できた」と強調しています。

商用化を支えるCeDeFi基盤

今回の取り組みは現段階では実証実験であり一般向けには未提供となっていますが、バウンスビットは独自のCeDeFi(※1)技術を活用し、預け入れた担保資産を安全に保管しながら、取引所でも同時利用できる仕組みを構築しています。


※1:CeDeFi(セディファイ)は「Centralized Decentralized Finance(中央集権型分散型金融)」の略で、中央集権型金融(CeFi)と分散型金融(DeFi)の両方の特徴を組み合わせた新しい金融モデル

バウンスビットは将来的に、このBUIDL活用型戦略を商用サービスとして本格展開し、投資家に安定した米ドル建て利回り商品を継続的に提供する方針を明らかにしています。

なお、バウンスビットはビットコインと自社の独自トークンを担保として活用する「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)型ブロックチェーン」も運営しています。この独自ブロックチェーン上では、ステーキングサービスやRWA関連の収益性の高い金融商品を提供しています。

2025年5月19日時点でのバウンスビットのプラットフォーム上で管理される資産総額(TVL)が、約4億9,000万ドル(約710億円)に達していることも報告されています。

仮想通貨市場に広がるRWA革命

ブラックロックのBUIDL活用は、仮想通貨市場で急速に広がりを見せる「現実資産のトークン化(RWA)」トレンドの代表例でもあります。

RWA資産の急成長とBUIDLの拡大

ブラックロックが2024年に開始したBUIDLファンドは順調に規模を拡大しており、最新の市場データによると、BUIDLの運用残高は約28.8億ドル(約4,200億円)に達しています。

オンチェーン上のRWA資産全体も急成長を続けています。

データ分析企業RWA.xyzの調査によれば、2025年3月時点でのステーブルコインを含む関連資産の残高は186億ドル(約2.7兆円)に達しており、前年同時期の約90億ドル(約1.3兆円)から約2倍に成長しました。

DeFiとRWAの融合が加速

こうした急成長を背景に、大手DeFi(分散型金融)プロジェクトもRWAの積極的な活用を開始しています。

特に分散型金融の代表的プロジェクトであるMakerDAO(MKR)は、準備資産10億ドルをトークン化した米国債などに割り当てる大規模な計画を発表しています。この計画では、全体の半分にあたる5億ドルがブラックロックのBUIDLに配分される予定です。

また、米資産運用大手のフランクリン・テンプルトンも、マネー・マーケット・ファンドのトークン化を進めています。

一方で、Ondo Financeなどの仮想通貨関連スタートアップも米国債を担保にした利付トークンを発行しており、従来の伝統的金融と仮想通貨市場の融合(TradFi×DeFi)がますます加速しています。

今回のバウンスビットとブラックロック間の戦略的連携は、伝統的金融の資産を活用して仮想通貨市場で安定した高収益を生み出す新たなビジネスモデルの先駆的事例として、金融業界から大きな注目を集めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.82円)

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Source:BounceBit公式発表

サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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